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「バケツと僕!」 [映画]

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〔2018年/日本〕


神島大吾(紘毅)は、
念願だった児童養護施設で働くことになった。
ここは、親から捨てられたり、
虐待を受けた子供が暮らしている。


大吾が担当する児童のグループに、
軽い知的障害のある、
15歳の和人(徳永ゆうき)・通称バケツがいた。


バケツは素直な性格なのだが、
盗癖があり、
職員の山崎(杉田かおる)は、
体罰でそれを直そうとしている。


バケツは一旦は姉に引き取られるが、
姉の結婚により、
行き場を失ってしまう。
大吾は、バケツを引き取り、
一緒に暮らし始めるが・・・。





試写会で観た。


映画に感動する、というのと、
現実問題それは駄目だろう、というのは、
全く別物だと、
これを観ていて思う。


そりゃあ、口当たりはいい。


軽い知的障害のある少年を、
職員の大吾が、
施設を辞めてまで引き取るなんて、
上っ面だけ観て、
「感動した」と言うのは簡単。


でも、実際、
自分の家族や友人がそんな事をしたら、
「良い事したね」なんて
言えるんだろうか。
「大丈夫なの?」と心配するのが普通なんじゃないだろうか。


今はいい。
でも、将来、
大吾が結婚したいと思う相手に
巡り合ったらどうするの?
大吾が何かの理由で働けなくなったら?
経済的に行き詰まったら?


その時になって、バケツを放り出すのは
無責任すぎる。
それなら、最初から行政の手に委ねる方が、
まだバケツの為になるのではないのか。


もちろん、映画はそれだけではない。
考えさせられる部分多数。


幼いバケツに激しい虐待を加えていた母親。
バケツを浴槽に入れ、
蓋を閉め、
熱湯を浴びせ、
食事はコンビニのおにぎり1個。


バケツの姉の一人は、
義理の父から、
性的虐待を受けたと言う。


母は子供たちを捨て、
蒸発するが、
結局、ホームレスとなり、
路上で死ぬ。


一体どうすりゃいいの。
答えなんかあるはずもなく。


評価 ★★★☆☆

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