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「関東流れ者」 [映画]

kantounagaremono.jpg
〔1971年/日本〕


立花組のヤクザ・周次(渡哲也)は、
たった一人の弟・洋(沖雅也)の
就職を祝っていたが、
そこへ、舎弟が飛び込んでくる。


縄張り内のクラブで、
昔仲間の坂下の弟・次郎(原田芳雄)が
暴れているので、
止めてほしいと言うのだ。


その場を収めた周次だが、
次郎は立花組長を襲い、
それを救おうとした周次は、
次郎を殺害、
自首をする。


周次が服役中、
立花組長は何者かに殺されたことを知る。


4年後、
出所した周次は、
立花の娘・ゆき(丘みつ子)の家に行き・・・。





うーん、
ヤクザ物は、粗筋が難しい(笑)。


なんだか似たような男たちが、
ドスを振り回して、
暴れてて、
もういいじゃん、どーでもいいよ、
と言いたくなる(笑)。


これも沖雅也さんブームに乗って、
観た1本で、
沖さんは、ヤクザの兄のせいで、
運命を変えられてしまう、
悲しい弟の役を演じている。


彼は集団就職で横浜に出てきて、
良い会社に入れたと喜んでいたのに、
兄が人を殺したせいで、
会社にいられなくなる。


そして、バーテンダーをしながら、
麻薬の売人もしているという、
どうしようもない人生を。


人って、面白いな。
兄は、自分はヤクザなのに、
弟には真っ当な人生を歩んでほしいと願っている。
それなら、
自らが足を洗って、
その姿を弟に見せればいいのにと思うけれど、
それとこれとは別問題らしい(笑)。


「ある少女の告白」で、
あれほど純潔にこだわっていた
丘みつ子さんが、
この映画では、ヤクザの娘役を(笑)。
「ある少女~」を観てから、
数日しか経っていないのに、
まだお目にかかったので、
そのギャップが可笑しかった。


評価 ★★★☆☆

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「アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅」 [映画]

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〔2016年/アメリカ〕


前作から6年。
成長したアリス(ミア・ワシコウスカ)は、
父の船・ワンダー号の船長となり、
大海原で果敢に冒険を続けていた。


ところが、
久し振りに戻ったロンドンで、
船を手離さねばならない窮地の陥る。


そんなアリスは、
青い蝶・アブソレムの導きで、
鏡を通り抜け、
再び、「不思議の国」に入り込む。


そこには、
行方不明の家族を待ち、悲しみに暮れる
マッドハッター(ジョニー・デップ)や、
仲の悪い姉妹、
赤の女王(ヘレナ・ボナム・カーター)と
白の女王(アン・ハサウェイ)などがいた。


彼らを救うには、
時間の番人・タイム(サシャ・バロン・コーエン)から、
時間をコントロールできる「クロノスフィア」を盗み、
時間を遡るしかないのだが・・・。





「アリス・イン・ワンダーランド」の続編だけれど、
前作の感想をブログに書いた記憶がないなぁと思い、
映画日記を見てみたら、
観たのは2010年の4月21日だった。(細かい(笑))。


なーんだ、ブログを始める前か・・・
・・・っていうか、
あれから6年も経っていることの方がショック。
私の方がワンダーランドにいるようだ。


実は、前作があまり面白いとは思えず、
この映画も、観ないつもりでいた。
けれど、送られてきたんだな、
懸賞に当たったムビチケが。


ジョニー・デップの映画だと言うのに、
よく当選したな、と思ったけれど、
ニュースによると、
「『アリス・イン・ワンダーランド』続編、前作から初動興収68%ダウンの衝撃」
とある。
これほどの大作の続編が、
ここまで大幅ダウンした例は過去にないという。


ジョニー・デップの泥沼離婚騒動が、
人気低迷の一因なんだろうか。
私はデップの事は、
好きでも嫌いでもないし、
世間の意見は分からないけど、
実は、アンバー・ハードをちょっとだけ応援しているの。


だって、「ドライブ・アングリー3D」で初めて彼女を見た時、
「うわー、綺麗ー」って思って、
デップが彼女に惚れ抜いて、
強引にプロポーズして、
妻子を捨ててまで結婚した時も、
納得したものだ。
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2011-08-16
(↑ 今、「ドライブ・アングリー」のコメント欄を読むと、
 デップとの婚約が記されていて笑える。
 しかも、「結婚に至るかは分からない」とまであって、
 2人の関係が、最初からいかに不安定なものだったかが分かる。
 ブログって、
 本当に優れた日記だと思う。)


女は綺麗なら、
何でも許される。
世界一のスターに惚れられる事も、
そのスターを振り回す事も、
そのスターを捨てる事も。
生まれ変わったら、
アンバー・ハードになりたい!(笑)。


・・・って、全然、映画の感想を書いてないじゃないか(笑)。


つまり、この映画は、
どんなに過去に戻っても、
過去を変える事はできない、って内容なんだけど、
私は過去になんか戻りたくないな。
過去を一つ修正したら、
それに伴う全ての事柄までが修正されて、
今、出会っている全ての皆様に、出会えていない可能性まで出てくる。


それより、未来を見据えていこう。
夢はアンバー・ハードへの生まれ変わりだ!
(しつこい(笑))。
(未来すぎ)。


評価 ★★★☆☆

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「あした晴れるか」 [映画]

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〔1960年/日本〕


東京青果市場で働く三杉耕平(石原裕次郎)の
本業はカメラマン。
ある日、彼は、
桜フィルムの宣伝部長・宇野(西村晃)から、
「東京探検」というテーマで写真を撮ってほしいと依頼され、
会社に赴く。


そこで出会ったのが、
宇野の部下のみはる(芦川いづみ)。
みはるは、メガネをかけた才女で堅物、
耕平とはソリが合いそうにもないが、
宇野は彼女を耕平のアシスタントに付けると言う。


その夜、宇野に連れていかれたバーで、
飲み過ぎた耕平は、
翌朝、
自分がみはるの家に泊まった事に気付く。
みはるの両親は、
見てくれのいい耕平に、
満更でもない様子。


2人は写真を撮るため、
出掛けるが、
案の定、行った先々で喧嘩ばかり。


そこに、
耕平に惚れているバーのホステス・セツ子や、
セツ子の父、
セツ子の父に恨みを持つヤクザ、
みはるの姉と、その婚約者などが入り乱れて
大騒ぎ・・・。





神保町シアターの、
芦川いづみ出演作の人気投票で、
1位に輝いたのが、
この映画。


1位になったのが、
めっちゃ理解できる1本。
芦川さんの魅力満載で、
しかも、面白く、
劇場内は笑いが絶えない。


芦川さんと、裕次郎さんの関係に
主従が無く、
対等なのがいい。
ここに載せた写真が物語っているように、
2人はいつも喧嘩し、対立している。
そのやり取りが本当に可笑しくて、
あはははは~と笑ってしまう。


例えば、
2人の乗った車が、
いたずらされて、
後ろに、「Just Married」と書かれたまま、
知らずに走っているシーンがあって、


道行く人みんなにからかわれるのだけど、
その理由が分からず、
2人は憤慨し、揉める。
そんな風な場面がいっぱい。


まるで少女漫画みたい。
喧嘩ばかりする2人が惹かれ合っていくって、
王道を行く物語(笑)。


裕次郎さんには、
実生活で、北原三枝さんという素敵な奥様がいるけれど、
芦川さんと結婚しても、
それはそれでお似合いだったんじゃないかと思うくらい、
息もピッタリ。


映画の中の芦川さんは、
ずっとメガネをかけているのだけれど、
その理由は、
可愛すぎて、
男に舐められてはいけないからなんだと。
いいなぁ、言ってみたいセリフだわ(笑)。


評価 ★★★★☆

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「硝子のジョニー 野獣のように見えて」 [映画]

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〔1962年/日本〕


稚内の貧しい漁村で暮らす、
少し頭のゆっくりな娘・みふね(芦川いづみ)は、
女衒の秋本(アイ・ジョージ)に売られるが、
途中で逃げ出して、列車に飛び乗る。


列車の中で出会った男・ジョー(宍戸錠)と、
いつしか一緒に暮らすようになったみふね。
しかし、秋本がついに彼女を探し出す。


一度は秋本を追い払ったジョーだが、
結局はみふねを捨てて、
出ていってしまう。
それに気付いたみふねは、
今度は、
秋本の所へ行き、
彼の傍を離れようとはしない。


結局、秋本も、
みふねを捨てていく。
絶望的な孤独から、
稚内に帰ったみふねだが、
家族が行方不明だと知り、呆然とする。


そこへ、
ジョーと秋本がやって来て・・・。





神保町シアターで、
芦川いづみ特集をしていることは、
先日書いたけれど、
この、「硝子のジョニー」は、
芦川いずみ出演作の人気投票で、
2位になったという作品。


確かに納得。
どちらかというと、線の細いイメージの芦川さんの
体当たり演技に、
少し驚く。
こんな役ができるのか、と。


物語は、どう見ても、
フェリーニの「道」のパクリなのだろうけど、
「道」のジェルソミーナには、
ザンパノ1人だったのに対して、
こちらは、2人。


1人に捨てられるより、
2人に捨てられる方が、
そのショックは当然2倍強く、
誰に出会っても、
どんなに約束しても、
同じ結果にしかならないみふねに、
こちらは溜息しか出ない。


最初はイライラするんだ。
みふねがジョーを頼るのはまだ分かるとしても、
ジョーに捨てられた、その後、
なぜ女衒の秋本なんかに尽くすのか、って。


でも、
みふねの圧倒的な孤独が胸を打ち、
男に頼る事でしか生きていく術がないのだろうと思うと
納得がいく。
人はみんな、
多かれ少なかれ、
誰かに頼ったり、頼られたりして、
生きているんだろう。
みふねを笑える人なんて、
いはしない。


ラストまで、
悲しい映画だった。


評価 ★★★☆☆

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「いちどは行きたい女風呂」 [映画]

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〔1970年/日本〕


獣医を目指し、
浪人している正夫(浜田光夫)は、
福島で病院を経営する親が買ってくれたマンションに、
愛犬・ゲバラと一緒に暮らしている。


正夫は、
同じ予備校に通っている友人・順(前野霜一郎)の
妹・さよ子(夏純子)に惚れていて、
さよ子が経営する喫茶店に行くのが、
毎朝の楽しみ。


ある日、正夫と順は、
チンピラに絡まれている東雲(沖雅也)を助ける。
東雲は風呂屋の息子で、
女性客の裸を隠し撮りし、
その写真を売り捌いているのを、
ショバ荒らしだと因縁つけられていたのだ。


3人は、つるんで遊ぶようになった。
それぞれが女をナンパし、
旧華族の娘・君子や、
オカマなどを調達してくる。
しかし、その現場にさよ子が現れ、
正夫はガックリ。


正夫は、東雲と君子を無理矢理デートさせ、
その間に、
東雲の実家の風呂屋でバイトする。
女湯を覗くために・・・。





沖雅也さんブームが到来した時、
彼の出演映画の一覧を眺めていたら、
このタイトルが目に入ってビックリ(笑)。


嘘でしょ?
何で沖さんがこんな映画に?と。
多分、殆どのかたは驚くと思うのだけれど。


でも、そのような映画があるなら
ぜひ観てみたいと思うのが、
私のどうにもならないミーハーな性格(笑)。


沖さんにもビックリだけど、
主演が浜田光夫さんというのも、
さらに驚き。
浜田さんといえば、
吉永小百合さんとの名コンビで知られる、
青春映画の大スターじゃないか。


それが、この映画では、
なんとかして女湯を覗こうと躍起になる、
予備校生の役を。
映画が斜陽になったせいかな、とも思ったけど、
それ以外にも、
酔客に絡まれて、失明寸前の怪我を負うなどの、
アクシデントのせいもあるようだ。


内容は、タイトル通りの、
馬鹿馬鹿しさ。


沖さんが、女湯の脱衣所にカメラを仕掛けて、
隠し撮りをするなどは、
今、毎日のようにニュースになっている盗撮犯罪の
原点を見ているよう。
昔から人のする事に、
そう変わりはないんだなぁ。


浜田さんが、
「自分は将来、犬と犬をかけあわせて、
 それを売って商売したい」みたいな事を言うのにも驚く。
こんな昔から、
ブリーダーみたいな発想があったんだな、って。
いや、私が知らないだけで、
そんな事、普通に行われていたんだろうか。


浜田さんの父親役の由利徹さんが、
田舎からアポなしでやって来る、
10分間くらい場面が、
可笑しくて可笑しくて、
あはははは~と、ずっと笑いっぱなし。


由利さんって何て凄いんだろう。
彼の存在感に、
この場面だけは、
沖さんも、浜田さんも、吹っ飛んじゃった感じ(笑)。


浜田さんの友達役の、
前野霜一郎さんというかたは、
この映画の6年後、
「政財界の黒幕」と言われた、
児玉誉士夫氏の家に
セスナで突っ込んで亡くなったと知って、
これまたビックリ。
世の中、知らない事がまだまだ沢山あり過ぎる。


評価 ★★★☆☆

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