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「ベルリン・シンドローム」 [映画]

BerlinSyndrome.jpg
〔2017年/オーストラリア〕


オーストラリア人のクレアは、
ドイツで一人旅をしている途中、
交差点で男に声を掛けられる。


誠実そうなその男は、
アンディと名乗り、
その日は、ベルリン市内を案内してくれる。


翌日、偶然アンディと再会したクレアは、
彼のアパートに行き、
一夜を共にする。


翌日、英語教師のアンディは学校に出掛け、
一人部屋に残ったクレアは、
外出しようとしたが、
外から鍵が掛かっていて、ドアが開かない。


はじめは、アンディがカギを渡し忘れたのだと
思ったのだが・・・。





試写会で観た。


初めてこのポスターを見た時、
背中がゾッとして、
そして、とても興味を持った。
オーストラリアの女の子・クレアが、
旅先のドイツで知り合った男・アンディに、
監禁されてしまう物語。


とにかく緊張感でいっぱいで、
体に力が入ってしまう。


最初はそれほど深刻ではなく、
アンディがノーマルな男なら、
可愛い恋物語にも成り得るお話しだ。


優しくて、ルックスも悪くない、
誠実そうな男。
もしかして、これって運命の恋?
みたいな浮かれた気分が、
クレアの中に無かったと言ったら、
嘘になろう。


けれど、彼は異常者だった。
女の全てを自分のものにしないと
気が済まない男。
決して酷い暴力を振るうとか、
そういった事はないのだけれど、
お人形のように、家に置いておきたいらしい。


クレアの手足をベッドに縛りつける場面もあるけど、
知らない人が見たら、
そういったプレイに見えない事もない。
それに、普段のクレアは、
マンションの部屋の中だけは、
普通に歩き回れる。
ただ、外に出られない、というだけで。


もちろん彼女だって、
泣いているだけではない。


何度も何度も、
様々な方法で外に出ようと試みる。
けれど、
アンディの方が上手なのよ。
彼は、監禁の常習犯らしく・・・。


これは、
一番悪いのはアンディだけど、
やっぱり、旅先で、
知らない男の部屋に付いていった
クレアも、駄目だと思う。


もちろん、そういった出会いで、
幸せになったカップルも沢山いるだろうから、
一概には言えないんだろうけど、
やっぱりそれは危険な事だ。


ただ、これ、本気の本気で
逃げ出そうと思ったら、
究極の方法があると思う。


マンションには普通にキッチンがあって、
アンディはお料理をしているのだから、
刃物はある。
一度、手を狙った場面はあるけど、
手ではなく、
別の部分を・・・って、駄目かな。


評価 ★★★★☆

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シャンシャン。 [できごと]

3月某日。
ついに上野動物園で、
シャンシャンを見ることができました。


ミーハーなお話しで申し訳ないのですが、
友人と私は、
シャンシャン大好き、
あの子がもう、可愛くって可愛くって、
2人で、
「この動画見た?」などと、
YouTubeのアドレスを教え合っては喜んでいる、
馬鹿者同士で(笑)。


パンダなんて、どの子も同じと
思われるでしょうが、
人間に美醜があるように、
シャンシャンは特別可愛い顔をしてらっしゃる、
と思うのは親の欲目か。
(親ではないが(笑))。


早く、この目で本物を見たいと思いつつ、
友人と中々休みが合わず、
先日やっと、出掛けられたというわけで。


列に並び、わくわくしながら、
パンダ舎の前に行くと・・・

IMG_3692.JPG


あはははははは~。


シャンシャン、木の上でお昼寝。
そして、シンシンもお昼寝。


凄いよ、この2人。
こんなシュールな光景を見せてくれるなんて、
やっぱりタダ者じゃない。


シャンシャンのお顔は見えなかったけど、
この光景に、なんか満足(笑)。
楽しい一日でした。


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「新妻の性典」 [映画]

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〔1950年/日本〕


無事、結婚式を終え、
熱海へ新婚旅行に旅立った、
佐田啓二と、月丘夢路。
ところが、旅先で、
月丘が、非処女である事を打ち明けたせいで、
佐田はショックを受け、
一人で東京に帰ってしまう。


一方、佐田の友人・宇佐美淳も悩んでいた。
結婚して3か月になろうというのに、
妻・折原哲子は、
寝室を共にしようとはせず、
宇佐美が迫ると、
「不潔」だと罵るのだ。


宇佐美は、
佐田と月丘の仲裁をしようとするのだが、
佐田は決して月丘を許さず、
月丘は、佐田の事は諦めたと、
バー勤めをはじめる。


宇佐美は、月丘を可哀想に思い、
一緒にバレエなどを観にいくうちに、
次第に彼女に惹かれてゆく。


すると、それを知った折原は、
怒って実家に帰ってしまい・・・。





センセーショナルなタイトルだけれど、
内容は、とても真面目。


真剣に観ている自分と、
どこか茶化しながら観ている自分とがいて、
なんだかおかしい。


「時代が違う」というのは、
分かっちゃいるけど、
それにしても、この時代、
女の純潔に、ここまで拘ったのかと思うと、
気の毒なような、滑稽なような。


にしてもだよ。


私が一番解せないのは、
折原哲子。


この人は、清らかでいたいだか何だか、
わけの分からない理由で、
男女が一緒に住んでいて、
一番重要(なのか?(笑))な事を拒んでいる。


そのくせ、
夫に対して、信じられないくらい尊大で、
「申し訳ない」などという様子は
1ミリも見られない。


自分は妻としての役目を果たしていないのに、
夫が他の女に惹かれると怒るって、
どういう事?


さらに、女学校時代の友人だった
月丘夢路の事を、
「汚れた女」だとか、
「あの人は、そういう人」だとか、
まるで自分の方が、
人間として立派みたいな物言い。
どうしてそこまで、エラソーになれるのか。


それから、
月丘さんが、非処女だったことを、
佐田啓二が宇佐美淳に喋り、
宇佐美淳が折原哲子に喋り、
折原哲子が実家に行って喋りと、
短期間に、友人知人がみんな知っているという事態になるのが
酷すぎる。


あー、やだやだ。
なんでこうもデリカシーがないのか。
なんでこうも無神経なのか。
私も気を付けないと。


最後は、大団円。
無理矢理まとめたわけではなく、
月丘さんの苦しみを、
折原哲子が理解する流れが、
とっても自然で、納得がいく。


なかなかいい映画だった。


評価 ★★★★☆

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「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」 [映画]

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〔2017年/アメリカ〕


ある高校で、男子2人女子2人が、
居残りをさせられ、
地下室の片付けを命じられる。


すると、そこにあったのが、
古いテレビと、ゲームソフト。
片付けなんかしてられっか、ってんで、
スイッチを入れて、ゲーム開始。


参加者が、それぞれ自分のキャラを選ぶと、
なんと、全員がゲームの世界へ吸い込まれてしまう。


行った先は、深いジャングル。
元の世界に帰るには、
いくつかあるステージを全クリしなければならない。


しかも、各人に与えられたライフは3つ。
かくして4人はジャングルを進んでゆくが・・・。





試写会で観た。


以前、「ダンケルク」の試写会で、
IMAXで観られてラッキーだったと書いた記憶があるけれど、
今回はさらに上をゆく、
「IMAX」+「3D」で観させていただいた。
ありがたい事です。


大好きな「ジュマンジ」。
映画も、原作の絵本も、とってもいい。
映画日記を読むと、
オリジナルを観たのは、
1996年3月22日。
あの頃は、3Dはなかったけれど、
「最高に面白い!
 CGがなければ出来なかった映画」と書いてある。


あれから、22年。
アナログなボードゲームだった「ジュマンジ」が、
テレビゲームで戻ってくるという噂を聞いて、
一体どんな風になるのかと、
心配な気持ちでいたのだけれど、


「ジュマンジ」の不思議(不気味?(笑))なパワーは、
私の心配なんか余計なお世話とばかりに、
ちゃんと辻褄が合うような、
ストーリーになっていた。


4人の高校生が、
ジュマンジが用意したジャングルに入って、
冒険するわけだけれど、


高校生が本人の姿形でいるわけでなく、
選択したキャラになる、というのが、受けた(笑)。


ヘタレだった男の子は、マッチョに。
ジャイアンだった黒人の男の子は、小柄に。
自分に自信がなかった女の子は、美人に。
スマホ命のギャルは、オッサンに、
といった具合に。


そして、4人以外に、
重要なのが、
なぜか、既にジャングルにいた、
アレックスという高校生。


4人がジュマンジの世界に入り込む前に、
色々エピソードがあるわけだけど、
それがアレックスの登場で、
「なるほど、そう繋がるわけか」と
納得できて、
そこがまた、面白い。


5人で、危機を乗り越えていく様子に
ハラハラさせられて、
観終わった時は、
ヘトヘトに(笑)。


この映画、アメリカでは、
公開3週目に、
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を抜いて1位に
なったのだそうだ。


やっぱり、みんな「ジュマンジ」が大好きなのね。


評価 ★★★★☆

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「バケツと僕!」 [映画]

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〔2018年/日本〕


神島大吾(紘毅)は、
念願だった児童養護施設で働くことになった。
ここは、親から捨てられたり、
虐待を受けた子供が暮らしている。


大吾が担当する児童のグループに、
軽い知的障害のある、
15歳の和人(徳永ゆうき)・通称バケツがいた。


バケツは素直な性格なのだが、
盗癖があり、
職員の山崎(杉田かおる)は、
体罰でそれを直そうとしている。


バケツは一旦は姉に引き取られるが、
姉の結婚により、
行き場を失ってしまう。
大吾は、バケツを引き取り、
一緒に暮らし始めるが・・・。





試写会で観た。


映画に感動する、というのと、
現実問題それは駄目だろう、というのは、
全く別物だと、
これを観ていて思う。


そりゃあ、口当たりはいい。


軽い知的障害のある少年を、
職員の大吾が、
施設を辞めてまで引き取るなんて、
上っ面だけ観て、
「感動した」と言うのは簡単。


でも、実際、
自分の家族や友人がそんな事をしたら、
「良い事したね」なんて
言えるんだろうか。
「大丈夫なの?」と心配するのが普通なんじゃないだろうか。


今はいい。
でも、将来、
大吾が結婚したいと思う相手に
巡り合ったらどうするの?
大吾が何かの理由で働けなくなったら?
経済的に行き詰まったら?


その時になって、バケツを放り出すのは
無責任すぎる。
それなら、最初から行政の手に委ねる方が、
まだバケツの為になるのではないのか。


もちろん、映画はそれだけではない。
考えさせられる部分多数。


幼いバケツに激しい虐待を加えていた母親。
バケツを浴槽に入れ、
蓋を閉め、
熱湯を浴びせ、
食事はコンビニのおにぎり1個。


バケツの姉の一人は、
義理の父から、
性的虐待を受けたと言う。


母は子供たちを捨て、
蒸発するが、
結局、ホームレスとなり、
路上で死ぬ。


一体どうすりゃいいの。
答えなんかあるはずもなく。


評価 ★★★☆☆

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