「林檎の花咲く町」 [映画]
〔1963年/日本〕
ラピュタ阿佐ヶ谷で観た。
都内の大学を卒業した白川由美は、
秋田のある家の養女になり、
そこで高校教師の職に就く。
しかし、早く東京に戻りたい彼女は、
秋田での仕事は腰掛けの認識しかなく、
意欲は殆ど無い。
あるクラスの副担任になった白川は、
バラエティに富んだ生徒たちの、
様々な事情を知る事になる。
受験勉強一筋の者、
勉強はできるが、リンゴ園を継ぐため進学を諦める者、
父親が定年間近で、進学の資金がない者・・・。
ラグビー部の顧問、中丸忠雄は、
白川に好意を持ち、
何かと近寄ってくる。
白川もバレー部の顧問になり、
生徒たちを指導するが・・・。
平凡な学園物だけれど、
なんだか好感が持てた。
教師の仕事にやる気の無かった白川由美が、
次第に変わってゆく所が好き。
腰掛け仕事だったのは最初のうちだけで、
彼女の生徒に対する態度は、
意外と熱心だ。
生徒たちも彼女を慕ってゆくし、
プライベートでもお出掛けするようになる。
職員室でも、結構自分の意見を主張し、
嫌味な他の教師と対立したりもする。
そういった教師がいるのは、
お約束の展開だけど(笑)。
観ているこちらも、
彼女が腰掛けだった事を忘れて、
ラスト近くで、
「ああ、そういえばそうだった」と思い出したくらい。
秋田が舞台という事もあって、
都会にいるような、
とんでもない不良少年・不良少女はおらず、
イタズラも他愛ない。
基本、みんな真面目な生徒ばかりだから、
ハラハラさせられる事もない。
白川由美がとっても綺麗。
大学を出たばかりの役にしては、
ずいぶん大人っぽいと思って、
今、計算してみたら、27歳の時の映画なのね。
どうりで落ち着いているはずだわ。
評価 ★★★☆☆