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「トレイン・ミッション」 [映画]

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〔2018年/アメリカ〕


警察官を辞め、
今は保険会社に勤めるマイケル(リーアム・ニーソン)は、
ある日突然、
解雇を言い渡される。


ショックのあまり通勤電車でぼんやりしていると、
見知らぬ女が話し掛けて来る。
「10万ドルを払うから、ある条件に合う乗客を探してほしい」と。


10万ドルを受け取ってしまったマイケルは、
ミッションを遂行せざるを得なくなる。


その条件とは、
・常連客でないこと
・盗品の入ったカバンを持っている事
・コールドスプリング駅で降りる事
・プリンという名前である事・・・。





試写会で観た。


ここの所、
なかなか面白いアクション映画に
多く出演している
リーアム・ニーソン。


これも期待したのだけれど、
なんというか、
突っ込みどころが多すぎな気が(笑)。


いくらリストラされた直後で、
金銭的な不安があったとはいえ、
たった4つの条件で、
電車の中の人を探すって、
無理があるのでは。


そもそも変なのは、
条件の一つ、「常連客じゃない」(笑)。
リーアム・ニーソンは、
その電車の普段の利用客の顔を
全て知っているのか?


それから、
途中、電車の中で殺人があって、
遺体がある場所に隠されていたのも
ビックリ。
あんなところに人が隠されて、
さらにその遺体のポケットにあった
ケータイが鳴っちゃって、
リーアム・ニーソンが気付くって、
都合良すぎじゃない?(笑)


大体、たった一人の人を探すのに、
なぜリーアム・ニーソンを利用しなくちゃならないのか。
そんなもん、
殺そうと思えば
すぐ探し出して殺せると思うけど。


まぁ、いいや(笑)。
ラスト近くの、
電車の脱線のシーンが、
ちょっと迫力あって、
見入ってしまったし。


しっかし、今の世の中、
あんな脱線事故があったら、
誰かが絶対スマホで撮影して、
3分後には、
全世界にその映像が駆け回っているでしょうね。
テレビのニュースより、
よほど早く。


評価 ★★★☆☆

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「ロミュアルドとジュリエット」 [映画]

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〔1989年/フランス〕


大手乳製品会社の社長・ロミュアルド(ダニエル・オートゥイユ)は、
重役2人に裏切られ、
製品の中に大腸菌を混入されてしまう。
当然、食中毒が発生し、
ロミュアルドは危うい立場に立たされる。


そんな中、ロミュアルドの会社で掃除婦の仕事をしている
黒人女性・ジュリエット(フィルミール・リシャール)は、
重役が怪しい内容のメモを捨てた事が気になり、
それを持ち帰る。


重役の陰謀に気付いたジュリエットは、
ロミュアルドにその事を告げ、
彼を自分のアパートに匿う事にする。


ジュリエットのアパートには、
父親の違う5人の子供がおり、
大変な賑やかさ。
そんな環境の中、
ロミュアルドは自分の無実を証明するため、
策を練る。


ジュリエットの協力もあり、
嫌疑が晴れたロミュアルド。
いつしか彼は、
自分がジュリエットに恋心を抱いている事に気付き・・・。





女性監督・コリーヌ・セローの映画は、
どれも一定の面白さがあると思っていたけれど、
これも悪くなかった。


私は、観る前は、
タイトル通り、
白人男性と黒人女性がロミオとジュリエットのように
コテコテの恋愛をするのかと思っていたけれど、
恋愛より、企業の陰謀がメインの
軽いサスペンス風味の内容で、
結構楽しめる。


食品会社というのは、
本当に大変なのだなぁと、
分かってはいたけれど、あらためて実感。


冒頭、この会社では、
生産を上げるため、
一日に何時間もかけて行っていた、
タンクの清掃を省略するよう、
現場に通達される。
これって、日本でもよくあるニュースだ。


さらに、故意に、
何らかの菌や毒物を入れられたりしたら、
それはもう、犯罪というよりテロと言った方がいいくらい。
考えただけで恐ろしい。


そんな陰謀に気付く
フィルミール・リシャール演じるジュリエットがいい。
彼女は黒人というだけで、
掃除婦の立場に甘んじているけれど、
本当はとても頭のいい女性だ。
きちんと教育を受ければ、
かなりの所まで伸びる人だと思う。


父親の違う子を5人も生んで、
だらしない女なのかと思ったけれど、
5人の男たちともいまだに仲良く、
年に1度、11人でパーティをするという。
なんとも豪快で、
肝っ玉母さんで、
それでいて、可愛い女。


さすが女性監督だけあって、
女が好みそうな女を分かっているのかもしれないな。


評価 ★★★★☆

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「あるセックス・ドクターの記録」 [映画]

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〔1968年/日本〕


泌尿器科の医師・根岸(船越英二)は、
夏休みに行ったキャンプ場で、
大怪我をした少年の診察を頼まれる。
出血多量の少年に輸血するため、
キャンプに来ていた男女5人から血液の提供を受ける。


数か月後、元気になった少年が、
両親に連れられて挨拶に来るが、
少年の皮膚のできものを見て、
根岸は驚く。
それは明らかに、梅毒の症状だったからだ。


血液を提供した5人の中に、梅毒患者がいたとしか思えない。
根岸は責任を感じ、
一人一人を訪ね歩き、
血液検査をすることにした。


金持ちの令嬢、
サラリーマン、
新興宗教の教祖、
ストリッパー、
タクシー会社の社長・・・
一体誰が梅毒に罹っているのか・・・。





タイトルはセンセーショナルだけれど、
内容は至って真面目。
エロシーンはゼロではないけど、
ほんの少し。


せっかくの良い映画なのに、
このタイトルで
損してるのか、得してるのか。


公開当時、エロを期待して劇場に行く客は
取り込めたかもしれないけど、
デートで映画を観ようと思った人や、
女性客などからは敬遠されたかも。
ちょっと勿体ないな。


梅毒の疑いがある5人の人を、
船越英二さんが訪ね歩くという内容なのだけれど、


この人は絶対違うでしょ、という人が陽性だったり、
こやつは怪しい、という人が陰性だったりして、
中々面白い。


それぞれの人が、
色々な事情を抱えていて、
船越さんが検査した事をきっかけに、
幸せな方向に向かったり、
ちょっと泣かされるエピソードがあったり。


船越さんが、
梅毒検査を勧めた時の、
皆の反応の違いも面白く、
(進んで検査を受ける人、「失礼な」と激怒する人など)
私だったらどうするかな、と考える。


自分は絶対違う、という自信があるから(多分(笑))、
別に怒ったりもせず、
疑いが晴れるなら、という思いで、
検査を受けるだろうなぁ。
そういう事情なら、
別に失礼だとも思わないし。


それから、劇中、
梅毒は、
罹患している人が口を付けた食器を
口にするだけで伝染るし、
おしぼりからも、
銭湯でも、感染すると言っていた。
本当なんだろうか。


・・・と、ここまで書いて、
ウィキペディアで調べてみたら、
物を介しての感染はないと書かれている。


ホッとした。
そんな事で感染するとしたら、
気になって日常生活が送れない。


もちろん、病気は梅毒だけではないので、
回し飲みなどはしない方がいいのかなと
少し思ったりもしたけれど。


評価 ★★★☆☆

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「ある関係」 [映画]

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〔1962年/日本〕


西村貢(船越英二)と佳由子(淡島千景)は、
傍目にはそれなりに仲の良い夫婦だが、
実は貢は、
佳由子の従妹の房子(三木裕子)と
深い関係にある。


貢と房子の仲に
全く気付いていない佳由子は、
貢の帰宅が遅いのは、
付き合い麻雀だと信じ切っているし、
房子には縁談を勧めたりする。


貢に狂おしいまでの情熱を持つ房子は、
佳由子に激しい嫉妬心を燃やし、
佳由子の歯磨き粉に、
密かに青酸カリを仕込んだ。


貢も、房子と一緒になりたい一心から、
チョコレートに青酸カリを仕込み、
佳由子に渡した。


歯磨き粉とチョコレート。
佳由子は、この二つを鞄に入れ、
同窓会に出席するため、
熱海に旅立つが・・・。





なんて素晴らしい。
面白過ぎる。


こんなにドロドロしたストーリーなのに、
コメディタッチで、
劇場内は笑い声が絶えず、
私も、クスクス笑いが止まらない。


そこまでこの映画を面白くしている、
一番の功労者は、
やっぱり船越英二さん。
船越さんの持つ、飄々とした雰囲気が、
重くなりそうなこの内容を、
笑いに変えてしまう。


妻の従妹に手を出し、
毎晩のように、連れ込み宿で逢い引きする船越さん。
そんな背徳な行為をしておきながら、
彼からは罪の意識は殆ど見られず、
ちょっと何を考えているのか
分からない部分がある。


同じ大映映画でも、
これを田宮二郎さんが演じていたら、
全く違う作品になっていただろう。
船越英二、侮れない。


淡島千景さんもいいわぁ。
気が付いていないとは言え、
可愛がっている従妹が
実は夫と出来上がっているなんて、
その表情は、
淋し気に見える。


そう、淋しいよね。
人生に苦悩は付きものだ、
色んな意味で。


そしてやっぱりストーリー。


途中から、
えー!?そう来るのー!?という展開になり、
さらに、次なる展開があり、
また、さらに。
とにかく、面白くて面白くて、
ひゃーって(笑)。


原作は佐野洋さん。
あまりの面白さに、
図書館に予約を入れちゃった(笑)。


評価 ★★★★★

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「絵の中のぼくの村」 [映画]

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〔1996年/日本〕


双子の絵本作家、田島征彦と田島征三は、
幼い頃の思い出を
合作で絵本にするため、
久し振りに会った。
少年時代の、あのキラキラした、
楽しかった日々を・・・。


昭和23年。
征彦と征三は、
高知県の田舎町で暮らしていた。


父は高知市内で仕事をしていて、
めったに帰って来ず、
教師の母と、姉の4人で過ごす日々。


悪戯ざかりの2人は、
畑を荒らしたり、
級友の靴を投げたりして、
その度に、
母は謝って歩いている。


そんなある日、
転校生・センジがやってきた。
ボロを着たセンジと双子は、
ウマが合うが、
大人たちは、なぜかセンジに冷たく・・・。





一人高知県映画祭5本目。


実在する双子の絵本作家、
田島征彦さんと、征三さんが描いた絵本、
高知での少年時代の物語を映画化した作品。


映画の冒頭、
田島さん兄弟ご自身が登場される。


先日書いた、「四万十川」と同じように、

http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2018-03-07
少年が主人公の物語ではあるけれど、


「四万十川」よりずっとコミカルで、
楽しく観られる。
ファンタジーの要素もあるのだけれど、
私は、そこはあまり重要には思えず、
普通に、
双子の少年たちの成長物語として観た。


自然が豊かで、
その中で、子供たちが生き生きと遊んでいて、
楽しそうだ。
川遊びの場面など、
とってもいい。


ちょっと面白く思ったのは、
原田美枝子さん演じる、
双子の母親・瑞枝。


彼女は、小学校の教師で、
なんと、
双子の担任をしている。


小さな分校という感じでもなし、
何も親が子供の担任をしなくても、と思うけれど、
昭和20年代の頃は、
そんな事も、
あまり問題にしなかったのだろうか。


瑞枝は、展覧会に出品する絵に
征彦と征三の絵を選んで、
贔屓だと軽く騒動になったりもする。
出品された絵は、
賞を取るのでホッとするけれど、
やっぱり、母親が子供の担任なんて、
色々面倒くさい事を言われやすいよね。


この瑞枝さんの子育ても、
なかなかユニーク。
当時からすると、
考えの新しい母親だったんじゃないのかな。


これで、一人高知県映画祭は終わりです。
探せばもっと、
高知県を舞台にした映画はありそうだけど、
キリがないので。


高知の映画、といえば、
今まで観た5本の映画とは別に、
宮尾登美子先生原作の作品があるのですが、
それはなんだか「別枠」という気がしたので、
今回は入れませんでした。
また別の機会に観てみます。


四国の中で、
なぜか高知県は映画の舞台になりやすいようで、
ネットで、徳島県出身だというかたが、
羨ましいと書かれているのを見かけたりもしました。


そう言われると、確かに不思議な気もしますが、
激しくて、一途な県民性が、
映画になりやすいのかもしれません。


評価 ★★★☆☆

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