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「危険なメソッド」 [映画]

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〔2011年/イギリス〕


1900年代の初め。
精神科医ユング(マイケル・ファスベンダー)は、
ザビーナ(キーラ・ナイトレー)の治療に当たる事になった。


ユングは精神分析の大家・フロイト(ヴィゴ・モーテンセン)の、
“談話療法”を取り入れ、
ザビーナとの会話の中から、
彼女が幼い事受けたトラウマを突き止める。


ユングの妻は妊娠しており、
夫婦仲も良好だったが、
しかし、ユングとザビーナは、
いつしか不倫の関係に溺れるようになる。


そんな2人の関係は、
やがて、
ユングとフロイトの関係にまで影響し、
両者の間に溝が生まれてゆく・・・。





これは疲れている時に観ては駄目だなぁ。
頭が冴え冴えとしていないと、
退屈であまり楽しめなかった。
ヴィゴ・モーテンセンは大好きだし、
マイケル・ファスベンダーもキーラ・ナイトレーも好きだし、
デヴィッド・クローネンバーグ監督も、
好きなだけに、
ちょっと勿体ない事をした気分。


キーラ・ナイトレーが、
登場シーンから凄いんだな。
何の病気なのか私には分からないんだけど、
とにかく、何かの精神疾患を抱えていて、
その病気の演技が凄くて。


もともと、極端な痩躯の彼女だから、
余計に痛々しくて、
観るに堪えない感じ。


しっかし、あのような女と、
わざわざ不倫関係に陥るものかね。
ユングには妻がいるんだし、
妻じゃなくても、女は沢山いるし、
何もあんな、面倒臭そうなのを選ばなくても(笑)。


ザビーナは幼い頃の体験から、
殴られる事に、より性的興奮を覚えるらしくて、
もう、「ぶってぶって」って。
けれど、だからといって、
それを楽しんでるって風でもなく、
そのような趣味の無い人間からしたら、
なんだかよく分からない(笑)。


これは史実にかなり近いお話らしい。
どんなに優秀な精神分析医も、
不倫の誘惑には勝てなかったという事ね(笑)。


評価 ★★★☆☆

「ザ・タウン」 [映画]

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〔2010年/アメリカ〕


ある銀行。
押し入ってきたベン・アフレックら4人の覆面強盗は、
金を奪い、
若く美しい副支店長・レベッカ・ホールを人質に、
逃走する。


ホールは運転免許証を奪われた末、
海岸で解放されるが、
目隠しをされていた為、
犯人の顔は見ていない。


彼女の免許証を見た4人は、
自分たちの住まいと彼女の住まいが、
とても近い事に驚き、
彼女の私生活を探ろうと決める。


アフレックは偶然を装い、
ホールに近付く。
実は足を洗いたいと願うアフレックは、
真面目な銀行員のホールに惹かれ、
2人は愛し合うようになってしまう。


しかし、そんなアフレックを他の3人が許すはずもなく、
アフレックは、
さらに犯罪を重ねてゆく・・・。





ベン・アフレックの役柄が、
笑えるくらい美味しい(笑)。


強盗団のメンバーでありながら、
頭が良くて、
ワルになり切れず、
いつも悩んでいて、
真っ当に生きたいと願っている・・・
うわー、カッコ良すぎ(笑)。


しかも、銀行勤務の真面目なレベッカ・ホールと、
幼馴染のあばずれシングルマザー・ブレイク・ライヴリーの
2人から愛される。
かといって、修羅場になるわけでもなく。
男としても、都合のよい展開で(笑)。


何だかいい役だなぁと思っていたら、
彼って、この映画の監督だったのね。
飛行機内で観たから、
事前に調べる事もできなかったわ(笑)。


主役はアフレックなんだろうけど、
私はブレイク・ライヴリーの気持ちが一番グッときたな。


彼女は、FBI捜査官とは知らずに、
酒場でジョン・ハムを誘惑しようとするのだけれど、
彼に娘の事を言われた途端、
キッと表情が変わって、
「娘の事は言わないで!」と涙ぐむ。


「人の本音は、
その人の子どもを例えに出すと、
上手く聞き出せる」
というのが、私の持論だが、
その場面こそ、まさにそれが表されていた。


彼女は、自分の娘が、
自分と同じような道に進む事を恐れている。
つまり、彼女自身も、
自分の現在のアバズレのような生活を、
決して良いとは思っていないという事だ。


さらに、アフレックが町を出ると知った時、
「あなたの望む(真っ当な)女になるから連れていってほしい」と
すがり付く。
あの瞬間、彼女は心底そう思っていたのが見て取れる。
本気も本気、自分を信じていたと思う。


ただ、そんな気持ちが一生続くのか、
自堕落な生活に戻ってしまうのかは、
もう、その人次第、
神のみぞ知るとしか言いようがないのだけれど。


評価 ★★★☆☆

★映画検定★ [映画検定]

先日、9月30日に、
この世の誰にも内緒で、
映画検定3級の試験を受けてみました。


最近、私の周囲では、
新しい旅立ちをした人、する予定のある人が多く、
「みんな頑張ってる。偉いな」と、
思わされる事がしょっちゅう。
私も何かしてみようと思ってみたものの、
私に有るのは、ほんの少しの映画の知識だけ。


それなら、映画検定はどうだろうと思い立ち、
受験したというわけです。


なぜ、誰にも内緒かって、
受からなかったら恥ずかしいという、
理由は、ただそれだけ(笑)。


で、先週の土曜日に合否の封書が届きました。
緊張して中を開けると、
合格通知と ↓
(60点満点で、7割以上の正解で合格です。
 一応、獲得点数は隠してあります(笑))
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カード型の認定証が出てきました ↓
eigakentei.JPG


とても嬉しかったです。
結果を知らせた友人たちも喜んでくれて、
そして面白がっておりました(笑)。


ジャンル、制作国、年代を問わず、
まんべんなく、広い範囲から出題されていて、
すぐ答えられる問題もあれば、
ものすごく迷うもの、
全く分からず、勘で答えるしかなかったものもありました。


問題用紙は持ち帰っていいので、
自宅で採点すれば、
合否はすぐ分かるのですが、
やはり試験の結果は、
通知で知るのが一つの醍醐味だと、
あえて採点はしませんでした。
(というより、早くに結果を知るのが怖くて(笑))


あんな風に筆記試験を受けるなんて、
何年振りだろうというくらい、
過去の話で、
結構緊張いたしました。


考えてみると、この結果って、
履歴書に書けるのでしょうか?
(というより、この先の人生で、
履歴書を書くような事態に陥る事の方が不安ですが(笑))。

「黄金を抱いて翔べ」 [映画]

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〔2012年/日本〕


「人間のいない場所に行きたい」
そう思いながら生きる、
裏社会の調達屋、妻夫木聡。


彼の大学時代の友人・浅野忠信は、
大阪市内にある巨大銀行に保管される、
240億円相当の金塊を盗み出す計画を立て、
妻夫木に共犯を持ちかける。


銀行は、最新のセキュリティシステムで守られており、
忍び込むのも、
盗み出すのも、
至難の業。


2人は、
システムエンジニアの桐谷健太、
元エレベーター技師の西田敏行、
元北朝鮮のスパイで爆弾魔のチャンミン、
浅野の弟の溝端淳平を仲間にし、
計画を練ってゆく。


途中、彼らの過去や私生活が次第に明らかになりながら、
当日を迎えるが・・・。





高村薫のデビュー小説だが未読。


佳境に入ってからの緊張感が凄い。
彼らはカムフラージュの為に、
大阪の別の場所を爆破し、
警察や市民の目をそちらに向けさせる。


そんな中、金塊強奪を実行してゆくわけだけれど、
妻夫木聡は、
ある事件から、体に怪我をしており、
その傷が大変に気になる作りになっていて、
目が離せない。


ただ、私には、
そこまで行き着く過程が、
長く感じられた。


登場人物たちの過去や私生活を描くのはいいけれど、
だからといって、
思い入れできるエピソードはない。


ただ一つ、
浅野忠信と妻との関係が、
ラスト近く、仄めかされるような場面に興味を持った。
え!?そうなの?じゃあ、あの妻は・・・って感じで。
あの場面を、もう少し追求してほしかったな(笑)。
まぁ、私が女だからかもしれないけど。


妻夫木くんが、終始、陰鬱な表情で、
虚無的な態度を崩さない。
「悪人」も無表情だったけど、
あの映画とも、また違う。


さらに無精髭を生やして
今回はあまりにも、もっさい(笑)。
もちろん、色々な役を演じるのは良いことだけれど、
今回は、ちょっとイメージじゃない気が。
別に、私のために演じているわけじゃないんだけどね(笑)。


彼の過去の話も好きじゃないな。
なんだか悲惨で。
その一連のエピソードに繋がるオチも悲しすぎる。


評価 ★★★☆☆

「The Three Stooges」 [映画]

TheThreeStooges.jpg
〔2012年/アメリカ〕


田舎町の孤児院。
子どもたちの世話をする、
優しいシスターたち。


ある日、通りかかった車から、
孤児院の入り口に大きなバッグが投げ捨てられる。
中に入っていたのは、
3人の男の赤ちゃん。
シスターたちは、彼らの可愛さに、
世話をするのは自分だと、奪い合いになる。


それから数年。
その時の赤ちゃんは小学生に。
彼らのあまりの悪ガキっぷりに、
シスターたちは、世話をするのは嫌だと押し付け合い(笑)。


さらに数年後。
大人になった3人組は、
孤児院が経営難に陥っている事を知り、
自分がたちが金を稼いでくると、町へ出た。


そこで、かつての孤児院仲間と再会。
仲間は大金持ちになっていた。
しかし、仲間の金を狙って、
彼の妻が殺人を計画しており・・・。





アメリカからの帰りの飛行機内で観た。
航空会社はデルタ。


沢山の映画があったけれど、
未見の映画の中から、
どれを選んでいいか分からず、
機内で気楽に観られそうな作品をと、
ジャケット写真だけで決めた。


帰ってきて調べてみたら、
既にアメリカで公開されている映画らしい。
監督は、「メリーに首ったけ」などの、
ファレリー兄弟。
けれど、日本で公開される予定があるのか、
公開されないまま、DVDになってしまうのか、
DVDにさえならないのか、
それは私には分からない(笑)。


元々、この3人組は、
「三ばか大将」というテレビ番組の登場人物だそうで、
日本でも放映されていたようだ。
それをファレリー兄弟が映画化したらしい。


彼らが赤ちゃんの時から話がスタートするので、
子供向けかと思っていたら、
内容は結構ブラック。
殺人計画や、妻の浮気なんてエピソードもあるし(笑)。


肉体的ダメージを負うシーンも多く、
特に人が車に轢かれる場面などは、
あっ!と声が出てしまう。
子どもには刺激が強すぎるかも。


そう思っていたら、
やっぱりラストに、製作者が出てきて、
「このトンカチは、叩いても痛くないゴムで出来ています。
 良い子は真似をしないで下さい」などと、
説明の映像がある。


3人組を演じるのは、
ショーン・ヘイズ、ウィル・サッソー、クリス・ディアマントポロスという
俳優さんたちらしいけれど、
正直、よく知らない方々だ。
ネットで調べてみたら、最初は、
ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロ、ジム・キャリーの
3人で決定していたというじゃないの!
なんで変わってしまったのか。
この3人だったら最高だったのに・・・
・・・って、そう言っては演じた3人に申し訳ないですね、
ごめんなさい(笑)。


評価 ★★★☆☆