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「ベン・イズ・バック」 [映画]

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〔2018年/アメリカ〕


クリスマスイブ。
薬物依存症治療のため、
施設に入っている、19歳のベン(ルーカス・ヘッジズ)が、
突然、実家に帰ってくる。


母親のホリー(ジュリア・ロバーツ)は、
ベンとの再会を喜びながらも、
戸惑いを隠せず、
また、妹のアイヴィーは、
あからさまに不安な表情で、
継父・ニールにすぐ連絡を入れる。


ホリーとニールは、
話し合いの末、
24時間だけ、ベンが自宅に滞在する事を許可する。


しかし、彼の帰省を知った昔の仲間は、
一家が教会に行っている隙に、
家に荒らし、飼い犬を誘拐し・・・。





薬物中毒の息子が、
更生施設から、突然帰ってくる。


おかしい、変だ、
施設からは何の連絡も受けていない。
息子は勝手に抜け出してきたのか。
早く施設に帰さなければ。
でも、このまま一緒にいたい。
でも、甘やかすのは良くない・・・


それに、夫のニールと自分は再婚同士。
ベンの実の父でない夫に、
迷惑は掛けられないし、
夫のおかげで今の生活が成り立っている以上、
あまり強い事も言えない・・・


悩み、逡巡する母親・ホリーの気持ちが痛いほど
伝わってくる。
もし、自分がホリーと同じ立場だったら、
めちゃくちゃ迷うと思う。


ところで、息子のベンが、
薬物中毒になったのは、
ベンには全く責任はないのが、
今まで観た事のある、
麻薬中毒者をテーマにした映画と、
全然違うところ。


ベンは、14歳の時、
怪我をした事が原因で、
中毒性の高い鎮痛薬を大量に処方され、
そのせいで、
薬物中毒となってしまったのだ。


ああ、そうなのか、
ベンは可哀想な子・・・と、
思いながら観ていたのだけれど、
途中から、彼が、
麻薬を買うだけでなく、
人に売り、
死者まで出した過去がある事が分かる。


母親・ホリーは、
ベンを中毒者にした医者を殺したいほど憎んでいるけれど、
別の人にとって、ベンは、
ホリーにとっての医者と同様、殺したい相手であるわけで。


一晩の間に、様々な事が起こるわけだけど、
やっぱり、最初にベンが帰ってきた時、
心を鬼にして、
施設に戻すのがベストだったんじゃないかなぁと思うし、
家が荒らされた時、
警察に通報すべきじゃないかなぁと思うし、
その時その時の分岐点で、
選ぶ道が難しい。


ラストも、明確な答えは出ない。


評価 ★★★☆☆

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「パージ エクスペリメント」 [映画]

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〔2018年/アメリカ〕


近未来、
経済が崩壊したアメリカでは、
「共和党」「民主党」に代わる、
新しい政党、「NFFA」が与党になっていた。


NFFAは、貧困と犯罪の撲滅を目指し、
「パージ法」を制定。
本格導入の前に、
今年は、実験的に、
ニューヨークのスタテン島で、
それを実施してみる事になった。


「パージ」とは、
3月21日の夜7時から、12時間は、
どのような犯罪を犯しても、罪にならない、という法律なのだ・・・。





試写会で観た。


シリーズ4作目。


前3作、全て観ているけれど、
私はこの、「パージ」が大好き。


B級映画と言われるかもしれないし、
こんな倫理観の欠片もない映画を好きなんて、
どうかしている、と叱られるかもしれないけど、
単純に娯楽映画として面白いし、
深く考えれば、
色々、思うところのある、
とても面白いシリーズ。


粗筋にも書いたけれど、
「パージ」とは、
3月21日の夜7時から12時間、
ありとあらゆる犯罪を犯しても、
罪にはならないという法律で、
参加したくない人々は、その時間を、
恐怖の中で過ごす。


街のならず者たちは、
人を殺しまくり、
殺したい特定の対象者がいる人は、
「パージ」を利用して復讐し、
上級国民たちは、
生贄を殺す儀式を行い・・・。


ただ、シリーズ全て、
女性を凌辱したり、
幼い子供が犠牲になったりする場面がない。
だから、観ていられるのかもしれない。


考えさせられたのは、
第3作の、「パージ」の日を狙って、
外国から人が押し寄せてきた場面。


目的は当然、人殺し。
「俺たち、殺しまくるぜ、イエイ!」みたいな連中。
あぁ、日本からも行く奴がいるんだろうな、と思うと、
複雑で、悲しい気持ちになる。


本作は、
「パージ」の前日譚という位置づけで、
「初めての試み」として、
ニューヨークのスタテン島で、実験的に行われる様子が描かれる。


それにしても、政府は、
一年に一度、パージをすれば、
残りの364日は犯罪が減る、と言うのだけれど、
私は、それは無いと思う。
むしろ、人を殺す事に快感を覚えた人間が、
パージに関係なく、犯罪を犯しそうな気がするんだけど、どうなんでしょ。


このパージ、
映画の設定では、
初めて本格導入されたのが2018年という事で、
現実なら、今年3月に2回目が終わった事になる。
有り得ない話ではあるけれど、
もし、日本でこんなものが導入されたら、
どうなるんだろうか、と、
ちょっと興味があったりもする。


評価 ★★★★☆

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「名探偵ピカチュウ」 [映画]

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〔2019年/アメリカ〕


21歳のティム(ジャスティス・スミス)は、
父が事故で亡くなったとの報せを受け、
人間とポケモンが共存する、ライムシティにやって来る。


探偵をしていた父の荷物を整理するため、
事務所を訪ねると、
そこで、父の相棒だったという、
名探偵・ピカチュウと出会う。


ピカチュウは、
事故の衝撃で記憶を失っていたが、
父は生きているはずだと、
ティムに訴える。


ティムとピカチュウは新コンビとなり、
大事件に立ち向かう事に・・・。





今や、世界的に有名になった、
日本のキャラクター、ピカチュウが、
ハリウッドで、主役デビューしたという、嬉しい映画。


アニメのピカチュウは、
いつも、可愛い声で、
「ピカピカ」とか言っているようだけど、
この映画で、
声を担当しているのは、
ライアン・レイノルズ。


43歳のオッサンが、
ピカチュウを演じているが可笑しく、
でも、それが聞こえるのが主人公のティムだけ、というのが、
さらに可笑しい。
ティム以外の、一般の人は、
いつもと同じ、可愛い声で、
「ピカピカ」と言っているようにしか聞こえないらしい。


少し笑ってしまったのが、
ピカチュウの縮尺。


私の気のせいなのかもしれないけど、
ピカチュウの大きさが、
場面場面で違うような気がしてならない。


歩いている時は、
ティムの膝くらいの高さなんだけど、
車の後部座席に座った時、
なんだか、一回り大きくなったような。
普通にシートベルトをしてるし(笑)。


別のある場面では、
顔がめっちゃ大きく感じたり(笑)。


いや、それを、
「おかしいじゃないか!」と非難しているわけじゃないんです。
とっても可愛いから、
そんな細かいことは、どーでもいいんです。
むしろ、その場面場面で、
ベストに可愛く見える大きさになってくれれば、
その方がいいくらいで。


それから、感心したのが、
ライムシティの雰囲気。


どこがどう、というわけではないのだけれど、
雰囲気がとっても、東京っぽい。
大きな街だから、
描き方によっては、
ニューヨークっぽかったり、香港っぽかったりも
有り得る事だけど、
やっぱり、ここは東京だ、って分かる。


で、このライムシティ、
人間と一緒に、
普通にポケモンが生活している。


私も、最近はご無沙汰だけど、
ポケモンGOを少ししていた時期があったので、
自分がゲットしたキャラクターが出てくると
「あ!〇〇だ!」と嬉しくなる。


ところで、道行くポケモンで、
パンダみたいなキャラがいたのだけれど、
あれは何だろう。
私は、あれは知らない。
今度、捕まえてみたいな。


評価 ★★★☆☆

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「メリー・ポピンズ リターンズ」 [映画]

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〔2018年/アメリカ〕


大恐慌の真っ只中にある、ロンドン。
銀行で臨時雇いをする、
マイケル・バンクス(ベン・ウィショー)は、
妻を亡くし、
3人の子供を育てている。


しかし、融資の返済期日が迫り、
もうすぐ、家を差し押さえられそうな状況に、
マイケルは焦っている。


そんな中、20年前に、
バンクス家にやって来た、
魔法使いのメリー・ポピンズが、
再び、空から舞い降りてくる。


マイケルは年を取ったのに、
メリー・ポピンズは、そのまま。
子供たちは、
マイケルの子供時代同様、
メリー・ポピンズと、不思議な世界を行き来するが・・・。





上映会で観た。


今年の2月に、
この映画が劇場公開された時、
絶対、観たいと思いながら、
時間が合わずに、
気が付いたら終わっていて、残念に思っていたのだけれど、
今日15日から、MovieNEX発売ということで
記念上映会があり、
観させていただいた、というわけで。


会場は、表参道テラス。
普段は、結婚式に使われるような場所で、
そのお洒落な雰囲気に、
めっちゃ場違いな自分が恥ずかしい(笑)。

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スタッフさんが、
とてもにこやかに出迎えてくださり、
色とりどりの、ウェルカムドリンクまで、すすめてくださる。
全部、飲み比べてみたかったけど、
とてもそのような図々しい事を言い出せる雰囲気ではなく(笑)、
一つ選ばせていただいた。
とても美味しかったです。

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今まで、結婚式場で行われた試写会もあったけど、
ここまでのサービスは初めて。
映画を観そびれる、というのも、
たまには良い事があるのですね(笑)

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なんだか、表参道テラスの紹介みたいになってしまった。
映画映画。


ジュリー・アンドリュースがメリー・ポピンズを演じた、
1964年版は、
以前、ビデオで観ている。
実写とアニメが合成された、
とてもいい映画だった。


この映画は、
ただ、あの名作をリメイクしたのではなく、
20年後というのがいい。


子供だったマイケルは、
大人になり、
既に3人の子持ち。


かつて祖父や父が勤めた銀行で働いてはいるけれど、
正社員ではなく、臨時雇いで、
家のローンの期日が迫っているという、苦しい状況。
時の流れを強く感じる。


でも、メリー・ポピンズは変わらない。
彼女は相変わらず、みんなを幸せに。


この手法は、
「プーと大人になった僕」と同じだけれど、
 ↓
https://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2018-10-13
「あの時の子供が、こうなりましたよ」という
描き方、
私は、とっても好き。


評価 ★★★☆☆

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「ミュリエルの結婚」 [映画]

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〔1994年/オーストラリア〕


オーストラリアの小さな町で暮らす、
ミュリエル(トニ・コレット)は、
議員の父を持ちながらも、
自身は、ブスでデブ。
高校を中退していて、仕事もできない。


そんなミュリエルだが、
結婚願望だけはめっぽう強く、
いつか素敵な相手と出会える事を
信じている。


ある日、ミュリエルは、
高校時代の同級生・ロンダ(レイチェル・グリフィス)と
偶然再会する。
活発で、
他の友人のようにミュリエルを軽んじないロンダに魅力を感じ、
シドニーで一緒に暮らす事にする。


今までの自分を捨てるために、
マリエルと改名したミュリエルは、
少しずつ運が上向きかけたと思われたが、
ロンダが癌だと宣告され、ショックを受ける。


そんな中、
南アフリカの水泳選手が、
偽装結婚の相手を探していると知ったマリエル(ミュリエル)は、
彼のあまりのイケメンっぷりに、
すぐにその話に飛びつくが・・・。





デブだの、ブスだの、
これは差別用語?と思ったけれど、
そういう映画なので、
あえて、そういう表現にしました。


何のとりえもない女の子の成長物語なのだけれど、
それ以外にも、
色々な物が詰まっていて、
中々奥深い。


まずは、女同士の友情。
出だし、ミュリエルが、
友人の結婚式パーティに参加している場面から
始まるのだけれど、
ここに来ている女の子グループの
底意地の悪さったら。


分かるなぁ、
こういう女の子たちって、現実にもいる。
派手な外見で、ちょっとモテてて、
ミュリエルのような女の子を、
「友達」と言いながら、
めっちゃ軽んじてて。


だからこそ、
ロンダの存在がめっちゃ光る。
ミュリエルを馬鹿にしないロンダの態度に、
観ているこちらは心底ホッとするし、
本当にありがたいと思う。


それから、家族の問題。
ミュリエルは、議員である父から、
いつも駄目人間だと言われている。
ミュリエルには兄弟が沢山いるけれど、
人が寄り集まっているだけで、
いわゆる、「機能不全家族」みたいだ。


後半、とても悲しい事が起こるけれど、
それでも父は、
自分自分自分・・・。
あー、やだやだ。


ABBAの曲が大変効果的に使われていて、
乗れる。
ミュリエル自身がABBAの大ファンらしく、
部屋にはポスターが沢山貼ってあるのを面白く思った。


私もABBAは大好きだけど、
ポスターを貼るタイプのアーティストだとは
思っていなかったから。
いや、それは私の決め付けかな。


・・・と、ここまで書いて、
ウィキペディアで見てみたら、
「世界で一番熱心なABBAマニアはオーストラリア」
と書かれていた。
なるほど!


評価 ★★★★☆

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