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「新妻の性典」 [映画]

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〔1950年/日本〕


無事、結婚式を終え、
熱海へ新婚旅行に旅立った、
佐田啓二と、月丘夢路。
ところが、旅先で、
月丘が、非処女である事を打ち明けたせいで、
佐田はショックを受け、
一人で東京に帰ってしまう。


一方、佐田の友人・宇佐美淳も悩んでいた。
結婚して3か月になろうというのに、
妻・折原哲子は、
寝室を共にしようとはせず、
宇佐美が迫ると、
「不潔」だと罵るのだ。


宇佐美は、
佐田と月丘の仲裁をしようとするのだが、
佐田は決して月丘を許さず、
月丘は、佐田の事は諦めたと、
バー勤めをはじめる。


宇佐美は、月丘を可哀想に思い、
一緒にバレエなどを観にいくうちに、
次第に彼女に惹かれてゆく。


すると、それを知った折原は、
怒って実家に帰ってしまい・・・。





センセーショナルなタイトルだけれど、
内容は、とても真面目。


真剣に観ている自分と、
どこか茶化しながら観ている自分とがいて、
なんだかおかしい。


「時代が違う」というのは、
分かっちゃいるけど、
それにしても、この時代、
女の純潔に、ここまで拘ったのかと思うと、
気の毒なような、滑稽なような。


にしてもだよ。


私が一番解せないのは、
折原哲子。


この人は、清らかでいたいだか何だか、
わけの分からない理由で、
男女が一緒に住んでいて、
一番重要(なのか?(笑))な事を拒んでいる。


そのくせ、
夫に対して、信じられないくらい尊大で、
「申し訳ない」などという様子は
1ミリも見られない。


自分は妻としての役目を果たしていないのに、
夫が他の女に惹かれると怒るって、
どういう事?


さらに、女学校時代の友人だった
月丘夢路の事を、
「汚れた女」だとか、
「あの人は、そういう人」だとか、
まるで自分の方が、
人間として立派みたいな物言い。
どうしてそこまで、エラソーになれるのか。


それから、
月丘さんが、非処女だったことを、
佐田啓二が宇佐美淳に喋り、
宇佐美淳が折原哲子に喋り、
折原哲子が実家に行って喋りと、
短期間に、友人知人がみんな知っているという事態になるのが
酷すぎる。


あー、やだやだ。
なんでこうもデリカシーがないのか。
なんでこうも無神経なのか。
私も気を付けないと。


最後は、大団円。
無理矢理まとめたわけではなく、
月丘さんの苦しみを、
折原哲子が理解する流れが、
とっても自然で、納得がいく。


なかなかいい映画だった。


評価 ★★★★☆

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