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「幸せパズル」 [映画]

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〔2010年/アルゼンチン〕


アルゼンチン、ブエノスアイレス。
マリア・オネットは、
優しい夫と2人の息子と暮らす平凡な中年主婦だ。


彼女は、誕生日にプレゼントされたジグソーパズルを
何気なく始めたところ、
それが性に合っていたのか、
夢中になる。


新しいパズルを求めて専門店に行くと、
「パズル大会のパートナー募集」との貼り紙を見つけ、
その主アルトゥーロ・ゴッツと会う事になる。


ゴッツは金持ちの中年男で、大会の常連だと言う。
試しにオネットにパズルをさせた彼は、
オネットの早さと、常識に捕らわれない組み立て方に驚き、
彼女の実力なら、世界選手権も夢ではないと誘う。


以来、彼女は、家族に内緒でゴッツの家に通い特訓。
しかし、世界選手権本戦の場所はドイツ。
今まで家を空けた事などない主婦のオネットに、
そんな長旅は考えられない。
彼女が下した結論は・・・。





マリア・オネットがいかに主婦としての仕事をこなしているのかを
表現する場面として、
冒頭の、彼女の誕生会がある。
ホームパーティの会場で、
彼女は主役であるにも関わらず、
キッチンで忙しく働いて、座る時間もない。
自分で焼いたケーキのローソクを自分で吹き消す。
でも、それを誰も疑問に思ってはいない。


それから、夫がオネットに、
家事以外の何かに夢中になってほしくないんだなと思わせるのに、
一緒に買い物に行った時、
パズルを手に取った彼女に、
「そんな物は時間の無駄だ」と言う場面がある。
けして強い口調ではないが、
本能的に何かを恐れているような、そんな感じで。


私も結構一つの事に夢中になりやすいので、
オネットの気持ちは分かる。
事実、オネットはパズルに夢中になるあまり、
家事が疎かになってしまう。


夫を暴君に描いてあったら、
パズルを楽しむ彼女をもっと応援できるのに、と、
観ている間は思っていたが、
今、こうして書いていると、
夫がいい人だからこそ彼女は苦悩するのだなと気が付いた。
でも、夫がいい人でも、
一生に一度くらい、主婦だって冒険したいよね、って。


残念なのは、パズルをしている場面が少なかった事。
もっともっと彼女の手元を見ていたかった。


評価 ★★★☆☆

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