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「ハウス・ジャック・ビルト」 [映画]

housejackbuilt.jpg
〔2018年/スウェーデン〕


雪の山道を車で走っていたジャック(マット・ディロン)は、
途中、車が故障して困っている女(ユマ・サーマン)を助ける。
しかし、女の無神経な発言にカッとなった彼は、
女を殺し、
その遺体を、自身が所有する冷蔵倉庫に入れる。


次に、ある未亡人の家に、
保険の調査員を装って入り込んだジャックは、
未亡人を殺し、
また遺体を、冷蔵倉庫に保管。


その後、12年間、
ジャックは殺人を繰り返し、
遺体は必ず、冷蔵。
彼が行き着いた先は・・・。





カンヌ映画祭では、
100人以上が途中退出、
しかし、最後まで観た人からは、
スタンディングオベーションが起こるほど大絶賛だったと言われる、
ラース・フォン・トリアー監督の衝撃作。


ハリウッドでは、
どんな内容の映画でも、
幼い子供だけは殺さない、という、
暗黙のルールがあると聞いたことがあるけど、
(真偽は分からぬが)
デンマーク人の監督は、そんな事はお構いなし。
子供だろうが、女だろうか、関係ない。
殺して殺して、殺しまくる。


私がシリアルキラーに興味がある事は、
ここでも時々書いているけれど、
何人もの人を殺す人って、
ある種の悪運が強いのかも、と思った。


なにせ、このジャックさん、
2回目の殺人のあと、
車で遺体を引き摺って、
自分の倉庫に運ぶんだけど、
なんと、路上には、
延々と血の跡が。
(ポスター参照)


それが証拠となって、捕まっていれば、
その後の殺人はなかったはずなのに、
すごいタイミングで、
突然の豪雨が!
血は綺麗に洗い流され、
ジャックさんは、その後も殺人を続行できることに。
あれこそ、「恵みの雨」だと思ったわ(笑)。


それから、
ジャックさんが、強迫性障害っぽいのが、
ちょっと可笑しい。


彼は殺人を犯したあと、
「椅子の下に血の跡が残っているかも」とか、
「壁の絵に血が飛び散っているかも」とか、
考えちゃって、
現場から去ろうにも、
去る事ができない。


そんなに気になるなら、
殺さなければいいのに、と思うのは、
素人考えね。
私のような凡人には計り知れない野望が
彼にはあるのだから。


ラストの解釈は、
私にはよく分からなかったけど、
分からなくていいのかも。


だって、そもそも、
シリアルキラーの葛藤なんて、
分かりたくても、分からないのが当たり前だろうし。


評価 ★★★☆☆

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