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「蝶々・雄二の夫婦善哉」 [映画]

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〔1965年/日本〕


法善寺の近くでぜんざい屋を営んでいる、
ミヤコ蝶々と南都雄二夫妻。


蝶々は商売熱心で、
懸命に店を切り盛りしていたが、
南都は、蝶々の父に言われて彼女と結婚したという、
引け目から抜け出せず、
頭の上がらぬ毎日。


しかも彼は、
無類の女好き。
店の店員から、配達先のお客にまで手を出す始末で、
蝶々は気の休まる時がない。


ある時、南都は、飲み屋を営む女・綾子から、
洋食屋を開きたいとの希望を聞かされ、
自分も一緒にと、料理学校に通い出す。


急に商売に熱心になったと勘違いした蝶々は、
南都を応援するが、
ついに綾子の存在に気付き、修羅場となる。


蝶々は南都を許さず、
南都も、若い綾子と生きてゆく事を決め、
家を出てゆくのだが・・・。





大阪を舞台にした、
コテコテのコメディだと思っていたけれど、
とても哀しい。
ラストは切なすぎるくらい、切ない。


笑いの中にある悲しみとでも言おうか、
ミヤコ蝶々がどんなに懸命に南都雄二を愛しても、
おそらくは、南都が蝶々の気持ちを理解した事は一度もない。


南都は、
「蝶々の父親に言われて、仕方なく一緒になった」みたいな
事を言う。
さらに、「一度でも妻を“お前”と呼んでみたかったけれど、
蝶々だと怖くてそれが言えない」とも言う。


そんな風に言われてしまうと、
女ももう、何も言えないね。
もっと別の形で出会っていればと、
運命を恨むしかない。


蝶々さんと南都さんは、
実生活でも夫婦だっと、観終わってから知った。
けれど映画と同じで、
南都さんの浮気が原因で、58年には別れたそうだ。


つまりは、この映画は、
離婚後に作ったという事で、
その仕事に対するプロ根性には感心する。


私だったら、別れた男と一緒に仕事できるだろうかと
考えてみたけれど、
相手をまだ好きだったら、
他の女性と一緒にいる姿は、
見るのも辛いだろうし、
逆に大嫌いだったら、
顔を見るのも嫌であろうし、
いずれにしても、一緒にいるのは難しそうだ。


もちろん、そんなシチュエーションになった事がないから、
想像でしかないんだけど(笑)。


評価 ★★★☆☆

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