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「泥だらけの純情」 [映画]

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〔1963年/日本〕


不良学生に絡まれていた、外交官令嬢の吉永小百合は、
通りかかったチンピラヤクザ、浜田光夫に助けられる。
浜田はその際、ナイフで腹を刺され軽症を負うが、
相手は誤って自らを刺し、死ぬ。


浜田は逮捕されるが、
新聞に書かれた記事が事実と違う事に驚いた吉永が、
警察に真相を話し、釈放される。


礼を言いにきた吉永の可憐な姿に、
緊張を隠せない浜田。
二人は土曜日ごとにデートを重ねるようになり、
どうしようもなく惹かれ合ってゆく。


しかし、所詮は身分違いの恋。
浜田は、吉永とのデート代を稼ぐ為にしていた、
売春斡旋で逮捕されてしまう。
二人の交際に猛反対の吉永の母親は、
吉永を、夫が駐在するアルジェリアに行かせようと、
手配を進める。


釈放された浜田と、家出した吉永は逃避行。
世間は、チンピラが外交官令嬢を誘拐したと騒ぎになる。
二人の運命は・・・。





なかなか愉快。
浜田光夫が、童顔で幼い印象なので、
どんなに肩で風切って歩いても、
舎弟からペコペコされても、
虚勢を張っているようにしか見えず、
吉永小百合との恋愛も、ママゴトのようだ。


けれど、そこがいいのだろう。
浜田は、吉永から、
「今日は動物の生態というテレビを観る」と聞かされると
その夜は娯楽番組からチャンネルを変え、
興味もない教育番組を観たり、
「寝る前は聖書を読む」と聞かされると、
自分もベッドの中で、おぼつかない口調でそれを読んだりと、
まるで中学生。
なんだか可愛くて、
あはははは~と声を上げて笑ってしまったよ。


吉永も、浜田にボクシングの試合に連れていってもらったりして、
楽しそう。
禁断の領域に足を踏み入れたお嬢様ってね。
見た事もない世界は、そりゃあ楽しいだろう。


この映画は、その後、山口百恵と三浦友和でリメイクされているようだが、
おそらく、浜田&吉永コンビとは全く印象が違うのではないかと想像する。
ものすごく興味が湧いてきたよ。
百恵&友和の方も近いうちに絶対観てみたい。


それから、
このブログを始めた頃に書いた、
森下愛子の、「十代 恵子の場合」が、
この映画をエロテイストにしたものだと、
途中まで観ていて気が付いた。
シチュエーションからその後の展開まで、殆ど同じ。
(浜田と吉永は、ラストまで純潔だったと明言されているので、
 そこは大きな違いだが(笑))。 
(オチも変えてある)。


パクリとは言わないけれど、
そういった事って、探せば沢山ありそうで面白い。
やっぱり映画って、奥が深い。


評価 ★★★☆☆

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