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「吸血鬼ゴケミドロ」 [映画]

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〔1968年/日本〕


羽田を飛び立ったばかりのジェット機に、
鳥が自殺をするかのように、
窓にぶつかってくるという不可思議な現象が起こる。


さらに、管制塔から、
ダイナマイトを持った自殺志願の男が
乗り込んでいるとの情報が入り、
副操縦士・吉田輝雄と、
CA・佐藤友美は、
乗客たちの手荷物検査を行う。


そんなこんなしている中、
飛行機は、謎の発光体に遭遇、
そのショックで、
無人島に不時着してしまう。


生き残った9人は、
自分の命を優先させるため、
エゴ丸出しとなってゆき・・・。





悪くはない。
ただ、一つだけハッキリしろと言いたい(笑)。


ここに出てくる化け物は、
「吸血鬼」なのか、「宇宙人」なのか。


そもそもこの2つって、
私の中では全くの別物なんだけどなぁ。
このタイトルだと、
いわゆる、「ドラキュラ」ものなのかと思っちゃわない?


観てみると、
人間の生血を吸う宇宙人、というのが分かる。
だったら、タイトルは、
「吸血宇宙人」とかにした方が良かったのでは?
(余計なお世話だが(笑))


この宇宙人が
人間の体に入り込む場面が何度もあるのだけれど、
それが、鳥肌が立ちそうなくらい気持ちが悪い。


人の額がパカッと縦に割れて、
その中を、スライムのようなドロドロしたものが、
ズルズルと蛇のように入っていく。
(書いてるだけで、ゾッとする(笑))


出てくる場面もあるけど、基本的に同じ。
スライム状のものが、蛇のように額から出てくる。
人の皮膚から、異物が出たり入ったりするのって、
何か、原始的な恐ろしさがあるわ。


生き残った9人が、
バラエティに富んでいて面白い。
副操縦士とCA、
自殺願望の男、
暗殺者、
政治家と、秘書と、秘書の妻、
白人女、
生物学者。
(たしか、そんな感じ)


この中でも最悪なのが、政治家とその秘書。
秘書は、出世の為に、
自分の妻を政治家に抱かせている。


こんなSFだかホラーだかの映画で、
ドロドロの男女関係が織り込まれてるって、
笑える。


で、この政治家、
自分が生き残る為なら、
どんな手段も選ばない最悪なおっさん。
中年男の嫌な部分がデフォルメされてるみたいなキャラで、
まぁ、でも、この手の映画で、このような人物が、
最後まで生き残るとは思えず、
ちょっと溜飲が下がるようにはなっているけれど。


シャレにならない部分もある。


宇宙人が地球に来たのは、
日本に原爆が落とされた時の、
混乱している隙を狙ったんだと。


つまりは、広い意味で、これも反戦映画。
ラストもゾッとする。
宇宙人に隙を与えないためにも、
戦争はしちゃダメだわね。


評価 ★★★☆☆

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