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「夜のピクニック」 [映画]

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〔2006年/日本〕


多部未華子。高校3年生。


彼女の通う高校では、「歩行祭」と呼ばれる行事がある。
全校生徒が夜を徹して、
80キロを歩き通すのだ。


多部は、最後の歩行祭に、
密かに決めている事があった。
それは同じクラスだが、
一度も話した事のない、石田卓也に話し掛ける事。


日頃から互いに意識し合っている多部と石田に、
クラスメイトたちは、
2人をくっつけようと一生懸命だったが、
それは、みんなの勘違いで、
実は、二人には、
誰にも話せない秘密があるのだ。


歩行祭は進み、残り20キロになっても、
会話のきっかけが掴めない多部。
迫るゴールを前に、
多部の願いは叶うのか・・・。





恋じゃない青春映画があってもいい。
その設定に泣かされた。
ヤンキーもコギャルもいない、
公立の進学校の雰囲気がとにかく好き。


多部未華子と石田卓也が並んで歩き出すシーンに涙が出た。
お互いをあれほど意識しながら、会話をするのは初めてという、
なんともぎこちない2人。
これが恋なら平凡な青春映画で終わっていた所だろうが、
そうでない設定が非常に良い。


エキストラも含めた登場人物たち全員が、
清潔で落ち着いた雰囲気なのもとても好感が持てる。
歩行祭が終わったら大学受験まっしぐらなんだろうなと想像できる、その雰囲気。
「頑張れよ」、と応援したくなる。


決して美人ではない多部未華子。
でもそこがいい。
彼女だけは、この先もずっと顔にも体にもメスなんか入れないで、
そのままでいてほしいと切に願う。


原作は恩田陸の同名小説。
こちらも名作。


評価 ★★★★★

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