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「脳内ニューヨーク」 [映画]

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〔2008年/アメリカ〕


フィリップ・シーモア・ホフマンはニューヨークに住む劇作家。
妻と可愛い娘がいるが、
夫婦仲がしっくりいかず、
妻は娘を連れて、ベルリンへ行ってしまう。


失意のホフマンは、
劇場の受付嬢サマンサ・モートンと親しくなりかけるが、
妻を忘れられず、
自然消滅。


しかし、悪い事ばかりではなかった。
彼がマッカーサー・フェロー賞(別名「天才賞」)を受賞したとの
報せが入ってきたのだ。


高額の賞金を手に彼はひらめく。
彼の頭の中にあるニューヨークを、
倉庫の中で再現しようと・・・。





最後まで入り込めず残念だ。
私に、この映画を理解するセンスが無いのだろう。


監督は、「マルコヴィッチの穴」や「エターナル・サンシャイン」で、
脚本を手掛けたチャーリー・カウフマン。
初監督作品だそうだ。


上記の2作はそれなりに楽しめたけれど、
これはなんだか・・・。


そういえば、もう一本、
この監督の脚本作品、「アダプテーション」も観ているが、
あれも合わなかったな。
たぶん、脳味噌の構造が違うのだと思う。


フィリップ・シーモア・ホフマンと別れて暮らす娘が、
大人になって、全身刺青だらけで、
変な店で働いている様子が悲しかった事だけ、
印象に残った。
幼い頃はめちゃくちゃ可愛かったのに。


評価 ★★☆☆☆

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「穴 HOLES」 [映画]

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〔2003年/アメリカ〕


なぜか頭上から落ちてきたスニーカーを持ち帰ろうとしたシャイア・ラブーフは、
そこに現れたパトカーに捕まり、
泥棒の罪で、少年更生施設に入れられる事になってしまう。


ラブーフの一族は、
曾々お祖父ちゃんが呪いをかけられたせいで、
ロクな事がないと伝えられているのだ。
たしかに父がしている研究も、
全く成果が得られず、家族はいい暮らしをしているとは言い難い。


施設の所長は、
皆に恐れられている、シガーニー・ウィーバー。
少年達を監視するのはジョン・ボイト。
施設で課せられた作業はただ一つ。
砂漠に深さ1.5メートル、直径1.5メートルの穴を掘る事だ。


少年たちの毎日の作業のおかげで砂漠は穴だらけ。
なぜそんな無意味な作業を繰り返すのか、
理由を尋ねても、
「穴掘りが少年の更生を促す」というわけの分からない答え。


しかし、途中で挟み込まれる、
ラブーフの曾々お祖父ちゃんの物語から、
彼らが穴を掘らされる理由が次第に分かってくる・・・。





ディズニー映画なのに、日本未公開作品。
ディズニーなら、
何でもかんでも公開されているのかと思っていたけれど、
そういうわけでもないらしい。


しかも、見始めて驚いた。
主役を演じる少年が、シャイア・ラブーフとは!
現在、数々のヒット映画を生み出し、
私生活はスキャンダルの多い彼も、
昔は可愛い少年だったのね(当たり前だ(笑))。
シガーニー・ウィーバーが主役だとばかり思っていたから、
こんな所でお目にかかれて嬉しかったよ。


物語は正直、最初は退屈。
穴を掘らされる少年達を見て、
何が面白いんだろうと思いながら観る。


しかし、挟み込まれる過去の物語を観ているうちに、
それが次第に現代の場面に繋がっていくのが面白く、
後半はワクワクする。


施設の少年たちも、
新入りのラブーフに、多少辛く当たるが、
それほど陰湿ではなく、
可愛くさえある。
その辺はディズニー。


伏線が多いので、
幼い子どもが観るには、ちょっと難しいのかもしれないが、
最後はパズルが合うようにスッキリする。


評価 ★★★☆☆

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「最後の猿の惑星」 [映画]

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〔1973年/アメリカ〕


シリーズ5作目にして最終章。
「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」をきっかけに、
結局、未見だった4、5作目を観てしまった。
今週は猿週間(笑)。
でも、こんな事でもなければ、
観たいと思いつつも、
中々手が出なかった作品なので、
いい機会ではあった。





人間と猿の核戦争により、
多数の死者を出し、
文明を失ってしまった地球。


生き残った人間と猿は、
共存の道を模索していたが、
立場は猿の方が人間より上になっていた。
4作目で猿のリーダーだったシーザーも、
小さなコミューンのリーダーとして暮らしている。


しかも今度は、猿同士のいざこざが起こり始める。
人間との共存をよしとしないゴリラたちは好戦的で、
平和を望むシーザーたちと対立し、
足並みが揃わないのだ。


悩んでいた彼は、荒廃した都市の地下に、
両親が映ったビデオテープがある事を知り、
答えを求めて、それを探しに出掛ける。
テープを見られたのは良かったが、
そこには、生き残った人間が暮らしており、
シーザーに襲い掛かる。


なんとか逃げ出したシーザーだが、
人間たちは兵器を持って、
コミューンにやって来る。
シーザーたちはどうなるのか。
また、対立するゴリラとの関係は・・・。





シーザーは悩んでいるよ。
どうしたらいいのか、
未来はどうなるのか。


絵的には、猿が悩んでいるものだから、
逆に、ものすごく哲学的に見えるのよ。
原始人が何かを深く掘り下げて考えている姿を見るのと
同じような印象で。


猿は、絶対犯してはならないタブーを作った。
「猿は猿を殺してはならない」と。
しかし、それが破られる出来事が起こって、
さらに、憎しみが連鎖してゆく。
人間にも同じタブーがあるけれど、
結局、守られてはいないし、
生き物って、争わずにはいられないのだろうかね。


このシリーズは、全てがアメリカを舞台としているけれど、
他の国はどうなっているのか、
すごく興味があるよ。
島国の日本も同じような状況なのか?


一匹の猿が芋を洗う事を覚えたら、
それと同時期に、何千キロも離れた所に住んでいる別の猿も、
やっぱり芋を洗い始めたという逸話を聞いた事がある。
でも、シーザーは、未来から来た猿夫婦の息子で、
進化とは違うしな。
日本の状況が知りたい(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「猿の惑星 征服」 [映画]

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〔1972年/アメリカ〕


先日書いたように、「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」を観て以来、
1970年代の「猿の惑星」が気になって仕方なく、
まだ記憶が新しいうちにと、
未見のこの4作目と、5作目を借りてしまった。


舞台は、3作目から20年後の1991年。
3作目で、未来から来た猿夫婦、コーネリアスとジーラから産まれた子、シーザーは、
両親と同様、高い知能を持っていた。


彼はサーカスの団長に可愛がられていたが、
言葉を話せる事は絶対に人間に知られてはならないと、
固く誓っていた。
地球では、1983年の伝染病で犬猫が死滅し、
人々は猿をペットとして飼うようになっており、
猿に給仕や靴磨きなどの仕事をさせているのだ。
人々は猿たちを奴隷としか思っておらず、
彼らの人格(猿格?)は無視だった。


しかし、ある出来事がきっかけで、
シーザーが言葉を話せることが分かってしまう。
猿の管理局は、シーザーを捕らえようとするが、
なんとか逃げ出し、
奴隷として、知事の家で働き始める。


彼は他の猿に働きかけ、
地下組織を作り、武器を集め、
人間に立ち向かう時期を窺う。
様々な出来事があり、猿たちは立ち上がる・・・。





突っ込み所は多々あるが、
つまらなくはない。
私は3作目が好きなので、
あの中で生まれた子が、
こんなにも成長したかと思うと、
それだけで感慨無量。


「創世記(ジェネシス)」で猿の名前がシーザーというのも、
ここから来ているんだなぁと、そんな細かい部分も面白い。


設定が1991年というもの面白いな。
今から20年も前の設定だけど、
作られた当時からしたら、
ずっと先の未来だったのでしょうね。


人間は、自分たちが楽したい為に、
猿に雑事をさせたいのだろうが、
猿に仕事を教えたり、
躾けしたり、
管理したり、
見張ったり、
かなりの時間を割いて、それに腐心している。
もう、猿の事しか頭にないみたいだ。
本末転倒。
物凄く滑稽。
自分でやった方が早いって(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「遠い雲」 [映画]

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〔1955年/日本〕


東京から、休暇で故郷の高山に帰ってきた田村高廣。
彼は休暇後は、網走近くの支社に赴任する事が決まっている。
 

高山には、彼と相思相愛でありながら、
金銭的な事情で、泣く泣く別の男と結婚せざるをえなかった、
高峰秀子がいる。


高峰の結婚生活は幸せなものとは言えず、
暴君だった夫に早死にされ、
今は婚家で、幼い娘を育てる日々。


田村と高峰は、高峰の夫の墓の前で再会する。
高峰の近況を知った田村は、
彼女と一緒になりたいと願うが、
彼女は亡くなった夫の弟、佐田啓二と結婚して、
家の跡を継ぐ事を望まれていた。


高峰を諦めきれない田村は、
強引に高峰を夜のデートに誘うが、
狭い街でそれはすぐに噂になり、
田村の実家、高峰の実家、高峰の婚家にも、
その話が入る。
田村と佐田の間で、揺れる高峰の心。


東京へ帰る前の日、
田村は最後の願いを込めて、
高峰に手紙を渡す。
明日、駅で待っていると。
高峰が出した結論とは・・・。





俳優の名前の並び順だけを見ると、
佐田啓二が主役のような印象を受けるが、
これはどう考えても、田村高廣と高峰秀子の物語であろう。


高峰秀子を忘れられず、
一度は嫁いだといえ、
夫に死なれた今なら、彼女と一緒になれる。
そう期待する彼の心情は大変に理解できる。


しかし高峰がまた、古風な女なんだな。
婚家で裕福に暮らさせてもらって、
これ以上、何を望む事があろうかといった感じで。


田村は高峰を北海道に一緒に行ってほしいと言うが、
よく分からないのは、
そこに、彼女の子どもが含まれているのかという事なのよ。
なんだか子どもは置いてきて、と取れる。
でも、女はそれは出来ないよね。


私だったら、と考えたけど、
うーん、子どもは佐田啓二に懐いているし、
叔父と姪の関係なら、
赤の他人の田村と一緒になるより上手くいくし、
やっぱり佐田を選ぶかなぁ・・・、
って、ただ単にルックスの好みかもしれない(笑)。


田村と佐田の役を入れ替えたらどうだっただろう。
それはそれで、違った味わいになったと思うのだけれど。


評価 ★★★☆☆

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