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「獣の戯れ」 [映画]

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〔1964年/日本〕


社長夫人・若尾文子は、
夫・河津清三郎の度重なる浮気に耐え、
平静を装う、気位の高い女。


夫の会社でバイトをする学生・伊藤孝雄は、
そんな夫婦の現状を知り、
若尾に同情する。
河津の浮気はエスカレートし、
今度の相手は、東南アジア系のダンサーだ。


若尾と伊藤は、ダンサーのアパートに押し掛ける。
若尾は、ベッドにいた河津に、
「帰ってきてほしい」と縋り付くが、
殴られてしまう。
それを見た伊藤は、逆上し、
持っていたスパナで河津を殴りつけ、
逮捕される。


数年後、出所した伊藤は、
若尾の家に引き取られる。
久し振りに河津に会った伊藤は、
激しいショックを受ける。


自分が殴った後遺症で、
河津は、食べる事と歩く事くらいしかできない、
廃人同様になっていたのだ。
いつも薄笑いを浮かべている河津に、
伊藤は次第に苛立ちを募らせる。


奇妙な3人の生活。
耐え切れなくなった伊藤が取った行動とは・・・。





若尾文子さんの女の情念ものだけれど、
同様の他の作品に比べて、
それほど感情移入できなかった。


若尾さんが何を考えているのかが、
よく分からない。


あれほど浮気され、
自分を苦しめた夫が廃人になり、
甲斐甲斐しくお世話する若尾さん。
これでやっと、夫が自分のものになったと
嬉しくなったのかなぁと思ったけれど、
じゃあ、なぜ、伊藤孝雄を家に呼んだのか。


逆に伊藤に惚れているのだとして、
2人はとっくに関係しているのかと思ったら、
伊藤が「自分は女性を知らない」と、
断言する場面がある。
伊藤に執着するほど、深い仲ではないという事ね。


夫を廃人にした伊藤を苦しめようとして、
家に呼んだのか?
でも映像を見る限り、
そんな様子でもないしなぁ。


きっと私には、この物語の本質を理解する
能力がないのだろう。
原作は三島由紀夫。
今度、読んでみようと思う。


でも、まぁ、
若尾さんの映画を観た、という事だけで満足。
若尾さんは本当に綺麗で、
男を惑わす魔性の女と呼ぶにはピッタリだ。
気位が高く、
自分の思うがままに行動する所も、
普段の彼女そのもののようだ。


評価 ★★★☆☆

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