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「巴里の屋根の下」 [映画]

Parisnoyanenoshita.jpg
〔1930年/フランス〕


パリの裏通りで、歌を歌い、楽譜を売っているアルベール。
彼は美しい娘、ポーラに恋をする。


アルベールの親友・ルイも彼女に惹かれるが、
ポーラは不良のフレッドと出掛けてしまう。
しかし、デートの最中、
フレッドはポーラの部屋の鍵をバッグから盗む。


部屋に入れなくなったポーラは、
アルベールの部屋に泊まる事になる。
そして、それがきっかけで、
2人は結婚の約束をする。


ところが、アルベールの部屋に、
友人から預かった盗品が置いてあり、
警察の手入れで、それが見つかってしまう。
連行されるアルベールを、
黙って見ているしかないポーラ。
2人はどうなるのか・・・。





サイレント映画ではないのに、
なんだかサイレントっぽいなと思いながら観ていたら、
ルネ・クレール監督が初めて手懸けた
トーキー映画だそうだ。


登場人物の気持ちの動きが、
言葉でなく、演技だけで表現されている場面が多く、
目が離せない。


お国柄の違いなのか、
ポーラが、男に誘われるがままに、
デートをしていて、
それが私には、尻軽に感じられてならなかった。
彼女はデートする相手と、
すぐイチャイチャするるように、私には見えた。
それとも、おフランスでは、
あれくらい普通なのだろうか。


とは言え、彼女はとても可愛くて、
沢山の女の子の中にいても、
とても目立つ。
帽子もとってもよく似合っていて、
男たちが放っておかないのも分かるんだけど。


男たちが、彼女を取り合うのに、
決闘をしたり、
サイコロで決めたりするのが、
面白いと思ったな。
だって、たとえ男同士の対決に勝ったって、
彼女がその勝利者を好きでなければ、
付き合う事はできないのに。
それとも、この時代、女の意思は無視なのか?(笑)


ラスト、私が考えていたのとは全然違っていて、
私の理解違い?と気になって、
もう一度確認するために、
最後の10分くらい、
もう一度、巻き戻して観ちゃった(笑)。


やっぱり、間違ってなかった。
これはちょっと切ない結末だな。


評価 ★★★☆☆

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「レ・ミゼラブル」 [映画]

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〔1957年/フランス・イタリア〕


パンを盗み、5年の刑を言い渡されたジャン・バルジャン(ジャン・ギャバン)は、
その後、何度も脱獄を試みた為、
19年も刑務所で過ごしていた。


やっと出所した彼は、
通りすがりの教会に泊めてもらうが、
朝、神父が起きてみると、
銀製の食器が無くなっていた。


警察がジャン・バルジャンを連れて神父の所に来て、
「これはお宅の物ですね?」と食器を見せた時、
神父は、「これはこの人に差し上げた物です。
そうそう、銀の燭台を持っていくのを忘れましたね」と、
2本のそれを、彼に与えた。


神父の心に触れたジャン・バルジャンは改心し、
努力を重ねた末、
ある街の市長になった。


ところが、刑事・ジャベール(ベルナール・ブリエ)は、
彼に見覚えがある事に気付く。
ジャベールの父は刑務所長で、
幼い頃、刑務所の見学をした際、
ジャン・バルジャンに会った事があるのだ。


ジャベールは、釈放された直後に犯した微罪をネタに、
ジャン・バルジャンを投獄する。
しかし、彼は脱獄を図る。
亡くなった娼婦・ファンティーヌから、
娘・コゼットを育てて欲しいと頼まれていた、
その約束を果たす為に・・・。





ヴィクトル・ユゴーの小説の映画化。
ミュージカルが有名だけれど、
これは普通の映画。


「嵐が丘」と同じで、
小学生の時、児童文学で読んだ気がするのだけれど、
よく覚えていない。
それとも、読んではいないけれど、
銀の食器を盗んだジャン・バルジャンに、
さらに燭台を与えたという、有名な神父の逸話が、
頭に残っているのだけなのかもしれない。


ジャン・バルジャンの物語といえば、
この燭台の件までは知っていたけれど、
その先の話は知らずにいた。
なるほど、そういう物語だったのねと、
やっと理解した次第。


この燭台のくだりは、
ほんのプロローグといってもよく、
その後、ずっと長い長い物語が続く。


少女コゼットは一体どこで出てきて、
ジャン・バルジャンとどんな関係なのか、
それが気になっていたのだが、
娼婦の母親が、
金が貯まるまでの間、
通りすがりの夫婦に、彼女を預けた子供なのだと知った。


この夫婦というのが悪い奴らで、
最後まで、ジャン・バルジャンを苦しめる。
ただ、そんなに偶然に、
何度も同じ相手に会うかな、とは思う(笑)。
まぁ、150年も前の小説だから、
仕方ないんだろうけど。


ジャベールもしつこい。
何故か彼は、ジャン・バルジャンに敵対心を燃やしているようで、
何かと付きまとう。
「もう放っておいてやりなよ」と言いたくなるけど、
誰かがいい思いをするのが、
我慢ならない性格なのだろう。


途中で、戦争、とまではいかないけれど、
何か争い事が起こるが、
その辺りは、私にはさっぱり理解できない。
フランスの歴史に詳しい人なら
誰でも知っている史実なのだろうか。


何度も映画化されているようなので、
他の作品も観てみたい。
それに12月には、
ヒュー・ジャックマンがジャン・バルジャンを演じる、
新しい「レ・ミゼラブル」が公開されるようだ。
きっと、現代の人にもより分かり易い物語になっているのだろう。
楽しみ。


評価 ★★★☆☆

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「ロック・オブ・エイジズ」 [映画]

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〔2012年/アメリカ〕


1980年代。
ロック歌手になる夢を持って、
田舎からハリウッドに出てきたシェリー(ジュリアン・ハフ)は、
到着した早々、鞄を盗まれてしまう。


途方に暮れていた所を、
こちらもロックスターを夢見るドリュー(ディエゴ・ボネータ)に助けられ、
そのまま、彼の働くライヴハウス“バーボンルーム”で、
ウエイトレスとして働かせてもらう事になる。


愛し合うようになったシェリーとドリューは、
はたから見ても、可愛い、いいカップルだ。


そんなある日、
ロックバンド・「アーセナル」のボーカルで大スターの、
ステイシー・ジャックス(トム・クルーズ)が、
“バーボンルーム”でライヴを行う事になる。
ジャックスは、地位と名声に溺れ、
女と酒に明け暮れる日々だったが、
その人気には、翳りが見え始めていた。


ところが、ジャックスが“バーボンルーム”の楽屋から、
シェリーと出てきた姿を見たドリューは、
2人が関係したものと勘違い。
彼女に別れを告げてしまう・・・。





これはノれる。
ストーリー自体は、別にどうって事ないけれど、
ロックが好きなかただったら、絶対楽しめる。
(もちろん、好きでないかたも楽しめると思います)


なにせ、田舎から出てくる時、
シェリーがバスの中で突然歌いだすのが、
ナイトレンジャーの「シスター・クリスチャン」。
もうそこから、
心をぐっと掴まれた。
ナイトレンジャー大好き!


そう、この映画は、
よく巷で揶揄される、
登場人物たちが突然歌い出す系のミュージカル(笑)。
バスの中でも、他の乗客たちが、
順番に歌を引き継ぎながら、歌っておった(笑)。


トム・クルーズが主役かと思っていたのだけれど、
今回の彼は、
友情出演(という定義はよく分からないけれど)といった感じで、
それほど出番は多くない。
もしかしたら、そこに不満を持たれるかたもいるかもしれないけれど、
でも、出番は少なくても、
彼の存在感はやっぱり凄い。


初登場シーンの、彼の衣装が笑える。
女の私には書けないわ、ってくらい、
そりゃあ、もう、変なモノをつけて、
女をはべらせて、ベッドでダラダラ。
「彼もやる時はやってくれるなー」と、
嬉しいような気持ちで観ていたよ。


音楽の場面で、個人的に一番笑ったのは、
ロックを敵対視して、
糾弾する市長の妻・キャサリン・ゼタ・ジョーンズ率いる
おばちゃん軍団と、
ライブハウス側のヘビメタ集団とのぶつかり合い。


その時、両者が掛け合いで歌うのが、
スターシップの「シスコはロック・シティ」と、
トゥイステッド・シスターの「ウィア・ノット・ゴナ・テイク・イット」。
全く違うこの二曲が、
あんな風に掛け合いできる事に、感動を覚えたし、
すんごくノリノリだった。
現場のレポーターが、
間に入って、焦っちゃって、
モタモタモタモタする様子も爆笑だった。


さらには、この直後に、
キャサリン・ゼタ・ジョーンズのとんでもない過去が明らかになるという、
愉快な展開で、こちらは胸のつかえがスーっと取れた感じ(笑)。
キャサリン・ゼタ・ジョーンズは、
一時、体調が思わしくないとの噂を聞いたけれど、
これは完全復活と考えていいのだろうか。
大好きだから、これからもバンバン映画に出てほしいものだわ。


とんでもないといえば、
“バーボンルーム”のオーナー・アレック・ボールドウィンは、
とってもいいおじさんなんだけど、
彼にもある秘密がある事が分かる。
えっ!?そうだったの?って(笑)。


エンドロールの〆の曲が、
スコーピオンズの「ロック・ユー・ライク・ア・ハリケーン」!
大好きだー!
あぁ、なんてカッコいいんだ。


一緒に観た友人は、
すぐにHMVでサントラを買っておった。
よほど気に入ったらしい(笑)。
私も、もう一度観て、
音楽の場面を確認してみたいな。


評価 ★★★★☆

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「ウェイトレス おいしい人生のつくりかた」 [映画]

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〔2007年/アメリカ〕


アメリカ南部の田舎町。
小さなレストランでウェイトレスをするケリー・ラッセルは、
パイ作りの天才。
店には彼女の創作したパイでいっぱい。
ケリーの頭の中も、明日作るパイの事でいっぱい。


けれど、現実の彼女の生活は、幸せではなかった。
彼女の夫・ジェレミー・シストは最悪の暴君で、
彼女の稼ぎを取り上げ、
彼女が逃げないようにと車を与えず、
毎日の送り迎えを自分がしている。


ある日、ラッセルは自分の妊娠に気付く。
夫とは関係しないように気を付けていたのに、
酒を飲まされた夜にできた子らしい。


普通の女のように妊娠を喜べないラッセル。
診察の為、病院に行くと、
そこで、着任したばかりの婦人科医・ネイサン・フィリオンと知り合う。


互いに強く惹かれあうラッセルとフィリオン。
しかし、2人は既婚者なのだ。
彼らはどうなるのか。
そして、お腹の赤ちゃんは・・・。





不幸な結婚生活を送る女の夢物語かと思ったけれど、
ご都合主義に走らず、
それなりに納得できるラストなのが良かった。


ケリー・ラッセルはとてもクールで、
暴君の夫を、結構手懐けて暮らしている。
彼女は夫の怒りのスイッチの入り場所を知っていて、
そこを上手く避けて生きているようだ。


しかし、それが生活の知恵なのか、
神経が麻痺してしまっているのかは微妙だ。
あんな男といれば、誰だって変になる。


しっかし、ジェレミー・シストのような男って、
あれで自分が嬉しいのかと不思議になるよ。
ラッセルに、「愛してると言え」みたいに強要するけど、
彼女が自分を愛していない事は明白じゃないか。
そんな関係で楽しいんかい、
それとも、本気で愛されてると思い込んでるアホなのか。


ラッセルには、一緒に働く女性たち、
シェリル・ハインズとエイドリアン・シェリーがいるのだけれど、
彼女たちの関係が中々面白い。
お互いに言いたい事を言い合うけれど、
仲良しで、
互いの恋愛や生活を応援している。
観ていて、楽しい。


ただ、ハインズとシェリーの決まり文句がキツい。
「私たちも幸せとは言えないけど、ラッセルの人生は真っ平ごめん」だと。
ラッセルは、その言葉を気にしている風ではないけれど、
他人からの、
「あの人のような境遇には絶対なりたくない」って言葉は、
最悪の貶し文句だって、初めて気付いた気がする。


出てくるパイが、どれもこれも美味しそうで、
全部を食べてみたくなる。


評価 ★★★☆☆

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「バイオハザード5 リトリビューション」 [映画]

biohazard5.jpg
〔2012年/アメリカ〕


アンブレラ社が開発したウィルスの蔓延により、
ゾンビで溢れかえっている地球。


闘う女・アリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、
目を覚ますと、普通の家庭の主婦になっていたり、
アンブレラ社の基地だったり。


そんな彼女を、
怪物やコンピュータが襲い掛かる・・・。





思えば、「バイオハザード」の1作目は面白かったなぁと、
今更ながら、しみじみと懐かしく思う(笑)。


5作目の本作は、
正直、もう、何が言いたいのか、
私にはよく分からなかった。
理解力が無いせいなのだろうが。


ミラ・ジョヴォヴィッチが、
ひたすら、口から変な触手(?)を出す怪物と
闘ってるだけの印象。


アンブレラ社で目覚めた彼女が、
体の前後を、白い布だけで体を隠していたのは、
何の意味があるんだろう(笑)。
防寒でない事だけはハッキリ分かるけれど(笑)。


ちょっと動くだけで、体が見えそうで、
でも、ギリギリ見えないという、
安心していいんだか、
イライラするのか、
よく分からない、2枚の布(男目線(笑))。


気を失って、目が覚めたら着ていたという事は、
誰かが着せたんだろうが、
あれじゃ、着せる方も大変そうだ(笑)。


ミラ・ジョヴォヴィッチは、
スタイルも良く、とても綺麗。
好きな女優の1人。
今度はこの路線ではなく、
何か全く違う役柄の作品を観てみたいな。


評価 ★★★☆☆

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