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名画座手帳2018 [できごと]

そろそろ、来年の手帳を買わなくちゃ、
と思い始めていた最近、


まるで、その心の声が聞こえたかのように、
友達のAちゃんが、
手帳をお土産に持ってきてくださいました。


手帳のお土産って、
とても珍しいと思われるでしょうが、
これは、普通の手帳ではなく、
「名画座手帳2018」という、
古い邦画を愛する者にとっては、
夢の品なのです。

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2016年から発売され、
来年で3冊目になるこの手帳は、
全国の名画座一覧や、
都内の主要名画座5館の座席表、
昭和20年代~40年代の物価表など、
古い邦画を観る上で、
参考になる情報満載の、
優れものです。


さらに、帯には、
私が世界一愛する女優・若尾文子様の
自筆のお言葉が書かれ、
若手女優代表として、
橋本愛さんのお言葉も書かれているという、
素晴らしさ!


子供のころ、
嬉しいプレゼントをもらった夜、
それを枕元に置いて眠った事がある方も
多いかと思いますし、
私もした事があるのですが、
久し振りに、それをしてしまいました(笑)。


それくらい、この、
「名画座手帳2018」が嬉しかったのです。


Aちゃん、私にピッタリの物を、
本当にどうもありがとう。

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「8年越しの花嫁 奇跡の実話」 [映画]

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〔2017年/日本〕


合コンで知り合った、
尚志(佐藤健)と麻衣(土屋太鳳)は、
愛を深め、
結婚の約束をする。


ところが、結婚式を間近に控えたある日、
麻衣が突然、
抗NMDA受容体脳炎という難病を発症、
意識不明の重体になってしまう。


何とか一命は取り留めたものの、
昏睡状態が続き、
尚志は、麻衣の両親から、
「婚約はなかった事に」と言われる。
しかし尚志は諦めず、
見舞いを欠かさない。


6年もの月日が経ったある日、
麻衣が目を覚ました。
その後は、順調に回復し、
車椅子を動かせるまでになるのだが・・・。





試写会で観た。


正直、最初は、
色々鼻について、
自分には合わないかも、と思いながら観ていた。


土屋太鳳演じる、主人公・麻衣が面倒くさい。
合コンで出会った佐藤健演じる、尚志に、
いきなり怒鳴りつけたり、
「あ・・・こういう女の子、ちょっと苦手かも・・・」と。


尚志も、同じくちょっと面倒くさい。
プロポーズの場面とか。
あーあ、私が10代だったら、
もっと感動したのかしら。
すっかり汚れちまって、
もう、この汚れは落ちないだろうなぁ(笑)。


そして、その後、
麻衣が難病に倒れるわけだけど、


ある日、麻衣が昏睡状態のまま、
手術を受ける事になり、
尚志が、彼女の両親に、
「大丈夫です、成功しますよ」みたいな事を言った時、
母親が、
「あなたは家族じゃないから、そんな事が言えるのよ!」って。


え?・・・何それ・・・。
確かに家族じゃないよ、
家族じゃないのに、
まだ嫁でもないのに、
あんなに献身的に尽くしてくれる尚志に向かって、
その言葉って・・・。
まぁ、母も、
心配が高じて、つい言ってしまったんだろうけど、
なんだかなぁ、って。


とにかく、そんなこんな、色々あるけど、
麻衣の意識が戻ってからの後半は、
それなりに感動できる。


少しずつ、少しずつ、
色々な事が出来るようになってゆく麻衣を観ていると、
良かったね、本当に良かったねと
心から安堵する。


脳って不思議だ。
ある人の事は覚えているのに、
別のある人の事は全く思い出せないとか、
そういう話って、よく聞く。


例えば、認知症の親が、
他人の事は覚えているのに、
実の子供の事を忘れてしまって、
子供がショックを受けた、とか。


いつか脳のメカニズムが解明されて、
そういった症状に対する治療方法が
見つかればいいのになぁと、本気で思う。


評価 ★★★☆☆

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「ローガン・ラッキー」 [映画]

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〔2017年/アメリカ〕


ローガン家の人々は、
全員が運に見放されたように、
アンラッキーな事ばかりが起こる。


長男のジミー(チャニング・テイタム)は、
足が不自由なせいで仕事を失い、
妻は娘を連れて出て行った。
弟のクライド(アダム・ドライヴァー)は、
イラク戦争で片腕を無くし、
妹も冴えない美容師だ。


どん底の生活から抜け出したいと、
ジミーが考えたのが、
全米最大のカーレースの最中に、
会場から金を盗むという計画。


仲間が弟と妹だけでは心許無いと、
現在服役中の爆弾魔・ジョー(ダニエル・クレイグ)に
協力を仰ぐ。


ジミーは、ジョーを脱獄させ、
金を奪ったあと、
また刑務所に戻すという、
無謀とも思える計画を練り・・・。





試写会で観た。


これは中々面白い。
今まで、イケメン役の多かった、
チャニング・テイタムが、
不幸続きの男を演じ、


さらに、クールなジェームズ・ボンドのイメージが
定着しつつある、ダニエル・クレイグが、
才能が有るんだか無いんだか、
よく分からない爆弾魔を演じてる。


すっとぼけたセリフの応酬で、
劇場内からは、時折、笑い声が聞こえる。
犯罪物だけど、
コメディテイストというのがいい。


物語は、チャニング・テイタムがリーダー格となって、
レース中の会場で、
金を盗むわけだけど、


テンポがいい上に、
あぁ、もう駄目、見つかる・・・と思う場面も、
上手く切り抜け、
金を外へ持ち出す事に成功する。


しかも、その金の量がハンパない。
ゴミ袋いっぱいの金が、
一体、何袋あるんだってくらい、ある。
あの袋を一つ分けてほしい。
いや、あの袋の中の半分でもいいから(笑)。


それから、
犯罪の場面ではないけれど、
チャニング・テイタムには6歳くらいの娘がいて、
美少女コンテストのようなものに出場する。


それは、
”あの”ジョンベネちゃんが出ていたような
コンテストなんだけど、
娘は、当初、歌う予定の曲を勝手に変更し、
父のために、
「カントリーロード」を歌う。


すると、会場にいる人々みんなが、
声を合わせて歌い始めて、
それは、涙が出るくらい、良い場面だった。


物語が進み、
一息ついた頃に、
ヒラリー・スワンクが登場して、
「あ、そうだった」と思い出す。
彼女の名前もクレジットされてたっけ、と。


出番は短いけど、
カッコいい、存在感のある役だった。
やっぱり彼女は、
ああいった、
男っぽい役がよく似合う。


評価 ★★★★☆

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「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」 [映画]

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〔2016年/アメリカ〕


幼い頃、父を殺され、
今は、母と2人でひっそりと暮らす、
少年・クボ。


クボが三味線を弾くと、
その音色で、折り紙が自在に動き出す。
そんな不思議な力を
人々に披露しては、
金を稼ぎ、母を養う日々。


ある日、
遂に追っ手に見つかってしまったクボ。
クボを助けようとした母が死に、
遂に彼は独りぼっちに。


そんな彼の前に、
世話好きなサルと、陽気なクワガタが現れ、
クボと一緒に旅に出る。
両親の仇を討つために・・・。





試写会で観た。


アメリカのアニメだけれど、
なぜか日本が舞台の、
日本の少年が主人公。


しかも、声優陣が凄い。
シャーリーズ・セロン、
レイフ・ファインズ、
ルーニー・マーラ、
マシュー・マコノヒーら、
現代ハリウッドを代表するような
俳優さんがメインキャラを担当。


そんな豪勢な皆様が束になって、
英語とはいえ、
日本人になりきって、
日本を描いてくださる。
何て嬉しい事だ。


日本人である事は誇りだ。
美しい日本。
人々が秩序を守って暮らす日本。
トランプ大統領が2泊した日本。
私は日本が大好きだ。


お話しは、
「こんなの日本じゃねーよ」的な、
違和感はそれほどない。
少年が主人公の時代劇だと思えば、
まぁ、有りかなという感じ。


そして、クボの敵が肉親というのも、
なかなかの肝だ。


クボにつきまとう2人の幽霊は叔母だし、
ラスボスは祖父。
肉親同士が一度揉め出すと、
赤の他人よりえげつないのは、
よくある事。
その辺も、面白く描かれる。


とても興味深く思ったのは、
お話は違和感がなくても、
登場人物たちの、ちょっとした仕草、
首を傾げるなどの動きが、
いかにもアメリカ人っぽい事。


日本人は、
ああいう時、
そういう動きはしないよなー、と思う場面多数。


上手く説明できなけれど、
見た目は日本の時代劇、
仕草はアメリカ人という感じで、
たとえアニメであっても、
そういったものが滲み出てしまうんだなぁと思うと、
なんだか可笑しい。


評価 ★★★☆☆

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「ゲット・アウト」 [映画]

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〔2017年/アメリカ〕


黒人のクリス(ダニエル・カルーヤ)と、
白人のローズ(アリソン・ウィリアムズ)は恋人同士。
クリスは、ローズの実家に向かう途中、
自分が黒人である事で、
ローズの両親から交際を反対されるのでは、と、
気にしているが、
ローズは、そんな心配は不要だと言う。


ローズの実家で、
歓待されたクリスだが、
2人の使用人が、黒人である事に、
違和感を覚える。


クリスが喫煙者だと知った、
ローズの母親は、
自分の催眠術で煙草を止めさせてあげると言ったが、
彼は断る。
しかし、深夜、母親と2人きりになった時、
いつの間にか、催眠術をかけられてしまう。


翌日、ローズの亡くなった祖父を讃えるパーティが
行われるが、
出席者は白人ばかり。
疎外感を覚えたクリスだったが、
たった一人、若い黒人男性の招待客を見つける。
しかし、何か変だ。


この家も、家族も、何かがおかしい。
クリスはローズに、
すぐにここを出ようと提案するが・・・。





11月4日、御徒町に、
TOHOシネマズ上野がオープンしました。

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上野に映画館ができると知った時から、
その日をとても楽しみにしていましたので、
早速、
8日のレディースデイに、出掛けてきました。

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真新しい劇場は、気持ちよく、
スクリーンも、とても大きい。
何より、これから映画を観る時、
劇場の候補が一つ増えた事をとても嬉しく思います。


で、初「TOHOシネマズ上野」で観たのが、
このホラー映画、「ゲット・アウト」。


初めての劇場でホラーってどうなのよ、とも思いますが(笑)、
自分らしいといえば、自分らしい。


最初に、この映画の事を知った時、
黒人青年の写真が印象的だったので、
人種差別がテーマの、
シリアスな内容だと思っていたのだけれど、
ホラーだったとは。


いや、しかし、ただのホラーではない。
私が第一印象で受けた、
人種差別が関係する事は間違いなく、
問題提起されるようなホラー。


21世紀になって、人種差別?と思うけれど、
今がいつの時代かなんて、
全く関係ない。
多分この差別は永遠に続くであろうと思われる内容。


とにかく怖い。
ドキっとさせられる場面が多く、
心臓に悪い(笑)。
「怖いよ」と独り言を言いそうになる。


それから、なんだろう、
人物を不気味に描くのが、
この映画、すごく上手い。
「説明がつかないけど、この人、変」と。


特に、家政婦の黒人女性が、
最初に画面に映った時は、
理由は分からないけど、
背筋がゾッとした。
製作側がいくらそう狙っても、
狙い通りにならない映画もあるだろうに、
その通りになるのだから、凄い。


それにしても、
催眠術って怖いわ。


ローズの母は、
ティーカップとスプーンで、
嫌な感じに音を立て、
すると、クリスはいつの間にか、
催眠状態に入ってゆく。


人って、あんなに簡単に
催眠術にかけられてしまうものなんだろうか。
あれが可能なら、
どんな人でも、
意のままに操る事ができる気がするんだけど。


この映画のラストは、
2種類用意されていたという。


でも、私は、
この終わり方で本当に良かったと、胸を撫で下ろした。
ネットで、もう一方の終わりを読んだけれど、
そちらが採用されていたら、
納得しないまま、
これからお世話になるであろう、
新しい劇場を後にした事と思う。


評価 ★★★☆☆

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