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「セックス・チェック 第二の性」 [映画]

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〔1968年/日本〕


オリンピックの陸上競技出場目前で、
戦争に夢を絶たれた緒形拳は、
今はやさぐれ、ヒモ暮らし。


そんな彼に、ある企業から、
陸上部のコーチをしてほしいとの依頼が来る。
最初は渋っていた緒形だが、
偶然に出会った女子工員・大楠道代に
陸上競技の才能を見出し、
特訓することになる。


大楠は緒形の見立て通り、
日本記録に迫るタイムを叩き出すも、
彼女が男ではないかと疑惑を持たれ、
性別診断を受けさせる。


診断の結果、自分が半陰陽だと知り、
ショックを受けた大楠は、
故郷に帰り、引き籠るが、
迎えに行った緒形は、
「お前を女にしてやる」と、
性関係を持ち・・・。




最初から最後まで、
「んな馬鹿な」という展開だが、
増村保造監督の映画はそこがいい。
大好き(笑)。


俳優さんの演技が大仰で、
荒唐無稽なトンデモ映画。
なにせ、有り得ないことばっかり(笑)。


大楠道代のコーチを引き受けた緒形拳は、
彼女に毎日ひげを剃れと命ずる。
毎日剃っていれば、ひげが濃くなる。
お前は女だけれど、男のような力を発揮しろ、ということらしい。


しっかし、女がいくら口の周りを剃ったって、
それはひげではなく、産毛じゃない?(笑)
産毛がいくら濃くなったって、
陸上競技の実力とは、
何ら関係ない気がするんだけど。


その後、大楠が性別診断により、
男と判定されてしまうのだけれど、
今まで、「男(のよう)になれ」と指導してきた彼女に、
今度は「お前を女にしてやる」と、
突然男女の関係になるという
トンデモ展開には笑うしかない。


よくは分からないけれど、
スポーツにおける性別診断って、
誰かが、女にしてやるとか、やらないとか、
そういう問題じゃなくて、
染色体か何かで判断する気がするんだけど・・・。


もう、これは真剣に観ても仕方がない。
どこか違う星の物語だと思えば、
問題なく楽しめる。


とにかく、
登場人物全員が、変(笑)。
変だけど、増村監督にかかると、
納得してしまう、すごい力がある。


ただ、これを演じる緒形拳さんの気持ちが気になる(笑)。
「俺、何やってんだろ」って思わなかったのかって。


評価 ★★★☆☆

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