「農夫の妻」 [映画]
〔1928年/イギリス〕
農場を営むサミュエル・スィートランドは、
妻に先立たれ、空しい毎日。
さらに一人娘も結婚して、家を出てゆき、
いよいよ淋しくなった彼は、
再婚を決意する。
彼は家政婦のミンタに、
誰と再婚しようか相談し、
3人の候補者が挙がる。
3人それぞれと会ってはみたが、
相手にされないスィートランド。
ガッカリして家に帰ると、
そこには可愛くて働き者のミンタがいた。
彼は、一番身近なミンタの存在を忘れていたのだ・・・。
ヒッチコック初期のサイレント映画。
結婚相手を探す中年男が主役なのだが、
このオッサンがまた我儘で(笑)。
妻候補を3人に絞ったのはいいけれど、
プロポーズして断られると、
激しく逆ギレ。
そんなにキレられたって、
振られたんだから仕方ないじゃんと言いたくなる(笑)。
まぁ、3人の女たちも、
今一つなんだけどね。
一人なんか病的なヒステリーで、
暴れだしたら止まらないし(笑)。
素晴らしいなと思った演出があった。
亡くなった妻がいつも座っていた椅子に、
3人の女が座る様子を想像してみたスィートランドだけれど、
どれもしっくりこない。
けれど、ミンタが座った途端、
ハッとする。
なんだか素敵だった。
偶然だが、昨日のニュースで、
ヒッチコックの助監督時代の映画が発見されたとあった。
1923年の作品だそうだ。
ヒッチコックらしさが随所に表れているという。
いつか観てみたいな。
評価 ★★★☆☆
◆ねえだっこして◆ [本]
絵本は子どものものだと思われがちだけれど、
本書で描かれている、
悲しい気持ち、
切ない気持ちは、
やっぱり大人になってこそ、
本当の意味で理解できるんじゃないだろうかと思う。
今まで自分の場所だった,
居心地のいいおかあさんのひざや、
温かい腕の中が、
赤ちゃんが生まれた事で、
奪われてしまった猫の気持ちは、
涙が出そうなくらい健気だ。
赤ちゃんは小さいから、
その場所は譲るけれど、
本当は私だって抱っこしてほしい。
おかあさん、おかあさん、おかあさん、
時々でいいから私を抱っこして、と。
著者の意図は分からないけれど、
勝手に想像するなら、これは、
猫という設定にはなっているけれど、
弟や妹が生まれた上の子の気持ちを表していると言っていい。
全ての大人にこの絵本を薦めたい。