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「レ・ミゼラブル」 [映画]

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〔1957年/フランス・イタリア〕


パンを盗み、5年の刑を言い渡されたジャン・バルジャン(ジャン・ギャバン)は、
その後、何度も脱獄を試みた為、
19年も刑務所で過ごしていた。


やっと出所した彼は、
通りすがりの教会に泊めてもらうが、
朝、神父が起きてみると、
銀製の食器が無くなっていた。


警察がジャン・バルジャンを連れて神父の所に来て、
「これはお宅の物ですね?」と食器を見せた時、
神父は、「これはこの人に差し上げた物です。
そうそう、銀の燭台を持っていくのを忘れましたね」と、
2本のそれを、彼に与えた。


神父の心に触れたジャン・バルジャンは改心し、
努力を重ねた末、
ある街の市長になった。


ところが、刑事・ジャベール(ベルナール・ブリエ)は、
彼に見覚えがある事に気付く。
ジャベールの父は刑務所長で、
幼い頃、刑務所の見学をした際、
ジャン・バルジャンに会った事があるのだ。


ジャベールは、釈放された直後に犯した微罪をネタに、
ジャン・バルジャンを投獄する。
しかし、彼は脱獄を図る。
亡くなった娼婦・ファンティーヌから、
娘・コゼットを育てて欲しいと頼まれていた、
その約束を果たす為に・・・。





ヴィクトル・ユゴーの小説の映画化。
ミュージカルが有名だけれど、
これは普通の映画。


「嵐が丘」と同じで、
小学生の時、児童文学で読んだ気がするのだけれど、
よく覚えていない。
それとも、読んではいないけれど、
銀の食器を盗んだジャン・バルジャンに、
さらに燭台を与えたという、有名な神父の逸話が、
頭に残っているのだけなのかもしれない。


ジャン・バルジャンの物語といえば、
この燭台の件までは知っていたけれど、
その先の話は知らずにいた。
なるほど、そういう物語だったのねと、
やっと理解した次第。


この燭台のくだりは、
ほんのプロローグといってもよく、
その後、ずっと長い長い物語が続く。


少女コゼットは一体どこで出てきて、
ジャン・バルジャンとどんな関係なのか、
それが気になっていたのだが、
娼婦の母親が、
金が貯まるまでの間、
通りすがりの夫婦に、彼女を預けた子供なのだと知った。


この夫婦というのが悪い奴らで、
最後まで、ジャン・バルジャンを苦しめる。
ただ、そんなに偶然に、
何度も同じ相手に会うかな、とは思う(笑)。
まぁ、150年も前の小説だから、
仕方ないんだろうけど。


ジャベールもしつこい。
何故か彼は、ジャン・バルジャンに敵対心を燃やしているようで、
何かと付きまとう。
「もう放っておいてやりなよ」と言いたくなるけど、
誰かがいい思いをするのが、
我慢ならない性格なのだろう。


途中で、戦争、とまではいかないけれど、
何か争い事が起こるが、
その辺りは、私にはさっぱり理解できない。
フランスの歴史に詳しい人なら
誰でも知っている史実なのだろうか。


何度も映画化されているようなので、
他の作品も観てみたい。
それに12月には、
ヒュー・ジャックマンがジャン・バルジャンを演じる、
新しい「レ・ミゼラブル」が公開されるようだ。
きっと、現代の人にもより分かり易い物語になっているのだろう。
楽しみ。


評価 ★★★☆☆

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