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「花くらべ狸御殿」 [映画]

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〔1949年/日本〕


ある狸の街にふらりとやって来た、
黒太郎(水の江瀧子)という美青年。
彼がバー「ポン」に勤め出した途端、
その美貌と歌や踊りの上手さから、
たちまち人気者になる。


一方、狸の国の王女・おぼろ姫(喜多川千鶴)は、
今まで一度も笑った事がなく、
王女を笑わせた者には、
褒美を与えるとの御触れが出ていた。


ある日、「ポン」に来た姫と黒太郎は、
互いに惹かれあい、
ついに姫が笑い、
国中は大喜び。


そんな中、
町はずれに住む魔女・アイアイ(京マチ子)は、
魔法の鏡に、
「世界で一番美しいのは誰?」と、
毎日尋ねていた。
昨日までは「アイアイ様」と答えていた鏡が、
おぼろ姫が微笑んだ途端、
「おぼろ姫様」と答えた事にショックを受けた彼女は、
姫を亡き者にしようと、
城の左大臣と結託し・・・。





今まで、狸シリーズは、
2本観ているけれど、
2本とも、登場人物がお着物を着た、
和な感じに対して、
本作は、殆ど洋物。


お城の造形からして、
シンデレラ城とでもいおうか、
古いヨーロッパに建っていそうなもので、
中々素敵。


お城の中も、
古いモノクロの、洋物のホラー映画のような作り。
塔の奥に、
人を閉じ込める牢屋がある、みたいな。


演じているのがズングリとした日本人というのは
ご愛嬌だけど、
その中で一人、気を吐いているのが、
水の江瀧子さん。


水の江さんの事は、
相当お年を重ねられてからのお姿しか知らなかったけれど、
その素敵な事ったら、
もうビックリのウットリ。


ウィキペディアによると、
水の江さんは、お若かった頃は、
「男装の麗人」としてご活躍されていたそうで、
画像検索をしても、
そのカッコよさがよく分かる。


私は、例えば宝塚などは一度しか観に行った事がないけれども、
女性が素敵な男性を演じ、
それに女性ファンが憧れる気持ちは、分からなくもない。


女が演じる男って
男の嫌な部分だけを排除して、
カッコよさだけを残した、そんな感じがするのよね。
つまりは、パーフェクトな男。


そんな男がいるわけないんだけど、
夢よ、夢(笑)。
水の江さんが絶大な人気を誇った理由が、
これを観て、初めて分かった次第。


評価 ★★★☆☆

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