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「稲妻」 [映画]

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〔1967年/日本〕


会社勤めをする清子(倍賞千恵子)の家庭は複雑だ。
長男・嘉助(柳沢真一)、
長女・縫子(稲垣美穂子)、
次女・光子(浜木綿子)、
そして三女の清子の、四兄妹は、
全員、父親が違うのだ。


さらに、光子の夫・呂平(田口計)は、
縫子と昔恋仲で、いわばお下がり。
そして、そんな呂平が交通事故で死ぬと、
赤ん坊をおんぶした愛人が現れ、
保険金を寄越せと言う。


そんな中、清子を見初め、
結婚したいという、綱吉(藤田まこと)がいた。
しかし、綱吉は、
いつしか縫子と出来上がり、
さらに、光子とも出来上がる。


清子は、そんなだらしのない家庭がほとほと嫌になり、
家を出るべく、
部屋を探し始めるが・・・。





いやー、すごいわー、藤田まこと(笑)。
調子のいい男は、
どこまでも調子よく、図々しく、
他人からどう思われようと、
意に介さない。


なにせ、長女と出来上がり、
長女の夫が怒鳴り込んできたというのに、
普通に風呂に入っていて、どこ吹く風。


そして、次女に喫茶店の開店資金を出してやり、
いつの間にか、
その喫茶店の二階で、
次女と寝泊まりしている。


さらに、嫉妬した長女が、
喫茶店に押し込んできて、
次女と、取っ組み合いの喧嘩をしている最中、
なんと、三女を口説く始末(笑)。


ただ、こんな男でも、
商売だけは上手いようで、
金を稼ぐ才覚は優れているようだ。
金持ちになるには、
これくらい厚顔無恥でなければ駄目なのかもしれない(笑)。


原作は、林芙美子さんの小説で、
高峰秀子さん版に続いての映画化。
 ↓
https://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2012-02-04

原作があるので、
高峰さん版と基本は同じだけど、
多少のアレンジがされてある。


特に、藤田まことさんの顔。
登場人物の皆さんは、
藤田さんの写真を見ても、
直接会っても、
みんな口を揃えて、
「顔が長い」を繰り返す(笑)。
本人も、自嘲気味に言う。


これは、藤田さんの特徴であり、
原作とは関係ないから、
きっと、笑いの要素を入れたのだろう。
・・・って、藤田さんの事ばっかり。
だって、強烈なんだもん(笑)。


それにしても、
父親の違う子を四人も生む女の気持ちって、
どんななんだろう。


母親は、清子と二人きりになった時、
「あんたのお父さんに、一番惚れていた」と言う。


なるほど、父親が違うと、
子どもの顔を見ながら、
心で、そんな事を思うわけか。


男の順位で、
子供への待遇も違ったりするんだろうか。
いや、生んでしまえば、
誰が父親だろうが関係なく、
どの子も可愛いんだろうとは思うけど。


評価 ★★★☆☆

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