「地上(ここ)より何処かで」 [映画]
〔1999年/アメリカ〕
14歳のナタリー・ポートマンは、
破天荒な母・スーザン・サランドンが苦手だった。
エジプト系の父と結婚し、
ポートマンを産んだが離婚。
別の相手と再婚するが、
結婚生活とウィスコンシンの田舎町の退屈さに我慢できず、
ポートマンを連れてロスにやって来たのだ。
ウィスコンシンが好きだったポートマンは、
本当は引っ越したくなかったが、
母に付いてゆくしかない。
夢ばかり見ている母は、
仕事も決まっていないのに、
いつも、「なんとかなる」がモットーのようで、
ポートマンの心は不安でいっぱいだ。
夢のビバリーヒルズの安アパートを見つけ、
そこに落ち着いた2人。
母は教師の仕事を見つけ、働き出す。
そしてポートマンには、
女優になる事を薦めてくる。
ある日、ビーチで知り合った男と関係する母。
「彼は私に夢中なの」と言うが、
母の方が夢中なのは明らかで、
でも、その後、電話が鳴る事はなかった。
どう見ても、母は遊ばれたのだ。
そんな日々の中で、
ポートマンの大学進学の時期が近付いてきた。
彼女は母と離れて、
東部で暮らす事を考えていた。
そんな娘の気持ちを知ったサランドンはショックを受け、
2人は言い争いになる・・・。
「ここではない、どこかへ行けば、もっと素晴らしい人生があるはず」
いつもそれしか考えていない母と、
振り回される娘の物語。
私も、「どこか、誰も知った人のいない所へ」と
思う事がないわけじゃないけど、
それはせいぜい旅行止まりで、
引っ越しまでとなると、なかなか難しい。
そう思うと、
スーザン・サランドンのパワーと行動力は凄いけど、
でも、どこへ行ったって、
結局は同じだよと思うし、
夢見た場所が理想と違っていたら、
もっと落ち込みそうだ。
(映画とは関係ないけど、そんな事を考える時は必ず、
宇多田ヒカルの「Wait & See -リスク-」が
頭の中でグルグル回る(笑))
ポートマンが、
ロスの学校でもいい友達に恵まれるのが救い。
これで学校でまで嫌な目に遭っていたら、
悲しすぎる。
母を反面教師にしている彼女は、
選ぶ友人もみんな結構地味な子たちで(笑)。
彼女は友人たちに強くすすめられて、
実の父に電話する。
ただ話がしたいというだけで、他意はなかったのだが、
父は、
「金の無心か、サランドンの差し金か」と、
邪推してくる。
親なのに、そんな風にしか取ってもらえない
ポートマンが可哀相でならなかった。
ポートマンの手紙を勝手に開封したりするサランドンが、
ラスト近くまで、なんか好きになれなかったけど、
最後はグッとくる。
評価 ★★★☆☆