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「火の鳥」 [映画]

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〔1950年/日本〕


河井晶子(京マチ子)は、
美しく、気位が高い娘で、
友人たちからは、ファイアーバード(火の鳥)と
あだ名を付けられている。


彼女の琴の腕前は一流で、
師匠の山田美津男(長谷川一夫)は、
晶子との結婚を望んでいる。


しかし、養子の美津男は、
養父母から、
彼らの娘・郁子(三條美紀)との結婚を厳命されていた。
幼い頃から郁子と一つ屋根の下で暮らしてきた美津男は、
郁子に妹以上の感情を持てず、苦悩する。


晶子は、父の友人の、
剛平と五郎からも求愛されており、
この2人の男が喧嘩の末、怪我をした事で、
新聞沙汰となってしまう。


美津男の養父母は、
晶子のようなスキャンダラスな女との結婚は絶対に許さぬと、
ますます頑なになり、
どうする事もできなくなった美津男と晶子は、
大阪に飛び出し、同棲を始めるが・・・。





「火の鳥」といっても、
手塚治虫さんではなく、
長谷川一夫さんと京マチ子さんのメロドラマ。


京さんの色気は、
若尾さんとはまた少し種類の違う、
「妖艶」という言葉がピッタリな感じで。


若尾さんに、どこか可愛らしさや、
庶民的な感じが滲み出ているとすれば、
京さんには、突き抜けたものを感じる。
色気のプロって感じがする(笑)。


そんな京さんが、
この映画で演じるのは、琴の名手。
それにしても、
彼女が「ファイアーバード(火の鳥)」に例えられるのはいいとして、
友人から、
「バード」と呼ばるのは、なんだか違和感(笑)。


いや、友人だけでなく、
長谷川さんが京さんを追いかける、
重要なシーンでも、
「バード、バード、待って~」みたいな感じで、
普通に呼びかけるのが可笑しくて。


それから、
昔の新聞記事って、
女性週刊誌感(笑)ハンパない。


京さんは、父の友人の2人の男から争われて、
男たちが怪我をするのだけれど、
一般紙は、なんと京さんの写真をデカデカと載せて、
「三角関係のもつれ」みたいな見出しを付ける。
他の映画でも、個人情報を無視したような、
似たような新聞記事の場面を何度も観た事があって、
その度に驚かされる。


昔は、プライバシーも何もなかったんだなぁと思うけど、
逆に今は、
新聞やテレビで規制があっても、
その分ネットで、被害者の情報も、加害者の情報もダダ漏れだから、
そう変わらないのかもしれない。


評価 ★★★☆☆

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