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「悪の教典」 [映画]

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〔2012年/日本〕


高校教師・蓮実聖司(伊藤英明)、通称・ハスミンは、
明るく、理解があり、ルックスも良く、
おまけに頭脳明晰。
生徒たちは彼を慕っている。


しかし、彼は他人が思っているような人間ではない。
彼は他人の痛みに寄り添う事のできない、
反社会性人格障害者で、
自分の人生に邪魔になると思われる人間は、
殺害する事によって排除してきたのだ。


さらに彼は、人の弱みを知るや、
その人に付け入り、
とことん利用する人間でもある。


彼の周囲では、
不自然な死や、行方不明者が多く、
不審に思う者もいたが、
それに気づいた人間も彼の手にかかって、
亡き者にされてゆく。


しかし、そんな事が永遠に続くわけはない。
ほんの一瞬のミスから、
彼の計画が狂ってしまう。
犯罪の発覚を恐れた彼は、
生徒たちを皆殺しにし、
その罪を他の教師になすり付けようと、
銃を乱射し始める・・・。





私は今までずっと、伊藤英明が嫌いだった。
一見カッコ良さげだけれど、
よく見ると目力が弱く、
気が弱そうで、
意志薄弱な印象しかなかった。


この映画の予告を観た時も、
伊藤英明が頭脳明晰な教師かぁ、と、
ちょっと軽んじていた所があった。


けれど、その伊藤英明が最初から魅せる。
生徒から人気の高い教師。
授業も上手く、生徒を引き付け、
他の教師や、父兄の対応も上手いという役を、
うまくこなしている。


私が弱いと思っていた目力も、
上手く利いている。
最初からギラギラした、意志の強い瞳だったら、
「実はサイコパス」の「実は」の部分に、
説得力が無くなってしまう。


ルックスも、
「教師にしては」カッコいいというレベルで、
リアリティがあって良かったな。


なんだか伊藤英明の事ばかりになってしまったけれど(笑)、
映画自体、最初からものすごい緊張感。
平穏そうに見えるけど、
この先絶対何か起こるという空気が充満している。


あんな風に目の前で学友たちが殺されていったら、
生き残ったとしても、
生涯、その光景に悩まされ続けるよね。
死んだ方がマシなんじゃないかと思わされたくらい。


伊藤英明が何かやらかしそうという怖さもあるが、
学校そのものも怖い。


閉鎖された小さな社会。
人口密度の高い教室。
今思えば、何も疑問を持たず、
よく学校に通っていたなぁと思うよ。


評価 ★★★☆☆