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「銀座化粧」 [映画]

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〔1951年/日本〕


津路雪子(田中絹代)は、
もう長い事、銀座のバーに勤めている。


彼女には5歳の息子・春雄がいる。
息子の父親・藤村は、
昔は羽振りが良かったが、
現在は落ち目になり、
雪子の家に、金の無心に来る始末。


ある日、雪子の友達で、
男に囲われながら裕福に暮らしている静江から、
「若い男友達・石川が上京してくるので、
東京案内をしてもらえないか」と頼まれる。


石川を、都内の様々な場所に案内するうち、
彼の真面目な人柄に触れた雪子は、
彼のような男と一緒になり、
田舎で暮らすのも悪くないと、ぼんやり考える。


しかし、春雄が迷子になってしまい、
石川の案内を妹分の京子(香川京子)に頼んだところ、
2人はいい雰囲気になってしまい・・・。





銀座で水商売をしながら
子供を育てる女が、
ほんの一時、夢を見るけれど、
それは所詮、叶わぬ夢だったと、
まぁ、そんな流れなのだけれど、


単純な話のようで、色々考えさせられる。


田中絹代演じる主人公の雪子は、
観る者が考えている以上に身持ちが固い。


彼女は子供を育ててゆくのに、
お金が欲しいとは思い、
友人・静江の紹介する、会社を経営する中年のおっさんと
会う。


ところがこのおっさんのケチな事ったら、
待合に行くのは勿体無いと言い出し、
自分の会社の倉庫に田中を押し込め、
そこで事に及ぼうとする。


倉庫て(笑)。
女を馬鹿にしてるのか、
何かを考える能力が無いのかは分からないけど、
こんな無神経な男の世話になってまで
金なんか欲しくないと思うのは、
雪子も、観ているこちらも同じ。
どういう風に生きてきたら、
こんな男が出来上がるのか。


そんな雪子が、
静江の男友達の石川と知り合うんだけれど、


この石川君が、
とってもいい青年なんだな。
様々な男を見慣れている雪子にしたら、
まさに、雪のように純白な男。


そりゃあ、夢見ちゃう気持ちもわかるわ(笑)。
男が生娘を求めるように、
女だって、擦れていない男を可愛いと思うのは同じ。
こんな男と生活を共にしてみたいと願ったとしても、
それは不思議じゃない。
自分の年齢と立場さえ考えなければ(笑)。


雪子の、5歳の息子が行方不明になる場面は、
結構緊張する。
子供がいなくなるって、
本当に嫌なものだ。
映画とはいえ、
こちらまで一緒になって探してやりたくなる。


評価 ★★★☆☆

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