SSブログ

「四月の永い夢」 [映画]

4gatsunonagaiyume.jpg
〔2018年/日本〕


現在、蕎麦屋でバイトをしている初海(朝倉あき)は、
恋人を亡くし、
教師を辞めた過去がある。


ところが店主の忍(高橋由美子)が、
店を閉めると宣言したため、
初海は無職の危機に。


大学時代の友人・朋子が、
初海を自分の働く学校に推薦してくれるが、
教師に戻っていいのか迷う初海は、
返事は保留のまま。


店によく来る、
染物工場で働く志熊(三浦貴大)が、
初海に仄かな恋心を抱いており、
次第に親しくなってゆく。


そんなある日、
初海はかつての教え子・楓と再会し・・・。





試写会で観た。


ゆったりと時間が流れるような、
静かな映画。


それは、
主人公の初海を演じる朝倉あきさんの
雰囲気のおかげなのかもしれない。


初海は、物事に白黒付けるというような、
ハッキリした事をしない。
少なくとも、
自分の人生については。


いつも、何か迷っているように、
先に進む事をせず、
「まだいい」と
思っているように見受けられる。


それは、3年前に恋人を亡くした事と
関係があるんだろうけど、
案の定、
恋人の実家を訪ねた時、
自分が隠していた、ある事実を、
恋人の母に告白する。


初海はその事を、とても気にしているようだけれど、
私のようにいい年になると、
そんな事は、本当に些細な事、本当にどうでもいい事だと
思える。
それもこれも、運命。
彼はきっと感謝している。
そして先に進んでほしいと、きっと願っているよと
エラソーだけど、言ってあげたくなる。


初海は静かな女性だけど、
一箇所、とても激しい場面があった。


それは、
教え子の楓が、同棲相手から暴力を振るわれていると
知った時、
部屋に駆け付け、
男に立ち向かっていったシーン。


それこそ、私にはできない事だわ。
怖いし、
逆恨みを考えると、
多分、心配はしても、
行動には移せない。


相手役の三浦貴大さんも良かった。


朴訥で真面目で、
初海に恋する青年の役が
上手くハマっていた。


静かな気持ちになりたいとき、
観るといいかも。


評価 ★★★☆☆

nice!(55)  コメント(6) 
共通テーマ:映画