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「東京湾炎上」 [映画]

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〔1975年/日本〕


巨大なタンカー「アラビアン・ライト」は、
もうすぐ航海を終え、
東京に近付いてきていた。
乗組員たちは久し振りの上陸を
楽しみにしている。


そんな中、
ボートに乗った6人の黒人の男たちが救助を求めてきた。
「アラビアン・ライト」の船長・丹波哲郎は、
縄梯子を下ろし、彼らを助けるが、
なんと、乗船させた途端、
銃口を向けられる。


6人はアフリカ出身のテロリスト集団で、
自国の現状を憂い、
「資源公正分配推進組織」を名乗っていた。


「アラビアン・ライト」に爆弾を仕掛けた彼らは、
日本政府に、ある要求を突き付けた。


鹿児島の石油コンビナートを破壊しろ。
そして、その模様をテレビ中継しろ。
さもなくば、
この「アラビアン・ライト」を、
東京湾内で爆破させるぞ、と・・・。





劇中で、
「東京湾の中でタンカーが爆発した時に起こる事象」の
シュミレーションがあるのだけれど、
それには驚いた。


狭い東京湾では、
爆発したタンカーから流れ出た原油が海を覆い、
揮発した成分が空中を漂い出す。
それが何かに引火し、
炎上すると、
黒煙を吸った多くの人が死亡し、
それがまた、二次災害、三次災害を引き起こす、と。


もちろんこれは、
映画上の仮説であって、
現実にそうなるかは分からないけれど、
でも、東京湾内で、
大きな事故が起これば、
被害は、湾岸だけでは済まないという、
警鐘だろうとも思う。


そしてこの映画の怖い所は、
それが事故ではなく、
テロリストによって引き起こされている点。


世界中に、なにやら不穏な空気があるのは、
21世紀に入ってずっとで、
この先、日本も、世界も、
一体どこへ行くんだろうと、
ちょっと不安な所に、
こんなものを観たら、
ますます不安な気持ちになってしまうよ。


まぁ、私には特別な主義主張はないし、
色んな事に意見を言えるほど、
勉強しているわけじゃないから、
あんまりつまらない事は書かない方がいいのかなとは
思うけど。


水谷豊氏が、
テロリスト側にいる日本人の役をしていたのが、
ちょっと珍しかった。


今では、日本の俳優の中でも、
ちょっとした地位にいる彼だけれども、
この映画では、まだ若造って感じで、
なんでテロリスト側にいるのかは分からないけど、
ある種の思想を持っている人の役を、
熱く演じていた。


日本人なら、
日本人の側にいてほしかったけどね。
まぁ、全員が同じ方を向いて、
足並みを揃えるなんてことはないって事なのだろう。
あんなに恐ろしい報道があるにも関わらず、
イスラム国に出掛けてしまう人もいるわけだし。


評価 ★★★☆☆

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