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「ある少女の告白 純潔」 [映画]

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〔1968年/日本〕


高校3年生の徹(沖雅也)と恵美(丘みつ子)は、
仲の良い恋人同士。
しかし、徹が恵美を求めても、
恵美はどうしても一線を越える事ができずにいる。


2人はすぐにでも結婚したいと思っているが、
大企業の社長である徹の父は、
徹をK大に入れ、
アメリカに留学させ、
自分の会社を継がせる意向でいる。
その為には、
結婚など、まだまだ先だと。


徹は、その後も何度も恵美を求めるが、
その度に拒絶され、
ついに、恵美の友人の文子と関係してしまう。


それを知った恵美は、
激しく動揺し、
酔いつぶれ、
スナックの2階で寝ている間に、
徹の友人に純潔を奪われたと勘違いし・・・。





まだまだ続いていた、沖雅也ブーム。
この映画は、
彼のデビュー作なのだそうだ。
そのようなフィルムが残っていたことが驚きで、
観られた事が、本当に嬉しい。


それにしても、
当時16歳の沖さん。
びっくりするくらい可愛い。
モノクロ映画のせいもあるけど、
お肌もツヤツヤ(笑)。


しかも、私が理想とする、
「学ランの似合う男」という条件を、
ばっちりクリアしてるじゃないの(笑)。
なーんて、私の条件なんて、
この映画と何の関係もないんだけど、
やっぱり綺麗な男の子を観るのは気分がいい。


こんなカッコいい恋人と、
一線を越えるか、越えないか、というのが、
この映画の重要問題なわけだけど、


私は、現代の倫理観でしか、
ものを考えられないので、
恵美の頑なすぎる様子に、
どうにも違和感。


というより、問題は恵美の母親だ。
この人は、
恵美が純潔を守っているかどうかに、
命を賭けているような女で、
その事を一日中考えてるのか?と聞きたくなるくらい、
話題はそればかり。


その様子は、
物凄くいやらしく、
抑圧されて育った人の方が、
かえって拘りが強い、という典型的な例のように見える。
(逆に、何でもありという、今のような時代になると、
 草食系が増えるというのもあるだろうが(笑))


この内容は、
1961年の、
ウォーレン・ベイティとナタリー・ウッドの、
「草原の輝き」に似ていて、
おそらく、影響を受けてのお話なんだろうなぁと思っていたら、


ラストで泣いちゃった(笑)。


だって、流れは
「草原の輝き」から一転、
「愛と青春の旅立ち」風へ。
(あくまでも“風”だけど(笑))
(「愛と~」のラストの感動は、言葉では言い表せない)


やっぱり映画は、
ラストが一番大切ね。


評価 ★★★☆☆

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「ブルックリン」 [映画]

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〔2015年/アイルランド〕


1950年代。
エイリシュ(シアーシャ・ローナン)は、
アイルランドで、
母と姉と3人で暮らしている女の子。
日々の生活に閉塞感を感じる彼女は、
アメリカに移住しようと決め、それを実行する。


船でニューヨークのブルックリンに渡ったエイリシュは、
寮生活をしながら、
高級デパートで、
売り子として働くようになる。


仕事に悩み、
ホームシックになったエイリシュだったが、
ある日、ダンスパーティで、
イタリア系の青年・トニー(エモリー・コーエン)と
出会って恋に落ち、
灰色だった日々が、
少しずつ、バラ色に変わってゆく。


ところが、ある日、
姉が突然死亡したとの連絡が入る。
葬儀に参列するため、
アイルランドに帰郷するエイリシュに、
トニーは、
「僕と結婚してから、帰ってほしい」と言い、
2人で結婚届を出しに行く。


アイルランドに帰ると、
友人の結婚式やら、何やらで、
エイリシュは、なかなかアメリカに帰れずに・・・。





アイルランドからアメリカに渡った女の子の
成長と、
迷いを描いた映画。


まず、船に乗って、
アメリカに着いた時の、
入国審査がとっても興味深い。


どうやら、アメリカに入れるかどうかは、
その時の態度や、
病気の有無で、
決まるらしいんだけど、


移民問題や、不法入国者の問題でうるさい、
今のアメリカからすると、
たったそれだけで
アメリカの国民になれるなんて、
夢のよう(笑)。


エイリシュは、完全にアイルランドを失ったわけではないので、
「何かあれば、とりあえず帰れる故郷がある」という思いが、
彼女にも、観る者にも、どこかにあるような気がして、
この映画の印象を、
そこまで過酷なものにはしていない。
(以前観た、「エヴァの告白」はもっとずっとシリアスだった。
 http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2014-02-19


その後、アメリカで、
デパートのお勤めして、
怖い女上司に叱られて、
ホームシックになってしまうエイリシュだけれど、
恋をした途端、
目の前がパーッと明るくなった感じ(笑)。


接客まで、
とても上手くなって、
上司に褒められたくらい。
上手くいっている恋は、
人を明るくさせる。
成就しそうにもない恋の場合は、
人を落ち込ませるけど(笑)。


そして、姉の死と、帰郷。


この帰郷の場面が、
賛否が分かれるようなのだけれど、


私は、あるブロガーさんの感想を読ませていただいて、
「そうか、それでいいんだ、
 そういう考え方もあるんだ。
 私も頑張ろう」と
すごく勇気づけられた。
まぁ、自分に都合のいい考えをチョイスしてるだけなのは、
自分でも分かってるんだけれども。


評価 ★★★☆☆

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「男と男の生きる街」 [映画]

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〔1962年/日本〕


大阪の西成で、
画家の朝倉が殺害される。
新聞記者の岩崎(石原裕次郎)は、
すぐ取材に飛び出す。


刑事・北川(加藤武)が
現場から出てきた男を逮捕し、
事件は解決したかに思えたが、
岩崎は、なぜか釈然としない思いが残る。


岩崎は、
現場の野次馬の中にいた、
千野冴子(渡辺美佐子)が気になる。
取材を続けるうちに、
朝倉と冴子が一緒に写った写真がある事を知る。


パリに住んでいた朝倉が、
帰国の時、乗っていた船・広洋丸の名を聞き、
岩崎はハッとする。


刑事だった岩崎の父は、
広洋丸の密輸疑惑を追っている最中、
まだ若かった北川に、
誤って射殺されたのだ。
しかも、岩崎の姉・恵美(南田洋子)は、
北川を愛し、
結婚すると言い出す・・・。





現在、神保町シアターでは、
芦川いづみさんの特集が組まれており、
12本の映画が上映される。


そのうち6本が未見なのだけれど、
時間が許す限り、
6本全部を観たい。
何とかなるかなぁ。
で、これは、そのうちの1本。


芦川さんは日活の女優さんだから、
自ずと石原裕次郎さんとの共演が多い。
そうなると、
当然、裕次郎さんをいかにカッコよく撮るかに
重きがおかれると思うので、
芦川さんは、そこまで大事にされてはいない(気がする)。
この映画も、
殺された画家の妹役で、
それほど重要な役どころではなかった。


タイトルの、「男と男」というのは、
裕次郎さんと、
彼の父を誤って射殺したという、
刑事を演じる、加藤武さん。


加藤さんといえば、
私の中では、横溝正史の映画で、
いつも警部役を演じているイメージが強いのだけれど、
この映画の彼は、
まだとっても若い。


それに、結構シャープなお顔立ちで、
もしかしたら、
裕次郎さんよりイケメンかも(笑)。


裕次郎さんは新聞記者だというのに、
刑事より刑事らしく、
事件を捜査する。
ラストなんか、
悪党に捕まって、
命まで危なくなっちゃってるし(笑)。


やっぱり最後まで「カッコいい男」扱いされるのは、
裕次郎さんだった(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「ターザン REBORN」 [映画]

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〔2016年/アメリカ〕


ロンドンで、
美しい妻・ジェーン(マーゴット・ロビー)と暮らす、
貴族で実業家のターザン(アレクサンダー・スカルスガルド)。


彼は生まれて間もない頃、
国の反乱に巻き込まれ、
コンゴの密林で、
動物に育てられた過去がある。


ある日、ターザンは、
政府からの指示で、
貿易使役として、ジェーンと共に、
コンゴの密林に戻る。


しかし、それは罠であり、
ジェーンをさらわれたターザンは、
彼女を奪還すべく、
野生を取り戻し、
反撃に出るが・・・。





試写会で観た。


1カ月ほど前、
「ターザン REBORN」の特別フッテージに当選し、
行ってきた事を書いた。
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2016-06-11


その中で、
「フッテージでなく、本編が観たいよー」みたいな事を
書いたけれど、
その後、本当に、本編の試写会の抽選に当たった。
しかも3D。
飛び出すターザン(笑)。
やっぱり、この映画とは何か縁があったのだろう。


会場は、「ワーナー・ブラザース映画 試写室」。
入り口までカッコいい。
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なんだか映画のプロになった気がする(笑)。


で、映画は、といえば、
アレクサンダー・スカルスガルドの魅力が
これでもか、というくらい観られる。


「特別フッテージ」の時は、
服を着ていたアレクサンダーだけど(当たり前だ!(笑))
映画の中では、
その完璧な肉体を、じっくり見られて、
お腹いっぱい。
いや、私は別に男性に筋肉は求めてはいないけど、
それでも惚れ惚れしてしまうのだから、
筋肉が大好き、という女の子なら、
大満足なのではないでしょうか(笑)。


それから、
ターザンと同じくらいカッコいいのが、
ジェーン役のマーゴット・ロビー。
彼女は、ターザンにくっついて、
一緒にコンゴの密林に行き、
誘拐されるのだけれど、
何とかして逃げ出そうと、
体を張る様子が、素晴らしい。
やっぱりターザンの嫁になる女は、
あれくらいじゃないと駄目なのね(笑)。


2人は、出会った時、
互いの美しさに呆然となる。
何という美男美女。
観ているこちらもうっとり。


しかし、生身の女に初めて接したターザンは、
ジェーンの体中の匂いを嗅ぐという暴挙に!(笑)。
文明社会の男がそんな事したら、
たちまち通報ものだけど、
ターザンだから許される(笑)。


動物たちとの交流や、争いも、
なかなかの見応え。
CGなんだろうけど、
演じる人間はどうなんだろう。
難しくないんだろうか。


ターザンがどうやって、
言葉やマナーを習得していったかについては、
省かれていたので分からない(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「好きにならずにいられない」 [映画]

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〔2015年/アイスランド〕


アイスランドのレイキャビクで暮らす、
フーシ。
43歳で、巨漢で、
彼女いない歴=年齢のDT。
彼の趣味は、
兵士のフィギュアで戦場のジオラマを作る事。


母親と、母親の恋人は、
そんなフーシを心配し、
彼の誕生日に、
ダンス教室のチケットを渡す。


教室に来ていた女・シェヴンと知り合ったフーシは、
彼女を家に送り届け、
食事をするようになり、
初めての恋の予感に胸が高鳴る。


この恋をあと一歩進めようと決意したフーシだが、
なぜかシェヴンが彼を避けるようになる。
実は、彼女は心にある問題を抱えていたのだ・・・。





心優しい巨漢の男・フーシが、
初めての恋に奮闘する物語なのだけれど、
何なんだ、このオチは。


海外旅行が趣味だという彼女のために、
頑張ったというのに。
こんな事に、旅行を利用してほしくはなかった。
すんごく残念。


ネットでもガックリしたという意見多数。
誰も、こんなラストは望んでなかったと思う。
そもそも、邦題の「好きにならずにいられない」ってのは、
どういう意味なのか。
映画を観る者がフーシを、
「好きにならずにいられない」って事か。
観客がいくらフーシを好きになっても、
それと映画の内容とは、何も関係ないじゃないか。


現在、公開中のこの映画、
時間があったから、観てみたけど、
暑さを吹き飛ばす事はなかった(笑)。


もう、いい。
ラストの事は考えまい(笑)。
途中の、面白かった場面だけを
思い出そう。


フーシは、ジオラマ以外に、
へヴィメタが大好きで、
なぜか、ラジオのDJと放送中に電話で会話する仲。
シェヴンとのデートの時、
車の中で、
彼女に、好きな曲を尋ねて、
それを流してくれるように、リクエストする。


それが、なんとも素敵で、羨ましくて、
私だったら、
何の曲をお願いするかを考える。
たった1曲だものね。
そういう時は、古めのスタンダードな曲の方がいいかなって気がして、
洋楽だったら、
ビージーズの「若葉のころ」にしよっかなーと思う。
(・・・って、そんなシチュエーションになる事はまず無いが(笑))
(ちなみにシェヴンのリクエストは、
 ドリー・パートンの「アイランド・イン・ザ・ストリーム」 )。
(DJは、初めてのへヴィメタ以外のリクエストに驚いておった(笑))。


フーシは飛行場に勤務していて、
旅行から帰った人々のバッグを、
運んだり、
コンベアに載せたりする仕事をしている。


私はこの間、旅行をしたばかりなので、
これがとっても興味深くて。
バッグって、こんな風に運んで、
こんな風に取り扱うんだ、って、
結構真剣に見入ってしまう。


フーシが、近所の小学生の女の子に
親切にしてやっていると、
女の子の父親から、
誘拐犯人扱いされる場面がある。


子供に対する犯罪が多いのは、
日本でも同じだけど、
やっぱり今って、
特に男性は、
下手に関わらないのが身のためなのかもと
悲しいけれど、思ってしまう。


たとえ少女が鍵を無くして、
困っているとしても。
なんだか考えてしまうなぁ・・・。


評価 ★★★☆☆

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