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「カラスの親指」 [映画]

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〔2012年/日本〕


詐欺のコンビを組む、阿部寛と村上ショージ。
2人は、競馬場で見知らぬ男を騙したり、
600円で買った香炉を、
高い値段で質屋に売りつけたりして、
小金を稼いでいる。


阿部は、昔、
闇金から借りた金を返せなかったせいで、
大変な仕事をさせられ、
耐え切れなくなり、警察に駆け込んだ所、
最悪の仕返しをされるという、悲しい過去があった。


ある日、彼らは、
スリをして捕まりそうになった少女・能年玲奈を助ける。
能年は両親を亡くし、家賃滞納で追い出される寸前だと、
阿部たちに打ち明ける。


もし良かったらうちに来いという阿部の言葉に、
数日後、能年は、姉・石原さとみと、石原の恋人・小柳友を伴って、
阿部たちの家に転がり込んでくる。


家族のように暮らし始めた5人だが、
阿部の身辺で、不審な出来事が続発。
昔の闇金のボス・鶴見辰吾が出所し、
また嫌がらせを始めたらしい。
5人は力を合わせて鶴見の金を奪おうと画策するが・・・。





詐欺師だけれど、
そこまでの悪人でもなく、
なんだかトボけた阿部寛と村上ショージのコンビがいい。


村上さんといえば、以前「徹子の部屋」で、
黒柳さんから、真顔で「スベリ芸」と言われて困っていた様子が
私の中で強く残っており、
逆にそのキャラがとても好きだったので、
どんな演技をするのか、楽しみにしていたのだ。


そんな2人に、
若者5人が加わって、
疑似家族のような生活を始めるわけだけれど、
その雰囲気がとってもいいんだな。


タイトルにもある、「親指」の話を、
村上ショージがするのだけれど、
映画館の暗闇の中で、
思わず自分の指で確認しちゃった。
確かにそうかも、って。


で、5人が鶴見辰吾の事務所に、
ある職業に扮して、乗り込んで、
金を奪う場面はもうドキドキ。
劇場内も緊張でシーンとしたように思う。


で、話がそこで終わるかと思ったら、
ラストの30分で、驚きの真実が分かる。
詳しくは書かないけれど。


160分と長い映画だけれど、
飽きずに観られた。


評価 ★★★☆☆

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「リンカーン 秘密の書」 [映画]

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〔2012年/アメリカ〕


後にアメリカ大統領となる
エイブラハム・リンカーン((ベンジャミン・ウォーカー)は、
少年時代、最愛の母を地元の名士・ジャック・バーツ(マートン・ソーカス)に殺される。


いつかは仇を打ちたいと思いながら、
青年になったリンカーンは、
酒場で知り合った男・ヘンリー・スタージス(ドミニク・クーパー)から、
バーツがヴァンパイアであることを教えられる。


スタージスから、ヴァンパイア狩りを勧められたリンカーンは
武器として斧を選び、
トレーニングを重ねてゆく。


スタージスは
市民に紛れ込んでいるヴァンパイアを示し、
リンカーンは次々彼らを殺害。


やがて政治家となり、大統領に登りつめたリンカーン。
就任直後、南北戦争が始まるが、
ヴァンパイアの餌食となっているのが、
黒人奴隷だと気付いた彼は、
奴隷解放に向け、北軍勝利に向けて奮闘する・・・。





すごい仮説だね、これは(笑)。


リンカーンが奴隷解放に力を入れたのは、
ヴァンパイア撲滅のためだとは。
リンカーンの子孫が聞いたら、
驚くか、笑うか、中には怒る人も出てきそう(笑)。


ティム・バートン制作という事だけれど、
私にはあまり馴染みのない俳優さんばかりで
地味な印象。
リンカーン役なら演じてみたいというスターはいなかったのか。
それとも、元々、大スターを使わないという方針だったのか、
その辺はよく分からない。


それから、ラストに、
「ヴァンパイアたちは、アメリカを追われ、
 欧州や東洋に行った」って、たしかそんなような解説があって、
アメリカの俺様を見た気がしたよ。
アメリカが平和なら、他の国はどうなってもいいのかよって(笑)。


アクションシーンや映像は結構面白い。
一般市民にヴァンパイアが混じってるってのも、
怖いものだね。
いつ襲われるか分からないし、
誰も気付かなかったら、
世界中がヴァンパイアだらけになってしまいそう。
ただ、そうなったら、一体誰の血を吸うんだろう(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「林檎の花咲く町」 [映画]

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〔1963年/日本〕


ラピュタ阿佐ヶ谷で観た。
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都内の大学を卒業した白川由美は、
秋田のある家の養女になり、
そこで高校教師の職に就く。


しかし、早く東京に戻りたい彼女は、
秋田での仕事は腰掛けの認識しかなく、
意欲は殆ど無い。


あるクラスの副担任になった白川は、
バラエティに富んだ生徒たちの、
様々な事情を知る事になる。


受験勉強一筋の者、
勉強はできるが、リンゴ園を継ぐため進学を諦める者、
父親が定年間近で、進学の資金がない者・・・。


ラグビー部の顧問、中丸忠雄は、
白川に好意を持ち、
何かと近寄ってくる。
白川もバレー部の顧問になり、
生徒たちを指導するが・・・。





平凡な学園物だけれど、
なんだか好感が持てた。
教師の仕事にやる気の無かった白川由美が、
次第に変わってゆく所が好き。


腰掛け仕事だったのは最初のうちだけで、
彼女の生徒に対する態度は、
意外と熱心だ。
生徒たちも彼女を慕ってゆくし、
プライベートでもお出掛けするようになる。


職員室でも、結構自分の意見を主張し、
嫌味な他の教師と対立したりもする。
そういった教師がいるのは、
お約束の展開だけど(笑)。


観ているこちらも、
彼女が腰掛けだった事を忘れて、
ラスト近くで、
「ああ、そういえばそうだった」と思い出したくらい。


秋田が舞台という事もあって、
都会にいるような、
とんでもない不良少年・不良少女はおらず、
イタズラも他愛ない。
基本、みんな真面目な生徒ばかりだから、
ハラハラさせられる事もない。


白川由美がとっても綺麗。
大学を出たばかりの役にしては、
ずいぶん大人っぽいと思って、
今、計算してみたら、27歳の時の映画なのね。
どうりで落ち着いているはずだわ。


評価 ★★★☆☆

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「アルゴ」 [映画]

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〔2012年/アメリカ〕


1979年のイラン。


アメリカが、イランのパーレビ前国王を、
癌治療の為、自国に受け入れた事を怒った民衆が、
大使館前でデモをする。
人々の感情はエスカレート、
ついには、大使館に雪崩れ込む事態となる。


大使館員52名が人質となったが、
裏口から逃げ出した館員が6名。
彼らは、カナダ大使の私邸に匿われる。


6名は逃げ出した事がバレれば、処刑は必至。
アメリカ政府は、彼らを救出する為に話し合うが、
なかなか良い案が出ない。


CIAのエージェント・トニー・メンデス(ベン・アフレック)は、
息子がテレビで観ていた「最後の猿の惑星」の画面を眺めているうちに、
ある考えが閃く。


それは、
架空の映画「アルゴ」の制作話をでっち上げ、
イランでロケをするという口実に、
6人をカナダ人スタッフだと設定し、
国外へ連れ出すというものだった。


そんな作戦が上手くいくのか疑問だが、
もうやるしかない。
イランに入国したメンデスは、
6人の元へ赴き、計画を説明する。
果たして、彼らは無事帰国できるのか・・・。





ハラハラさせてやる、という、
ベン・アフレックの意気込みが見えるような映画で、
悔しい事に(笑)、彼の術中に嵌ってしまったようで、
大変に緊張させていただいた(笑)。


最初からとっても怖い。
何がって、民衆の“集団心理”が。
大使館前で、デモする民衆は、
プラカードを掲げたりして、
シュプレヒコールを上げている。


そのうち一人が、門を乗り越えると、
次々と同じ事をする人が出てきて、
門は壊され、
次は建物へ・・・。
映像で観ているだけで、あれだけ怖いのだから、
実際、大使館内にいた人たちは、
どれほどの恐怖だろうかと思う。


その後の作戦会議と計画実行までは、
ちょっとダレて、
会社帰りの疲れた体には、
ちょっぴり飽きがきたけれども、
メンデスと6人が空港に向かうあたりから、
もう、ドキドキが止まらない。


お約束の展開とはいえ、
仕事の疲れも吹き飛んだ(笑)。


これは実話だそうだけれど、
考えてみると、
この6人は、大使館を逃げ出した事に、
何か意義があったのだろうか。


他の52名の館員たちと一緒に人質になっていれば、
こんな思いをすることも、
国の手を煩わせる事もなかったような気がするんだけど(笑)。
52名は、その後、全員解放されたと言うし。
(もちろん、それは結果であって、
あの時点では殺される恐怖の方が勝っていたのだろうけど)


まぁ、そんな事実があったからこそ、
このような面白い映画ができたわけで、
結果的に十分意義があったと言えるんだろうけど(笑)。


評価 ★★★★☆

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「若い奴らの階段」 [映画]

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〔1961年/日本〕


ラピュタ阿佐ヶ谷で観た。
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東都大学ラグビー部は、
主将・本郷功次郎を先頭に、
練習に明け暮れる熱血集団。


部には、天才ラガーマン川口浩も所属していたが、
彼は年上のバーのマダムと熱烈な恋愛関係にあり、
殆ど練習に出てこない上、
合宿所に戻るのは、いつも明け方。


部員達はそんな川口の態度に怒っており、
合宿所では、今夜こそ川口を吊し上げようと
寝ずの番をしようと皆で待つが、
合宿所の賄い親父、中村雁治郎の機転で、
難を逃れる。


中村は部員たち全員を息子のように可愛がっており、
彼らの為なら、なんだってする。
赤字になっても、美味い食事をたらふく食べさせる。
部員たちも、そんな中村を慕っている。


試合も近いある日、本郷の母親が倒れ、
彼は田舎に帰らざるをえなくなる。
川口がいてくれたら・・・
本郷はマダムに、川口を返してくれるよう頼み込む。


試合はどうなるのか・・・。





若尾文子さん映画全制覇が私の夢だけれど、
次点は川口浩様。
ただ、若尾さんの全出演作は、
本やネットで、一覧になっているのでチェックしやすいけれど、
浩様の出演作の全部は分からない。
こうやって、少しずつ、
まめに名画座で観ていくしかないのだろう。


で、本作。
浩様目的でチケットを買ったというのに、
彼はなかなか登場せず、ヤキモキする(笑)。
主役は本郷功次郎、次が藤巻潤、
浩様は3番手という扱いだから仕方ないか。


しかも彼は、バーのマダムに夢中。
見た感じ、かなりの年上の。
最近話題の熟女ブームの先駆けのようだ。
浩様のマダムへの思いは真剣そのもので、
疲れたような様子で明け方帰ってくる、そのお姿は、
完全に、恋する男といった風情。


他の部員たちが、
バレリーナや、ラーメン屋の女の子と懇意になるとは
全然違う。
浩様からあんなに恋されるマダムが羨ましい(笑)。


こんな風に書いてはみたものの、
この映画のテーマはそんな所にあるわけじゃないんだけどね(笑)。
ラグビーに燃える大学生が、
合宿所の親父や、その他周囲の人々に支えられながら
成長してゆくって物語なのに。
一体私は何を観ているんだろう(笑)。


評価 ★★★☆☆

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