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「ひまわりと子犬の7日間」 [映画]

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〔2013年/日本〕


宮崎県に住む堺雅人は、
小学生の娘と息子を育てるシングルファザー。
保健所に勤務し、
犬の殺処分を主な仕事としている。


捨て犬や野良犬は、
施設に収容された後、
一週間で安楽死させられる決まりであったが、
犬を殺すのが忍びない堺は、
子供の友人に引き取りを頼むなど、
なるべく殺さない方向にもっていこうと努力していた。


娘は、堺の仕事は、
犬を助ける事だと思っていたが、
彼が殺処分をしている事を知り、
大変なショックを受け、口をきかなくなる。


そんなある日、野良犬が畑を荒らしているとの通報を受け、
出向いた堺は、
子犬を産んだばかりの母犬と出会う。
その母犬は大変に母性が強く、
子供を守ろうとする気持ちから、
人間に敵意むき出しだった。


なんとか施設に連れ帰り、
親子共々助ける道はないかと模索する堺。
堺の職場に来た娘は、
母犬を“ひまわり”と名付け、
母と子を絶対に引き離さないでほしいと、
堺に懇願するのだった。





せっかくのファーストデイなのに、
ちょうどいい時間に観られる作品が、
これしかなく(ごめんなさい)、
家で何かDVDを観ようかと迷ったけれど、
やっぱり観て良かった。


犬の殺処分という重い話を、
堺雅人がいつもの半笑いの表情で演じる。
彼の泣き出しそうに見える、あの顔が、
犬たちを処分するのが辛くてたまらない、
主人公の表情そのものに見えて、
こちらも辛い。


舞台が宮崎という事で、
宮崎県出身の堺が、
全編、宮崎弁でセリフを話すのが、
大変にリアル。
彼は実家や地元の友人とは、
普段こんな感じで話しているのかなぁと思うと、
なんだか微笑ましい。


リアルと言えば、
一度だけ、
殺処分の場面が出てくる。
犬たちはこんな風に死んでいくのだと知り、
ショックが大きかった。


ひまわりが子供を守る様子が、
演出とはいえ、凄い。
最初は、
「本能だから、当然では?」と思ったのだが、
「収容所に入れられると、
 たとえ母犬でも自分の命が最優先で、
 子犬の事は忘れてしまう」みたいな説明があった。
そうか、そういうものなのね。
それはそれで、当然なのかもしれない。


余分なエピソードがないのもいい。
恋愛とか。
中谷美紀が獣医として出てくるけれど、
堺とはあくまでも友人で、
それ以上でも、それ以下でもない。
この映画のテーマはあくまでも“親子”。
母犬と子犬。
堺と子供たち。
堺と堺の母・吉行和子。
どの関係も、互いを思う気持ちにホッとできる。


評価 ★★★☆☆

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