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「アンナ・カレニナ」 [映画]

ANNAKARENINA.jpg
〔1935年/アメリカ〕


政府高官の妻・アンナ(グレタ・ガルボ)は、
兄の夫婦喧嘩の仲裁の為、
モスクワに赴く途中の列車で、
将校ヴロンスキーと出会う。


冷たい夫婦関係に辟易していたアンナは、
自分に言い寄ってくるヴロンスキーに、
自分も愛情を感じるようになり、
2人は恋仲となる。


家を捨て、ヴロンスキーと一緒になりたい気持ちはやまやまだったが、
アンナには最愛の息子がおり、
それが彼女の暴走を踏み止まらせていた。


ヴロンスキーとの仲が夫に知られるようになると、
夫は、「離婚するなら息子とは生涯会わせない」と
通告されてしまう。
息子と離れるのは、身を切られるように辛かったが、
結局アンナはヴロンスキーと出奔、
イタリアに渡る。


しかし、どうしても息子への思いが断ち切れないアンナと、
もう一度出征したいヴロンスキーとの間には、
次第にすきま風が吹き始め、
物語は最悪の方向へと加速し始める・・・。





先日、劇場で観た最新の「アンナ・カレーニナ」。
味わいの違いを確認したくて観てみた。
あちらが豪華絢爛なカラー作品だったのに対して、
こちらは、78年も前のモノクロ映画。


主演のグレタ・ガルボは、
1927年にも、アンナを演じているようだけれど、
そちらはなんとハッピーエンドだそうで、
驚いてしまう。
文豪トルストイの大作を、
勝手に変えてしまたのか(笑)。
この流れでハッピーエンドはあり得ないけれど、
逆に興味が湧いてきた(笑)。


最新版が130分と長い作品なのに対して、
こちらは90分。
けれど、物足りないかと言われれば、
決してそのような事はなく、
余計な場面が無い分、
私にはこちらの方が面白く感じた。


なにより、
アンナと息子の関係が、
こちらの方が濃密に描かれていて、
その分、アンナの葛藤が強く胸を打つ。
10歳ほどのこの息子は、
母アンナがとにかく好きで、
彼女を信頼し切っている。
息子とヴロンスキーの間で揺れ動く彼女の気持ちが、
自業自得とはいえ辛い。


将校たちの一気飲みの場面が凄い。
彼らは全員同時に酒(ウォッカ?)を煽ったあと、
長テーブルの下を匍匐前進する。
そしてまた一気飲み。
そしてまた匍匐・・・を繰り返す。
しまいには皆ベロベロで、
一人二人と脱落してゆき、
残った者が勝ち?ってな具合。


日本とはちょっと趣向が違うけど、
一気飲みには変わりない。
体に悪そうだけど、
遠いロシアの事だから、
凄いなぁ、という気分で眺めてしまった。


評価 ★★★☆☆

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