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「鶴八鶴次郎」 [映画]

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〔1956年/日本〕


新内語りのコンビ、
三味線の鶴八(淡島千景)と鶴次郎(高田浩吉)は
その優れた芸で、大変な人気を誇っている。


2人は、普段は仲が良いのだが、
芸の事になると、
絶対に譲歩せず、
大喧嘩を繰り返す。


そんなある日、鶴八は、
ご贔屓の松崎(山村聡)から嫁に欲しいと申し出される。
松崎は、人柄も家柄も申し分ない相手。
鶴八がその事を鶴次郎に打ち明けると、
鶴次郎は、「昔からお前が好きだった」と恋の告白。
その言葉を待っていた鶴八は、嬉し涙。


鶴八と鶴次郎の結婚が決まるが、
つまらない理由で鶴次郎が激昂。
2人は本当に別れてしまい、
鶴八は松崎の妻になる。


2年後。
松崎の妻として、
不自由のない生活をしていた鶴八に、
一度だけ、鶴次郎と舞台に出ないか、という話が持ち上がり・・・。





4年前、
山田五十鈴と長谷川一夫の、
1938年版の方を観て、
めちゃくちゃ感動し、
 ↓
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2015-08-29
リメイクされた、
この1956年版もぜひ観たいと思っていたのだけれど、
願いがやっと叶った。


とはいえ、
やっぱり1938年版の印象が強烈すぎるのかなぁ、
こちらが凡作に感じられてならない。


そもそも、長さが全然違う。
1938年版が89分だったのに対して、
こちらは125分。
なんだかダラダラしている印象が否めない。
この映画だけ単品で評価すれば、
名作だと思うのだろうけど、
どうしても、あちらと比べてしまうから分が悪い。


これらの映画が作られた当時、
まさか、このような鑑賞のされ方をする未来が来るとは、
予想もしていなかっただろうなぁ。


もちろん、こちらの映画にも
良い所はいっぱいある。


鶴八と鶴次郎が、
別れる事になった理由の伏線が
こちらではきっちり描かれている。
それが、上映時間が長くなった原因でもあるけど、
なるほど、そんなサイドストーリーがあるのかと納得。
おそらくそれは、
川口松太郎さんの原作に書かれているのだろうと想像する。


淡島千景さんと高田浩吉さんの
コンビネーションもいい。
2人は芸の事になると、
それはもう、大変な喧嘩をするのだけれど、
少し頭が冷えると
「ごめんね。てへ」って感じで謝るのよ。
それが可愛くて。


周囲の人たちは、なんとか2人に喧嘩をさせまいと、
「芸の話はするなよ、するなよ」と、
そればかり気にしていて、笑える。


観終わって、色々調べていたら、
この映画の元になったという洋画があると
書かれている方がいた。


それって本当?
まったくキリがない。
1つの映画を観ると、
芋づる式に(言葉の使い方間違ってる?(笑))
別の映画のタイトルが出てくる。
観たくてたまらなくなる。
都内に1件、在庫しているレンタル店があるようだ。
今度行ってみよう。


評価 ★★★☆☆

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