「CUT」 [映画]
〔2011年/日本〕
映画を深く愛する西島秀俊は、
ある日、兄がトラブルで、
死んだ事を知らされる。
兄は、映画作りを夢見る西島の為に、
ヤクザと関わり、
多額の借金をしていたのだ。
兄の作った借金を返したいが、
そんな金があるはずもなく、
西島はヤクザたちに、
自分を殴らせる事で、金を作ろうと決意する。
返済期限は2週間。
一発1万円。
彼は殴られながら、
映画の事を考え、
痛みに耐えていた。
果たして金は完済できるのか・・・。
西島秀俊が、「殴られ屋」をする話というのは知っていたけれど、
「これって本当に殴られてないか?」と思うくらい、
顔にあざを作り、
人相まで変わってしまう役を壮絶に演じている。
しっかし、2週間もの間、
ひたすら人に殴られ続けていたら、
人間って生きていられるものなのだろうか。
生きていたとしても、
一生後遺症が残るくらいの、
体へのダメージは避けられない気がする。
私は法律には全く詳しくないのだけれど、
そもそも、兄の作った借金は、
弟に返済義務があるのだろうか。
まぁ、そんな理屈、
ヤクザ相手には通用しないんだろうけど。
西島秀俊が、
何度も何度も、
現在、シネコンでかかっているような映画を批判する場面がある。
それらの映画は、
金儲けの為に作られた「偽物」なのだ、と叫ぶ。
うーん、分かるよ、分かるけど、
じゃあ、「本物」の映画って何なのよ?と聞きたくなるのも事実。
シネコンでかかる映画だけが映画だと思っている人々に、
「そっちもいいけど、他にも面白いのがあるよ」と、
言いたい気持ちは私にもあるけれど、
それをあんまり声高に叫ぶと、
むしろ逆効果になりはしないか。
こんな面倒臭そうな男が主張する、
「本物」の映画ってのは、
男と同様に面倒臭いものなんじゃないかって思われそうで。
同じ言うにしても、もう少しソフトな言い方の方が、
反発されない気がして。
まぁ、私も、
映画について何も分かっちゃいないので、
「本物」も「偽物」も区別がつかないだけなんだろうけどさ(笑)。
西島がしている、
映画の上映会は、
私がボランティアでしている映画会と同じ感じで、
雰囲気が出ていて好き。
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02
私のしている映画会は、
西島のようなポリシーはまるでなくて、
なんだかのんきな感じなのだけれど(笑)。
評価 ★★★☆☆