「宝石泥棒」 [映画]
〔1962年/日本〕
ラピュタ阿佐ヶ谷の現在のテーマは、
「娯楽の達人 監督・井上梅次の職人芸」。
山本富士子と野添ひとみは、
宝石泥棒の美人コンビ。
今日は箱根のレイクサイドホテルで、
お仕事予定。
逗留している金持ちの未亡人・角梨枝子が所有するダイヤ、
“ヴィーナスの涙”を頂戴するつもり。
財閥のお嬢様と、その使用人を名乗り、
チェックインした2人だけれど、
なんと、その財閥本人・船越英二と川口浩も
来ていて大慌て。
遠い親戚だと話を合わせ、なんとか事無きを得る。
角の胸元に輝く“ヴィーナスの涙”を見た2人は、
早くそれを自分たちの物にしたいと、
あれこれ作戦を練るが、
ホテルに泊まっている黒メガネの男・菅原謙二の様子がおかしい。
もしかして、彼も泥棒で、
“ヴィーナスの涙”を狙っているのかも。
そうだとしたら、負けてはいられない。
けれど、船越や川口をお食事したり、
ダンスをしたりするうちに、
惚れっぽい山本は、
川口を本気に好きなりはじめる。
宝石は彼女たちの手に入るのか。
山本と川口の恋の行方は・・・。
山本富士子が泥棒を演じるという、
なんだかおかしなコメディ。
もちろん泥棒といっても、
山本さんの事だから、
とってもエレガントで、
財閥を名乗っても、全く疑われる事のない上品さ。
疑う人は誰もいない。
しかも彼女は、
ベテランという割に、
ホテルルームに設えられた、
たかがドレッサーの、
鍵を開ける事にもモタつく(笑)。
あんな手際じゃ、すぐ捕まると思うんだけど(笑)。
盗みに入った部屋で見つかりそうになって、
窓の外の狭い足場に隠れる山本さん。
この間観た映画、「崖っぷちの男」状態(笑)。
何度も何度も、足を踏み外しそうになって、
雨樋まで壊してしまう。
この場面って、
ヌードとか、ベッドのシーンとは全く違うけれど、
ある意味、山本富士子ファンへのサービスシーンかもと
思ってしまった。
「あの」山本富士子が、こんな事してますって(笑)。
彼女は惚れてしまった浩様を、
「ハンサムで、スマートで、素敵♪」と評する。
そうでしょう、そうでしょう。
私もいつもそう思っているのよと、
言いたくなった場面(笑)。
でも、この時はもう、
浩様と野添さんは夫婦だったんだよね。
そう考えると、
山本さんと浩様の恋を、
呆れながら見守る野添さんという図が、
なんだか可笑しい。
評価 ★★★☆☆
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