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「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」 [映画]

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〔2013年/アメリカ〕


デトロイトのカリスマロック歌手・アダム(トム・ヒドルストン)は、
実は、何世紀もの時間を生きるヴァンパイア。


血を欲した時は、
ある病院を訪ね、高額を払って分けてもらう生活。


一方、モロッコのタンジールで暮らす、
同じくヴァンパイアのイブ(ティルダ・スウィントン)。
彼女はアダムの恋人で、
彼に会いに行こうと思い立つ。


久し振りの逢瀬。
二人は愛し合い、ドライブし、
様々な事を語り合う。
ところが、思わぬ邪魔が入った。
ロスに住むイブの妹・エヴァ(ミア・ワシコウスカ)が、
突然訪ねて来たのだ・・・。





ジム・ジャームッシュ監督が描くヴァンパイア。


太陽の下には出られない彼らだからして、
物語は当然、夜の場面のみ。
お部屋の中も薄暗く、
独特の雰囲気が最後まで続く。


永遠を生き続けると言われるヴァンパイアは、
時間の感覚も私たちとは全く違うらしい。


アダムとイブがエヴァに会うのは、
87年ぶりだと言う。
女の平均寿命より長い間会っていない彼らなのに、
まるで2~3年しか経っていないような物言い。


実年齢だと、
トム・ヒドルストンは32歳、
ティルダ・スウィントン53歳。
こんな2人が恋人同士なら、
人間界では話題になりそうだけれど、
彼らはそんな事、考えもしていなさそう。
永遠の時に比べたら、21歳の年の差なんて、
無いに等しいわ(笑)。


可笑しいのは、ヴァンパイアの彼らが、
飛行機に乗る場面。
ヴァンパイアの特性はよく分からないけど、
勝手に、神出鬼没というか、時空を超えるというか、
そんなイメージを持っていたから、
飛行機に乗るというギャップに笑えて。
デトロイトとタンジール間の移動は、
さすがにバンパイアでも自力では無理なのか(笑)。


彼らはケータイも駆使している。
以心伝心は無理らしい。


雰囲気を楽しまず、
そんな事ばかり考えてしまう私に、
この映画を観る資格はないと思われる(笑)。


それから、
前にも書いた気がするけど、
永遠の命って、考えただけで気が狂いそう。
もし誰かに、永遠を授けると言われたとしても、
私は絶対に断る。
朽ちる事も、灰になる事もできずに、
この世を彷徨うなんて、
私には恐怖以外の何ものでもないわ。


ただ、考えてみると、
ヴァンパイアの方が人間より、
死ぬのは簡単な気がする。
日中、太陽の下に飛び出せば、
それで終われるのだもの。


評価 ★★★☆☆