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「パラダイス」 [映画]

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〔1986年/西ドイツ〕


ズニー・メレスは夫・ハイナー・ラウターバッハとの関係に悩んでいた。
大学教授である夫は、
優しいけれど、
どこかメレスへの興味を失っているように感じるのだ。


メレスは、その事を母親に相談しているうちに、
自分の幼友達・カタリーナ・タールバッハの事を思い出す。
裕福な自分と違って、
貧しかったタールバッハ。
夫に彼女を近付けたら刺激になるのではないか、と、
考え始める。


夫婦で、郊外で雑貨屋を営むタールバッハを訪ね、
さりげなく夫に会わせたメレスは、
後日、忘れ物をしたといい、
夫に一人で行かせる。


それは単なる思い付きでした事だったが、
メレスの意に反して、
夫はタールバッハに夢中になってしまう。


夫婦のいざこざに辟易し、
姿を消し、娼婦になったタールバッハ。
そんな彼女を、
ホームレスのような姿になりながら
探し回るラウターバッハ。


その先には大変な運命が待ち構えていた・・・。





最初はコメディらしく、軽いノリだったけれど、
段々シリアスになって、
最後は、そこまで行っちゃったか、という終わり方をする物語。


わたし的には、
最初から最後まで、
ズニー・メレスを好きになれなかった。


彼女も、そして彼女の母親も、
カタリーナ・タールバッハの事を、
ものすごく見下している。
「醜く、豚臭い」と言う。
そんな風に思っている女を、
よく夫に近付けようと思ったものだと思うが、
見下しているからこそ、
軽く利用しても平気だったのか。


けれど、登場したタールバッハは、
メレスが言うような醜い女では全くなく、
むしろ可愛かった。
西洋人が言う所の、
いわゆる美人ではないけれど、
とってもキュートで、
メレスとは違った魅力がある。


それに彼女は、
とってのユニークな女。
本を、
登場人物になりきって、朗読するような、
面白い事を一人でしている女なのだ。
夫が、妻には無い魅力を持つ彼女に惹かれるのも、
無理のない話であろう。


夫の、タールバッハへの入れ込み方が凄い。
メレスは、彼女に夢中になった夫への腹いせに、
銀行口座を止めてしまうのだけれど、
それでも夫は、
ボロボロの服装で、
ゴミ箱の食べ物を食べながら、
タールバッハを探し回る。
完全にメレスの負けという感じがする。


ラストはビックリだけど、
全編、結構コミカルな感じで描かれているから、
それほどの深刻さは感じない。


評価 ★★★☆☆

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