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「脱獄囚」 [映画]

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〔1957年/日本〕


ある日、3人の死刑囚が脱獄し、
トラックを奪って逃走するという事件が発生する。
その中の1人・山下(佐藤允)は特に凶悪で、
警察は警戒を強める。


山下は、自分に死刑を求刑した、
検事の妻を射殺する。
彼は、自分の逮捕から死刑判決に至るまでに関わった、
主な人間の家族を殺して回るつもりなのだ。


刑事・星野(池部良)は警戒を強める。
星野は山下を逮捕した張本人だ。
警察内部では、
星野の妻・節子(草笛光子)を避難させろとの声が上がるが、
それでは山下をおびき寄せる事ができない。
星野は、節子に囮になってもらう事を決断する。


山下が、星野の家にやって来た。
節子を狙うが、
チャンスがない。
そこへ星野が帰宅する。
節子に事情を知らせぬまま、
山下を待つ星野。


星野の向かいの家の主婦が、
拳銃を持った山下を見てしまい、
そのまま、人質となってしまう。
そんな事には気付かぬ星野は、
中々現れない山下をイライラと待つが・・・。





自分に逆恨みする、脱獄した死刑囚に
妻が狙われていると知りながら、
自宅でじりじりと待つしかない刑事。


87分の短い映画だけど、
その分、余計な場面もなく、
それなりに楽しめる。


刑事の妻を囮にするって、
実際の警察では、そんな事ってあるんだろうか。
すぐに妻に電話をして、
避難させ、
代わりに妻役として、婦人警官を配備した方が
マシなのでは、と思ってしまう。


この映画の場合、
一番の被害者は、向かいの家の主婦とその娘だわ(笑)。


彼女たちは、拳銃を持った佐藤允に押し入られて、
佐藤が刑事の家を見張ってる間、
ずっと監禁されてるのよ。
ただ待ってるだけの刑事より、
どんだけストレスなんだか(笑)。


佐藤が向かいの家にいるようだと気付いた刑事が、
いきなり、その家に電話するってのも、変じゃない?
で、妻と主婦とを会話させて、
「どうだ、いつもの喋り方と違うか?」って、あんた、
そんな「感覚」に頼ってどうする。
そういう時って、まず捜査本部に電話して、
指示を仰ぐものなんじゃないの?


それにしても、
逆恨みって怖い。
自分が死刑になるほどの悪事を重ねておきながら、
悪いのは他人だと思い込む、その心。


どうしたら、そうなってしまうんだろう。
そんな風に考えていたら、
自分が一番辛いだろうに。


評価 ★★★☆☆

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