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「ぼくのエリ 200歳の少女」 [映画]

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〔2008年/スウェーデン〕


ストックホルムに住む、オスカー(カーレ・ヘーデブラント)は、
学校でのイジメに苦しむ、12歳の少年。
彼はそのウサを、ナイフで樹木を傷つける事で晴らしていた。


そんな彼のマンションの隣室に、
エリ(リーナ・レアンデション)という少女が引っ越してくる。
同じ12歳だというエリは、
どこか不思議な少女で、
学校に通っている様子もない。
しかし、オスカーがいじめられている事を悟ったように、
「やり返さなければダメだ」と言う。


エリが来てから、
近所で、おぞましい事件が連続して起こる。
実はエリは、人の血を吸って生き長らえるヴァンパイアだったのだ・・・。





全編、スウェーデンの雪の中の物語のせいか、
とても美しく、
ホラーには違いないが、気分が悪くなるような事はない。


エリの正体を知ったオスカーも、
特に怯える事なく、
その事実を、割とすんなり受け入れており、
ちょっと変わった初恋物語みたいだ。


二人の年齢が大人と子どもの境界線にいる事が、
雰囲気をさらに良いものにしている気がする。
オスカーはまだ性に目覚めた感じがなく、
でも年齢的には、もうすぐだろうという、
ギリギリの感じがする。


エリの瞳の黒目の部分がとても大きくて、
それが不思議な雰囲気を醸し出すのに一役買っているように思えた。


スウェーデンには、
「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」や「ロッタちゃん」や
「やかまし村」や「サッカー小僧」や「長くつ下のピッピ」のような、
良質の子ども映画や文学が多数あるが、
(そういう物が、たまたま日本に入ってきているだけかもしれぬが)
やっぱり、どんな国にもイジメがあって、
それに苦しむ子どもがいるかと思うと、
なんとかならないものかと、こちらの方が辛かった。


それから、この映画で話題になった事の一つに
「ボカシ」の問題があるようだ。
私は観るまで知らなかったのだが、
オスカーがエリの着替えのシーンを覗いてしまった時、
映された股間にボカシが入っているのだ。


しかし、ここは大変に重要なシーンで、
大きな秘密があるのだ。
それが見えない事には、
この映画も味わえないといっていい。
なぜ、そのような無粋な事をしたのか。
やはり子どもという事が、問題なのだろうか。


私はネットでボカシを取った画像を確認したが、
映画を観た方の全員が、
それを確認できるわけではないだろう。
とても残念だ。


評価 ★★★★☆

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