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「路上のソリスト」 [映画]

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〔2009年/アメリカ〕


ロサンゼルス・タイムスでコラムを書く、ロバート・ダウニーJr.は、
ある日、公園で、2弦しかないヴァイオリンで美しい音楽を奏でる、
ホームレスの男、ジェイミー・フォックスと出会う。


ジュリアード音楽院を出ていると話すフォックスに驚いたダウニーJr.は、
学校に確認、
彼が本当にジュリアードに入学、しかし中退している事を知る。


彼の話をコラムに書いてみたいと強く思ったダウニーJr.は、
取材と調査を行う。
今一つ要領を得ないフォックスの話。
彼から聞き出した、彼の姉の電話番号に電話をすると、
姉の口から出た最初の言葉は、「弟は死んだんですか?」だった。
姉は絶縁状態の弟を、常に気に懸けていたのだ。


また、彼の音楽の教師は、
フォックスは天才だった事、
そして、専攻はヴァイオリンではなく、チェロだった事を証言。
これらの話をまとめてコラムにした所、
大きな反響があり、
一人の読者から、
美しいチェロが贈られてくる。


チェロをフォックスに渡したダウニーJr.だったが、
高価な楽器をホームレスが持ち歩く事は大変に危険な為、
支援センターに預け、そこで引いた方が良いと進言、
しかし、室内が大嫌いなフォックスの反応は鈍い。


実はフォックスは統合失調症を患っていたのだ。
フォックスに接するうちに、
彼の崇高な魂に触れたダウニーJr.は、
なんとか彼を救えないかと、模索するようになるが・・・。





この物語は実話だそうで、
ロサンゼルス・タイムスのコラムニストとホームレスの交流が
同時進行形で記事となり、
大きな話題となっていたという。


人生に行き詰っていたダウニーJr.は、
フォックスと出会い、救いたいと思い始めるわけだが、
それは、実は自分を救う事だと、
そんな風に見て取れた。


人が人を救うのは、そう簡単な事ではない。
誰かが誰かに「救われた、感謝している」という話はあっても、
自分は誰かを「救った」と言い切れる人は少ないし、
逆に、そんな人がいたとしたら、ちょっと怖い。


主演二人の気持ちを、もう少し掘り下げたら、
もっと面白くなったと思う。


それから、肝心の音楽の場面が少ないのが残念。
天才だと言われるフォックスの神業な演奏場面があったら、
観る者の心をグッと掴む事ができただろうに。


評価 ★★★☆☆

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