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「心の旅路」 [映画]

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〔1942年/アメリカ〕


イギリスの、ある精神病院から脱走したロナルド・コールマン。
彼は、戦争で記憶を無くし、言語障害になってはいたが、
精神に異常はなく、病院にいるのは耐えられなかったのだ。


コールマンと偶然出会ったクラブ歌手・グリア・ガーソンは、
彼の紳士然とした様子に惹かれ、匿う。
ガーソンは歌手の仕事も辞め、
2人は郊外に逃れ、
結婚し、家を買い、子供も生れる。


ところが、仕事でリバプールに出掛けたコールマンは、
車に轢かれそうになり、
そのショックで、昔の記憶を取り戻す。
そして、それとは引き替えに、
ガーソンと暮らした、幸せな3年間の記憶が完全に失われてしまう。


そのまま生家に戻ったコールマンに家族は驚き、
彼は父親の事業を引き継ぎ、成功する。
一度は、若い女性と婚約したコールマンだが、
婚約者を心から愛する事が出来ずに破談になる。
記憶の無い3年間の出来事が、
無意識に彼を縛り付けているようだ。


ところで、コールマンの会社で秘書として働く女がいた。
彼女こそ、彼の妻・ガーソンであったが、
採用されてから数年経っても、
コールマンはガーソンを、秘書以上の目では見ていない。
コールマンの記憶は戻るのか・・・。





なんというメロドラマだと思っていたら、
監督は「哀愁」のマーヴィン・ルロイだそうで、
ちょっと納得。


とにかく物語の進みが早い。
結婚式を挙げて、場面が変わると、
妻が陣痛で苦しんでいる、といった風に。


ガーソンが、コールマンの秘書として出てくる場面にも驚く。
彼女が採用されたのは、数年前のようだが、
その説明がなかったので、
ベテラン秘書のように振る舞う彼女を見たこちらにしたら、
「何でここにいるの?」という感じで。
面倒臭い場面が省かれ、
セリフで分かるように説明があるので、
悪い演出ではないが。


人間の脳は、
医学的に、おそらく一番未知の分野であろうが、
誰かを本気で愛した記憶も、
あんな風に簡単に忘れてしまうのかと思うと、
ちょっと悲しい。
記憶って、人が思う以上に、
あやふやで曖昧なものなんだなぁと思う。


そういえば、
シチュエーションは違うけれど、
今年の映画、「君への誓い」でも、
同じように、愛する人を忘れてしまった話が
描かれていたっけ。


メロドラマらしく、
まどろっこしくて、
私が焦る必要もないのに、焦ってしまう。
「あ~、早く私が妻ですって言いなよ~」とか(笑)。
そんなに焦らなくたって、
ラストは想像がつくってものだけれど(笑)。


評価 ★★★☆☆

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