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「あなたへ」 [映画]

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〔2012年/日本〕


富山刑務所で働く高倉健は、
妻・田中裕子を亡くしたばかり。
年を取って結婚した彼にとって、
結婚生活は15年だったが、
それなりに幸せだった。


田中の遺言メッセージが書かれたカードを受け取った高倉。
そこには、
「遺骨は故郷長崎の海に撒いてほしい」と書かれており、
それを実行するために、
高倉は旅立つ。


途中、様々な人間と知り合う。
国語の教師をしていたという北野武。
北野は教師らしく、
「旅と放浪の違い」を高倉に説いてみせ、
本をくれたりもする。


全国の物産展で、イカを実演販売している、
草なぎ剛と佐藤浩市。
彼らは、旅から旅への毎日で、
家に帰る時間も殆ど無いと言う。


辿り着いた長崎の港町で、
食堂を営む、余貴美子と綾瀬はるか母娘。
余の夫は、7年前、漁に出たまま帰って来ず、
死亡が認定されたと言う。


それらの人々の心に触れながら、
高倉は遺骨を持って、
船で沖へ向かう・・・。





北野武の事を、
日本の芸能界で一番好きだと、
以前にも書いたけれど、
この映画でもやってくれちゃってる(笑)。


彼は国語の教師だと自己紹介し、
もっともらしい事を高倉健に話すのだが、
途中で、驚くような笑えるような正体が明らかになる。
それがまた、
大変に北野らしくて、可笑しいんだな。
やっぱり彼はいい。


それから、
多数の方が絶賛されている中、
こんな風に書くと申し訳ないけれど、
高倉健の実年齢と、
役の上での年齢に、
どうしても違和感があって、
それが引っ掛かって仕方なかった。


現在、81歳の高倉健が、
いくらなんでも現役で刑務所で働いているとは、
見た目にも、とてもそうは見えず、
なんだか困ってしまう。


スター高倉健を見るのに、
この際、そんな事は考えてはいけないのだろか。
高倉健は、年齢を超えた人間なんだろうか。
私が野暮なんだろうか。


この役は、
出演している佐藤浩市、
もしくは、それこそ北野武が演じた方が、
まだリアリティがあった気がする。


高倉健は、
「うちのお爺ちゃん」的な役を演じては駄目なのだろうか。
好々爺とまではいかなくても、
例えば、
菅原文太の「わたしのグランパ」なんて、
とても良い映画だったけれど。


文句を言ってごめんなさい。


評価 ★★★☆☆

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