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「危険な関係」 [映画]

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〔2012年/中国〕


1931年、上海。
大富豪にして漁色家のチャン・ドンゴンは、
いつも女とのいざこざが絶えない。


一方、女実業家・セシリア・チャンは、
自分を捨て、16歳の少女・ベイベイとの結婚を決めた男に、
なんとか仕返ししたいと、復讐心に燃えていた。


セシリアはドンゴンに、
ベイベイの処女を奪ってほしいと持ち掛ける。
しかしドンゴンは、
赤子の手を捻るような簡単な女を落とすのは面白くないと、
その依頼を断る。


それより、ドンゴンは未亡人・チャン・ツィイーをなんとか自分のものにしたいと
熱望しているのだ。
ツィイーは、亡くなった夫を今でも深く愛する貞女で、
他の男が入り込む心の隙は微塵もないのだ。
落とすのが難しいと言われる女ほど燃えるではないか。


ドンゴンとセシリアは、ツィイーを落とせるかどうか、
賭けをする。
さらに、ベイベイの母親から馬鹿にされたドンゴンは、
一度は断ったベイベイの処女もいただいてしまう事に決める・・・。





フランスの作家・コデルロス・ド・ラクロの「危険な関係」は、
今まで、何度も映画化されてきた。


私が観ただけでも、
ジェラール・フィリップの「危険な関係」
ジョン・マルコビッチの「危険な関係」
コリン・ファースの「恋の掟」
ライアン・フィリップの「クルーエル・インテンションズ」
ぺ・ヨンジュンの「スキャンダル」


設定も、
現代フランスやら、
原作通りの宮廷を舞台にしたものやら、
ニューヨークの若者やら、
韓国の宮中やらと、多種多様。


他にも、
シルビア・クリステルが主演したものや、
日活ロマンポルノ(!)まであるらしい。


この文学の何がそんなに、
人々を惹きつけるのか。
やっぱり、男女の恋の駆け引き、
エロティックな味付け、
そして、いつの時代に当てはめても
物語が作れるというのが魅力なんだろうか。


で、今回、新しく上海を舞台にした「危険な関係」を
観たわけだけれども、
なかなか面白かった。


チャン・ドンゴンが、女ったらしの主人公役に
ピッタリはまっている。
いつも薄笑いを浮かべ、
女をゲームの対象としか考えていない、その様子。
完全に主人公になりきっている。


そんな彼が本気の愛に目覚めた時どうなるのか、
物語は、プレイボーイの心理の深い部分にまで触れていて、
見入ってしまう。


チャン・ツィイーの心の動きも興味深い。
亡き夫に操を立てる女も、
ドンゴンのようなハンサムに、
手練手管で迫られれば、
そりゃあ、その気になってしまうってもんだ(笑)。


でも、映画の中でドンゴンが言っていたけれど、
夫亡きあと、一生一人でいるなんて勿体なさすぎるというのは、
私も同感。
あんなに美しいんだもの、
もっともっと恋した方が人生輝くと思うのだけれど。


評価 ★★★★☆

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