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「ある関係」 [映画]

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〔1962年/日本〕


西村貢(船越英二)と佳由子(淡島千景)は、
傍目にはそれなりに仲の良い夫婦だが、
実は貢は、
佳由子の従妹の房子(三木裕子)と
深い関係にある。


貢と房子の仲に
全く気付いていない佳由子は、
貢の帰宅が遅いのは、
付き合い麻雀だと信じ切っているし、
房子には縁談を勧めたりする。


貢に狂おしいまでの情熱を持つ房子は、
佳由子に激しい嫉妬心を燃やし、
佳由子の歯磨き粉に、
密かに青酸カリを仕込んだ。


貢も、房子と一緒になりたい一心から、
チョコレートに青酸カリを仕込み、
佳由子に渡した。


歯磨き粉とチョコレート。
佳由子は、この二つを鞄に入れ、
同窓会に出席するため、
熱海に旅立つが・・・。





なんて素晴らしい。
面白過ぎる。


こんなにドロドロしたストーリーなのに、
コメディタッチで、
劇場内は笑い声が絶えず、
私も、クスクス笑いが止まらない。


そこまでこの映画を面白くしている、
一番の功労者は、
やっぱり船越英二さん。
船越さんの持つ、飄々とした雰囲気が、
重くなりそうなこの内容を、
笑いに変えてしまう。


妻の従妹に手を出し、
毎晩のように、連れ込み宿で逢い引きする船越さん。
そんな背徳な行為をしておきながら、
彼からは罪の意識は殆ど見られず、
ちょっと何を考えているのか
分からない部分がある。


同じ大映映画でも、
これを田宮二郎さんが演じていたら、
全く違う作品になっていただろう。
船越英二、侮れない。


淡島千景さんもいいわぁ。
気が付いていないとは言え、
可愛がっている従妹が
実は夫と出来上がっているなんて、
その表情は、
淋し気に見える。


そう、淋しいよね。
人生に苦悩は付きものだ、
色んな意味で。


そしてやっぱりストーリー。


途中から、
えー!?そう来るのー!?という展開になり、
さらに、次なる展開があり、
また、さらに。
とにかく、面白くて面白くて、
ひゃーって(笑)。


原作は佐野洋さん。
あまりの面白さに、
図書館に予約を入れちゃった(笑)。


評価 ★★★★★

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