SSブログ

「姉妹」 [映画]

shimai.jpg
〔1955年/日本〕


17歳の圭子(野添ひとみ)と、
14歳の俊子(中原ひとみ)は、仲良し姉妹。
田舎の実家を離れ、
2人で、叔母の家に下宿しながら学校に通っている。


圭子は姉らしく、しっかり者で、
何事も先まで計画を立てて進めるが、
俊子は天真爛漫、
送られた小遣いも半月で使ってしまうような、
子供っぽさを残した娘である。


しかし、俊子は、
豪邸に住む、級友の家に遊びに行き、
金持ちではあるが、冷え切った家族を見たり、
叔母の近所の家族が障害を抱えながら、
貧しい生活をしている事を知るうちに、
世の中の不公平を思い知るようになる。


さらに、実家に帰ると、
父の勤め先の発電所でリストラが行われる予定がある事を
知らされる。


そんな中、卒業の近付いている圭子は、
自分の将来を考える。
圭子は、父の会社に勤める青年を慕っていたが、
不安定な彼の将来を思うと、
結婚には踏み込めず、
銀行員と見合いをする。


圭子の気持ちを知っている俊子は、
それでいいのかと疑問を投げかけるが、
圭子は、それが一番いいのだと、
割り切った笑顔を見せる・・・。





これはもう、典型的な、
姉気質と、妹気質の物語なんだけど、
それが物凄くよく分かる。


私も姉妹の姉なので、
圭子と同じように、冒険ができない。
なんだか先の事が心配で、
常に最悪の事態を想定しながら、物事を進めてしまう。
(圭子のようなしっかり者というわけではなく、臆病なだけ(笑))


だから、奔放な人を見ると、
憧憬と、心配が入り混じった、複雑な気持ちになってしまう。
「だ、大丈夫なの?」と思う。
俊子に気を揉む圭子の気持ちがよく分かる。


でも、俊子だって、何も考えていないわけじゃないんだよね。
彼女は世の中の不条理を見て、
「政治家になりたい」などと言い出す。
圭子は、不幸な人を見て、
胸を痛めはするけれど、
だからといって、俊子のような大胆な発想はない。
銀行員と結婚して、つつましく暮らしていければ、それでいいのだろう。


どちらが立派というのは、
一概には言えないね。


この映画の、野添ひとみさんは、
とにかく綺麗。
川口浩様の奥さんという事で、
最近、なんだか好きなのだけれど、
正直、それほど綺麗だと思った事はなかった。
でも、凛とした佇まいがとても良い。
浩様が惚れたのも、分かる気がするわ(笑)。


評価 ★★★☆☆

nice!(16)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画