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「四万十川」 [映画]

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〔1991年/日本〕


四万十川の川岸で、
小さな食料品店を営む山本家。
主の秀男(小林薫)は出稼ぎに行っており、
店は妻のスエ(樋口可南子)が
切り盛りしている。


ある日、秀男が出稼ぎ先で、
大怪我をしたと連絡が入る。
そのせいで、
中学三年生の長女・朝子は、
決まっていた就職を断り、
家事と、4人の弟妹たちの面倒をみるため、
家に残る事になった。


次男の篤義は小学三年生。
心は優しいが、
気が弱いせいで、
クラスメイトの千代子がいじめられているのを
庇う事ができず、
そんな自分を嫌悪している。


秀男の足が良くなり、
入院先から戻ってきたのを機に、
朝子が就職のため、家を出た。


篤義は、朝子が大好きなのに、
数日前、喧嘩をしたせいで、
意地を張って見送りに行かず・・・。





先月の高知旅行が
とても楽しく、
いい思い出になったので、
この機会に
高知を舞台にした映画を観てみようと思い、
何本か借りてきた。


最初の1本は、この「四万十川」。
あの清流を目の当たりにし、
美しさに感動したので、
 ↓
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2018-02-16
映画で、
川の流域で暮らす人々がどのように描かれているのか、
とても楽しみだった。


ただ、観終わった感想は、といえば、
うーん・・・って感じかなぁ。


何しろ、楽しい事が何も起こらない。
これではまるで、
「四万十川の流域に住んでいる人は、
これだけ大変なんですよ、
いい事なんて一つもないんですよ」
と言っているみたいだ。


主人公は、山本家の次男・篤義といっていいのだけれど、


学校では、理不尽ないじめが横行し、
教師は、
弱い者の説明を全く聞こうとせず、
殴ったりする。


いじめられていた千代子は転校し、
仲の良かった太一も転校し、
大好きだった姉も家を出る。
篤義の大切な人は、
なぜか、皆いなくなる。


出稼ぎに行った父親は怪我をし、
臨時雇いだからと、補償金も出ず、


挙句の果てに、
台風がやって来て、
家はつぶれ、
今後、どうしようか、って。
一体どんだけ災難がやって来るんだ。


私は綺麗事は嫌いだけど、
もう少し、ホッとできるエピソードがあったらなぁと
ちょっと残念。
これでは、篤義の成長物語という感じさえしない。


四万十川の映像には満足。
27年前の映画だというのに、
川の色も、水量も、
周囲の風景も、
私が見たのと、まるで変っていない事に驚く。
勝手な言い分かもしれないけど、
ああいった自然は、
永遠にそのままの形で残っていてほしいなぁ。


評価 ★★★☆☆

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