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「恐るべき子供たち」 [映画]

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〔1950年/フランス〕


ある雪の日。
その中学の生徒たちは、
雪合戦に興じていた。
ポール(エドアール・デルミ)は、
憧れのダルジュロス(ルネ・コジマ)の投げた、
石の入った雪玉に当たり、血を吐く。


友人・ジェラール(ジャック・ベルナール)が
ポールを家まで送っていくと、
ポールの姉・エリザベート(ニコル・ステファーヌ)が
彼らを迎え入れた。
ポールを診察した医者は、
「彼は胸が悪いから、学校に行かせてはならない」と言う。


エリザベートとポールは自宅で、
独特の世界を作り出す。
激しい喧嘩をし、
憎しみあっているようにも見える2人の関係。
そこのジェラールも加わり、
3人の時間が続く。


働きに出たエリザベートは、
ある日、一人の少女を家に連れて帰る。
アガートという名のその娘は、
かつてポールが憧れていたダルジュロスと瓜二つで、
ポールは動揺する。


アガートに辛く当たっていたポールだが、
心の奥底で彼女を愛している自分に気付き、
その気持ちをエリザベートに話す。
一方、アガートもポールを愛し始めており、
その切ない気持ちをエリザベートに打ち明ける。


エリザベートは、不思議な感情から、
2人を結ばせまいと決意する。
ジェラールに、
「アガートがあなたを好きだと言っていた」と話し、
アガートに、
「ジェラールがあなたを愛している」と言い、
ポールには、
「アガートはいずれジェラールと結婚するらしい」と告げた。


微妙なバランスを保っていた4人は、
エリザベートの嘘により、その関係が壊れ始め・・・。





ジャン・コクトー原作。


小説は未読だけれど、
萩尾望都さんのコミックをいただいて読んでいたので、
私にはそちらの印象が強い。
1979年に、少女漫画誌に掲載された作品のようだ。
絵が萩尾さんらしく、とっても綺麗。


姉と弟が醸し出す、
不思議な関係。
2人は、「なんでそこまで」というくらい、
激しい喧嘩をし、
互いを慈しむ様子は微塵もない。
無理して傷つけ合っているようにも見える。


けれど、それも愛情表現の一つと言っていいのだろうか。
弟に好きな女ができ、
相手も同じ気持ちだと知った途端、
信じられない嘘をつく彼女。


私には男の兄弟がいないから、
よく分からんけれど、
異性の兄弟って、そんなものなんだろうか。


この2人の場合、
ポールが病気のせいで学校にいかず、
普通の姉弟以上に、
濃密な時間を過ごし過ぎたせいもあると言えるのではないか。
「この子には私が必要」と、
無意識にもそう思う気持ちは大変に強くて。


途中、姉は結婚するのだけれど、
大金持ちである、その結婚相手は、
あっけなく死ぬ。
まるで、弟と暮らすのがお前のさだめだと、
神様に導かれるように。


濃すぎる愛は破滅を招く・・・そんな気がする内容。


評価 ★★★☆☆

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