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「ミックマック」 [映画]

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〔2009年/フランス〕


主人公・バジル(ダニー・ブーン)は、
幼い頃、父親を地雷で亡くしてしまう。


大人になり、レンタルビデオ屋で働くようになった彼は、
店の前で起こった銃撃戦のせいで、
流れ弾が額に当たり、
その銃弾が頭に埋まったまま生きていく事になる。


仕事を失い、途方に暮れたバジルは、
ギロチン男と呼ばれるホームレス・プラカール(ジャン・ピエール・マリエル)に、
拾われ、彼の住処に連れていかれる。


そこには個性溢れた7人の人間が、
廃品回収をしながら、共同生活をしていた。
人間大砲、軟体女、
計算機女、民族史学者などなど。


ある日バジルは、
父を殺した地雷を製造した会社と、
頭の中に埋まっている銃弾を製造した会社が、
偶然向かい合わせのビルである事を知る。


バジルは7人の仲間たちの協力で、
この二つの会社へ、復讐を企てるが・・・。





先日観た、「最強のふたり」で、
スラム出身の介護者を演じた、
黒人俳優オマール・シー。


彼が他にどんな映画に出ているのか興味を持ち、
調べてみたら、
ある程度ちゃんとしたセリフがあるのは、
この「ミックマック」だけのようであった。


「ミックマック」といえば、
私が大大大好きな「アメリ」のジャン・ピエール・ジュネ監督の
作品じゃないか。
いつか絶対観ようと思っていたので、
いい機会だと思い、借りてきた。


この映画でのシーは、民族史学者で言語オタクという、
「最強の~」とはまるで違う役を演じていた。
眼鏡をかけて、言葉を操る彼は、
頭が良さげで、知的な青年。


映画そのものも、
「アメリ」の監督が作った作品らしさに溢れていて、
グリーンを基調にした画面が本当に綺麗。


全体の雰囲気も「アメリ」に似ていて、
あの不思議な雰囲気もそのまま。
アメリが通行人として歩いていても、
全く違和感なく、溶け込んでしまいそうな感じ。


バジルと7人の仲間たちがする「復讐」というのも、
復讐というより、イタズラに近く、
これもアメリがしていた事の延長のような感じで、笑える。
騙しが基本なので、
全ての場面が伏線となっていて、少しも目が離せない。


武器証人たちへの痛烈な批判が込められているようだけれど、
オチは、現在のネット社会を利用した形になっていて、
そこに今までとの違う新しさを感じた。


評価 ★★★☆☆

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