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「プリティ・プリンセス」 [映画]

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〔2001年/アメリカ〕


15歳の高校生ミア(アン・ハサウェイ)は、
母親とサンフランシスコで暮らしている。
両親は、彼女が幼い頃に離婚し、
父親はその後、亡くなった。


眼鏡をかけ、髪はぼさぼさ、
ゲジゲジ眉毛で、洒落っ気一つ無いミア。
さらに、内気で、
スピーチ大会では、緊張のあまり吐いてしまう始末。


そんな彼女の所に、ヨーロッパの小国・ジェノヴィア王国から、
父方の祖母・クラリス(ジュリー・アンドリュース)が
やって来た。
なんと、ミアの父は、ジェノヴィア王国の皇太子で、
父が亡くなった今、王位継承者はミアしかいないと言うのだ。


驚きとショックで、王位継承を放棄すると言ったミアだが、
一度だけ、舞踏会に出て、
それから結論を出せばいいという事になる。


それから、ミアのプリンセス教育が始まる。
まずはヘアメイク。
髪をストレートにし、眉を整え、お化粧。
立ち居振る舞いも大切。
美しい身のこなしは、プリンセスの絶対条件。


突然変わったミアに、学校は騒然。
ところが、プリンセス計画がどこかから漏れ、
学校にマスコミが大挙押し掛け、大混乱・・・。





普通に考えたら有り得ない、
シンデレラストーリーだけれど、
まぁ、ディズニーだし、夢物語だし、と思えば、
腹も立たない(笑)。


アン・ハサウェイは、
ダサい役として出ている最初から可愛くて、
このままでいいじゃん、と思ってしまう。
(眉は整えた方がいいとは思うけど)


それから、スピーチが苦手な内気な少女という設定の彼女が、
途中から、キャラが変わっているように思えた。
プリンセス教育は、人の性格まで変えてしまうのか?(笑)


もし、私が突然、
「あなたはプリンセスです」って言われたらどうしようと、
妄想してみた。
(すみません、年を考えろって話ですが、あくまでも妄想という事で(笑))
最高級のヘアメイクさんに、
綺麗にしてもらえるのは、
とても羨ましいけれど、
今の生活全てを捨てて、
見知らぬ国に行くのはなぁ。


ジェノヴィアって架空の国だけど、
おそらくヨーロッパだよね。
そのような小国で、
堅苦しい暮らしをする勇気が要るかもしれない。


続編のサブタイトルは、
「ロイヤル・ウェディング」。
ディズニーらしく、素敵な王子様でも見つかるのかしら。
それとも、政略結婚?
全然期待はしていないけれど、
観るなら、勢いがついている今がいい機会かも。
(間が空くと、観る気が失せる気がする(笑))


評価 ★★★☆☆

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「若者のすべて」 [映画]

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〔1960年/イタリア〕


ミラノに出稼ぎに来ている長男を頼って、
南部から、汽車でやって来た、
貧しい母親と4人の息子。
しかし、訪ねた長男は、勝手に婚約しており、
頼れる状況ではなく、
一家はミラノで仕事を探す事になる。


次男・シモーネ(レナート・サルヴァトーリ)は放蕩者
三男・ロッコ(アラン・ドロン)はどこまでも寛大
四男・チーロは真面目で堅実
五男・ルッコは、まだ小学生
そして母親は、長男の婚約パーティをぶち壊してしまうくらい、
自分の事しか考えない女。


シモーネとロッコは、ボクシングジムに通い始め、
シモーネは、その才能を認められるが、
娼婦・ナディア(アニー・ジラルド)と知り合い、
堕落してゆく。
そんなシモーネに見切りをつけたナディアは、
彼と別れ、姿を消す。


徴兵に取られたロッコは、
寄宿先で偶然ナディアと出会い、
愛し合うようになる。
兵役が終わり、ミラノに帰った後も交際は続くが、
シモーネがそれを認めるはずはなく、
ロッコの目の前でナディアを凌辱してしまう。


ショックのあまり、
また娼婦に逆戻りしたナディアは、
シモーネと荒れた生活を送るようになるが・・・。





ルキノ・ヴィスコンティは、
私の中で別格の監督。
といっても、まだまだ5本くらいしか観ていないのだが、
「ベニスに死す」の感動はいまだに忘れられないし、
「地獄に堕ちた勇者ども」の衝撃は大変なものだった。
いつかいつか、全作品を制覇してみたい。


そして、この作品。
3時間と長い映画だけれど、
まったく飽きさせない。
あっと言う間に観てしまう。


イタリアの貧しい家族が、
大都会ミラノに期待を寄せて、
やっては来るけれど、
どこに移っても、貧しい事には変わりはなく、
日々の生活には希望もない。


次男のシモーネが最悪で。
暴力で女を自由にしたって、
それでどうなるというのか。
観ている私はもう、悔しくて悔しくて、
シモーネに与える事のできる最大級のダメージは何だろうと、
そこまで考えてしまった。


ここで、被害者であるともいえるロッコが、
あまりにも寛大にシモーネを許し過ぎるのも、
彼のような人間が増長する一因だ。
人は、優しければいいってもんじゃない。
それとも、自分の恋人を乱暴された事より、
家族の絆が大事なのか?
女を軽く見ているのか?


しかし案の定、その後、大きな事件が起こる。
どこまでも最悪。


それでも母親は、
大手自動車会社・アルファ・ロメオに就職できた四男に、
一筋の光明を見出しているし、
長男には子供も生まれる。
人は絶望の中にも、
希望を探して生きてゆくしかないのであろう。
ラストの五男の描き方に、
それが象徴されているような気がする。


評価 ★★★★☆

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「Virginia ヴァージニア」 [映画]

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〔2012年/アメリカ〕


サイン会のため、田舎町を訪れた作家・ホール・ボルティモア(ヴァル・キルマー)。
その街では、7面ある時計台が象徴としてあったが、
全ての盤は違う時間を指していた。


街では数日前、
胸に杭を打ち込まれ死んだ少女の遺体が発見されたばかり。
ボルティモアは、保安官ボビー・ラグレインジ(ブルース・ダーン)から、
この事件について、共著で本を出さないかと持ち掛けられるが、
気乗りしない。


街外れに、
エドガー・アラン・ポーも宿泊した事のあるというホテルがあると知り、
ボルティモアはそこを訪ねる。
ホテルは既に廃屋になっていたが、
彼は、その夜、不思議な夢を見る。


Vと名乗る少女とホテル近くまで行き、
彼一人で中に入ると、
経営者が、地下には12人の子供が埋められていると言うのだ。
さらに彼は、ポーに導かれ、
事件の真相に近付いてゆく・・・。





フランシス・フォード・コッポラ監督の
ゴシックホラーという事で、楽しみにしていたけれど、
私にはちょっと退屈だった。


子役の中ではダントツに美しいと思う、
エル・ファニングが、何やら怪しげな役をするというので、
それが一番の期待だったけれど、
彼女の登場シーンは、思っていたより少ない。
ちょっとガッカリ。


それから、
太ってきたなとは思っていたけれど、
ヴァル・キルマーの肥えっぷりには、ビックリ。
かつてはバットマンまで演じた彼を思うと、
まるで別人。


いや、私は別に太っている人が悪いとは決して思っていない。
どんな体型だって、
その人がいい人ならそれでいい。
ただ、この映画に出るには、ちょっとどうなのよ、って感じで(笑)。
彼の持つ、俗人な感じと、
ファニングの持つ浮遊感の対比させたかったのでしょうか。





劇場に行って、
「テイク・ディス・ワルツ」と本作をハシゴすべく、
チケットを買ったら、
なんと、
「2本観られる方は、合計で2,000円になります」と言われた。
凄い! 
1,600円も得してしまったよ(笑)。


私は、てっきり、その劇場でハシゴをした人は、
どんな映画でも2,000円になるのだと思ったのだけれど、
家に帰って、ネットを見たら、
この2本限定で、
そういうキャンペーンをしているそうだ。
生きていると、
たまーにだけど、そういった僥倖にめぐりあう事がある。
そんな小さな事でも、
なんだか一日、とても嬉しい気持ちで過ごせる。


評価 ★★★☆☆

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「テイク・ディス・ワルツ」 [映画]

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〔2012年/アメリカ〕


フリーライター・ミシェル・ウィリアムズは、
夫・セス・ローゲンと二人暮らし。
結婚して5年。
子供はいないが、
夫婦仲は良く、それなりに幸せだ。


そんなある日、
ウィリアムズは、取材先でルーク・カービーと知り合う。
夫とは全く違ったタイプのカービーに、
ウィリアムズは、なんとなく惹かれる。


さらにカービーの家が自宅の向かいだと分かり、
その偶然に驚く2人。
その後、ちょくちょく顔を合わせるようになり、
デートの約束をし、それを実行する。


忘れていたときめきに胸が高鳴るウィリアムズ。
しかし、夫への後ろめたさもあり、
心は逡巡する。
ローゲンも、そんな妻の変化に気付き、苦しむ。


ウィリアムズはどこへ進んでゆくのか・・・。





感想を書こうと思って、
「人生とは」みたいな、何か分かったような、
したり顔の方向でいこうかと、
PCに向かったけれど、
やっぱり無理。
なにせ、一番強烈に頭に浮かんでくるのは、
ミシェル・ウィリアムズのヌードシーンと放尿シーンだという、
女のくせに馬鹿な私で(笑)。


ウィリアムズは、スイミングスクールのあと、
6人ほどの女性たちと、
シャワーを浴びながら語り合うのだけれど、
そこにいる全員が、
なぜかフルヌードのボカし無し。


しかも、いわゆるモデル体型の人はおらず、
中年や、老婆といってもいい人たちばかりで、
生活感いっぱい、エロさゼロ、
そして、そのシーンが結構長い(笑)。


放尿シーンにも驚く。
一回目なんて、彼女はプールの中でしちゃうのだよ。
そのプール、
そういう不届きな行為をすると、
水の色が変わる仕組みになっていて、すぐバレる。
ウィリアムズの周囲にいる女たちは、
きゃーきゃー言いながら、水から上がる。


うーん、このシーンはいただけないかなぁ。
いくらなんでも汚い。
そんな場面を描く必要があるんだろうか。


あとの2回は、お手洗いでの場面だけれど、
そのうち1回は、
夫がいるのに意に介さず、
恥じらいゼロ。
これが彼女の日常ですってニュアンスを
描きたいんだろうけど。


つまり、なんというか、
これは夢物語ではない。
倦怠期に差し掛かった、平凡な女が、
心ときめく男に出会ったらどうなるのかを、
観客と同じレベルで描いてあるけれど、
「マディソン郡の橋」とは全く違う。


ただ、ウィリアムズが下した結論、
私は好き。


評価 ★★★☆☆

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「トータル・リコール」 [映画]

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〔2012年/アメリカ〕


世界的大戦争により、
人間の住める場所が限られてしまった、近未来の地球。


富裕層はブリテン連邦に、
貧民層はコロニーと呼ばれる地区で、
それぞれ、生活するようになる。


コロニーで暮らす肉体労働者・コリン・ファレルは、
妻・ケイト・ベッキンセイルとつつましく暮らしていたが、
非日常的な刺激を求めて、
リコール社に人工記憶を買いに行く。


人工記憶とは、
自分がなりたい職業の記憶を選んで、
脳内でそれを楽しむ装置であり、
未来ではそれが可能になっていたのだ。


ファレルは諜報員の記憶を選び、
今まさにそれを注入されようという瞬間、
連邦警察隊から銃撃を受ける。


襲われる理由が分からず、驚くファレルだが、
感情と関係なく、
体が自然に戦闘態勢に入り、
警察隊全員を撃退した自分に驚く。


追われるまま家に帰ると、
妻が、激しい勢いで彼に襲いかかり・・・。





1990年のシュワ氏の同名映画のリメイクという事だが、
あちらの方の内容をよく覚えていないので、
違うタイトルの、
全く別の作品と紹介されても、
気付かなかったと思う(笑)。


アメリカでは不発で、酷評されているとのニュースを見たが、
私は結構楽しめた。


何より、コリン・ファレルの住む街の様子が大好き。
どこかのアジアの地域のような、
混沌とした、あの感じ。
「ブレードランナー」のパクリとの説もあるが(笑)、
もう、何のパクリでもどうでもいいやと思えるくらい、
ああいう感じって、好き。


全編殆ど、息もつかせぬスピード感で魅せる。
目が離せない。
追われるファレルは、
途中で知り合ったジェシカ・ビールと逃げ回るのだけれど、
その空間というのが、縦横無尽、
上になったり、下になったり、
クラクラしてしまう。


ディズニーランドのアトラクション、
「スターツアーズ」みたいに、
劇場の椅子が動いたらいいのに、とまで思った。
臨場感いっぱいに楽しめるのに、って。


ケイト・ベッキンセイルの悪女役も良かったな。
「パール・ハーバー」で彼女を初めて観て以来、
もうどうにも、好きになれなくて困ってたんだ。
(別に困る必要もないのだが(笑))。


「パール~」のせいで、
“偽善者なのに尻が軽い女”、というイメージが、
私の心に強烈に焼き付いてしまって、
その印象が取れなくて。
今回、爬虫類みたいな目をして、
ファレルを追いかける役がハマってた。
良かった、これで好きになれそう(笑)。


評価 ★★★☆☆

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